レーヴァティン
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第百八話 善行がもたらした果報その一
第百八話 善行がもたらした果報
英雄達は紀伊に六万の兵を率いてそのうえで入ったが英雄はその六万の兵を紀伊の諸勢力との戦には使わず。
魔物退治に使うことになっていた、とかく紀伊は魔物が多いからだった。
兵を紀伊和歌山城に進めつつ紀伊の山や川、湖そして森や谷にいる魔物達を倒していった、その数は多かったが。
英雄は十二人の仲間達と共に兵を率いて魔物達を倒していった、途中巨人が度々出て来たがその巨人達もだった。
英雄達は自ら戦い倒した、そして。
木岩谷加山城にも兵を進めていたがその中でだった。英雄は紀伊の国人や寺社が降るのを受け入れていたが。
この日の降った者達の数にだ、彼は仲間達に話した。
「今日はな」
「昨日よりもでざるな」
智が応えた。
「遥かに多いでござるな」
「そうだな」
「これはでござる」
智は英雄に話した。
「拙者達の魔物退治の話がでござる」
「広まってか」
「それで、でござる」
「俺達が信頼出来ると思ってか」
「魔物の退治はでござる」
この行いはというのだ。
「まさに民の不安を取り除く」
「街や村を出れば襲い掛かって来るからな」
「それを倒すことは」
それはと言うのだった。
「それはでござる」
「善行だからか」
「だからでござる」
「俺達は民を助ける者だとか」
「このことからも確信してでござる」
それでというのだ。
「昨日までも降る勢力がでござる」
「増えているか」
「そうでござる」
まさにと言うのだった。
「善行は何をもたらすか」
「善行を行う者にか」
「果報をもたらすでござる」
「それは人だけでなくか」
「人が集まって出来るものもでござる」
「つまり俺達の様な勢力もか」
「そうでござる」
英雄達、言うならば地方政権もというのだ。
「それはでござる」
「同じか」
「それで、でござる」
「俺達に降る者が多いか」
「暴虐の輩に降るか」
智は英雄に話した。
「それはでござる」
「言うまでもないな」
「暴虐の輩に降るならば」
「やがてはその悪行に巻き込まれてな」
「滅びるでござる」
そうなることが道理だというのだ。
「そうなるでござるから」
「だからだな」
「少しでも良識があれば暴虐の輩には従わず」
「善徳の者にか」
「降るでござる」
「そしてその下で生きていくか」
「そうするでござるから」
だからだと言うのだった。
「この紀伊でもでござる」
「降る勢力が遥かに増えたか、この調子では」
「紀伊がでござるな」
「俺達の手にな」
まさにと言うのだった。
「完全に入るな」
「その勢いですね」
良太も言ってきた。
「忍の里もです」
「次々とな」
「降ってきています」
そうなってきていた、今日から。
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