ある晴れた日に
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672部分:日の光は薄らぎその二
日の光は薄らぎその二
「それだとどうかしら」
「ロシアのケーキって?」
「何それ」
「一体どんなのなの?」
「クッキーみたいなものよ」
そういうものだというのである。
「ロシアでは焼き菓子は全部そう言ってね」
「ふうん、そういうのなの」
「ロシアのケーキって」
「それでどうかしら」
また皆に言ってきた。
「今日の贈り物は」
「悪くないよな」
「だよな」
まずは男組が話す。その口の中で飴を舐めながらである。
「それもな」
「それはそれで美味そうだしな」
「いいんじゃね?」
彼等の意見は賛成であった。
「なあ。それでな」
「今日はな」
「そうよね」
今度は女組が話す。
「クッキーとかそういうのって考えたらね」
「いい感じよね」
「じゃあいいかも」
「今日はそれでね」
「じゃあ決まり?」
咲もポッキーをかじりながら述べてきた。
「そのケーキで」
「そうよね。それだったら」
「それじゃあ」
「結構美味しそうじゃない?」
咲達五人はいつもの適当な調子で話をした。
「そういうケーキもね」
「そうよね。そういうのも」
「話を聞いてるとクッキーにも似てるけれど」
「ああ、そうよ」
まさにそうだと答える恵美だった。
「実際にクッキーに似てるわよ」
「そうなんだ。クッキーなんだ」
「それだったら」
「そうよ。お茶にも合うわよ」
恵美はくすりと笑ってこのことも話してきた。
「特にやっぱり」
「ロシアンティー」
「やっぱり」
「そうよ、まあうちにはないけれど」
彼女の家の店の話もするのであった。
「ちょっとね」
「ないんだ、それは」
「ロシアンティーは」
「それはあるわよ」
ロシアンティーはあるというのである。そっちはだ。
「ただね。そっちのケーキはないのよ」
「まああれよね」
静華が首を少し傾げさせながら述べた。
「あんたのお店にはあまり合わない感じがするわね」
「そのケーキは」
「ええ。何となくだけれど」
こう言うのである。
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