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ある晴れた日に

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527部分:空に星は輝いているがその十四


空に星は輝いているがその十四

「何処にいるんだ、それで」
「一体何処に」
 耳を澄ませる。するとだった。
 彼等が今いる場所のすぐ側から聴こえてくるのがわかった。その部屋の前に行くとだった。そこに書いてある名札を見て。まずは五人が叫びそうになってそれを必死で抑えた。
「・・・・・・・・・!!」
「そんな・・・・・・」
 五人共愕然となっていた。暗がりの中でも顔が蒼白になっているのが周りにわかった。
「これって」
「未晴!?」
「嘘でしょ」
「いや、これってよ」
「間違いないぜ」
 五人は最初その目で見たことを信じようとしなかった。しかしここで周りが言ってきた。
「竹林未晴」
「はっきりと書かれてるけれど」
「そんな、それじゃあ」
「やっぱり未晴なの・・・・・・」
「嘘だろ・・・・・・」
 五人はそのことを受け入れるしかないとなってあらためて愕然となった。
「未晴が何でここに」
「風邪じゃないの?肺炎じゃ」
「いや、ひょっとしたらだけれど」
 蒼白になってしまった顔で言い合う五人に対して竹山が告げた。
「それは真実じゃなかったんじゃないかな」
「真実じゃないって」
「風邪にしないとまずい理由があったんじゃないかな」
 そうではないかというのである。
「そうしないとね。肺炎でってことで」
「じゃあ一体」
「本当の理由は」
「ここにいてもわからないことだろうね」
 竹山はまた五人に対して述べた。
「ここにいてもね」
「わからないって」
「じゃあ」
「うん、扉の前にいてもね」
 具体的にはそういうことなのだった。
「わからないよ。それに」
「あっ、ギターの音が」
「ここから」
 またあのギターの音が聴こえてきた。それは彼等が今いるその部屋の中からだった。そこからしっかりと聴こえてきていたのである。
「音橋よね」
「間違いないよね」
 明日夢と茜が顔を見合わせて言い合った。
「それはやっぱり」
「これって」
「そうだとしたら」
「どうしよう」
 恵美と桐生が言った。
「あいつが中にいる」
「そして一緒に」
「未晴もいる」
「間違いないわね」
 春華と凛が顔を見合わせて言い合った。
「中に二人が」
「いるのね」
「けれど。何でなの?」
 奈々瀬は俯いて言葉を出してきた。
「未晴と音橋が付き合ってるのはもうわかってるけれど」
「そうよね。咲達あれよ」
 咲が彼女のその言葉に応える。
「未晴とは本当にこれ以上はないっていう関係なのに」
「私達に言えないことなんてなかったのよ」
 静華もいつもの能天気そのものの明るさがない。
「それで何でなのよ。私達に言えないことって」
「どうしても言えないことじゃねえのか?」
「そうだよな」
 野茂と佐々はそれではないかというのだ。
「御前等でもな」
「そうじゃないのか?」
「言えないことって何よ」
「そうよ、何なのよ」
 これが五人にはどうしてもわからないことだった。
 
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