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レーヴァティン

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第百七話 善政が招くものその十三

 巨人はその一撃で真っ二つになり金の山になった。兵達はそれを見て着地した英雄に対して声をかけた。
「お見事です」
「巨人を一撃ですか」
「とんでもない強さの連中なのに」
「殿なら」
「巨人の強さは違う」 
 全くとだ、英雄は着地して立ち上がってから兵達に答えた。
「幾らお前達でもだ」
「相手になりませんか」
「とても」
「しかしですね」
「殿ならば」
「何とかなる、俺とだ」
 それにというのだ。
「十二人ならな」
「巨人が出てもですね」
「倒せるので」
「だからですね」
「今の様な時は」
「任せることだ」
 こう言うのだった。
「いいな」
「わかりました」
「それではです」
「また巨人が出ましたら」
「その時は」
「任せろ」
 その時もとだ、英雄は言った。
「俺達にな」
「そうして下さいますか」
「今の様に」
「そうしてくれるのですね」
「当然だ」
 そうすることはというのだ、
「俺達しか巨人は倒せないからな」
「ではですね」
「こうして魔物を退治していき」
「巨人はですね」
「殿が」
「倒す、魔物があまりに多いなら」
 それならとだ、英雄はまた言った。
「倒して減らしておくことだ」
「この国の為」
「だからですね」
「今こうしてですね」
「倒していっていますね」
「川も湖もだ」
 そちらもと言うのだった。
「この国はそちらも魔物が多い」
「だからあちらにもですか」
「兵を送られて」
「そして退治されていっていますか」
「魔物に満ちた国では駄目だ」
 英雄は兵達に言い切った。
「だからだ」
「高野山や忍達は気になりますが」
「それでもですね」
「魔物は倒す」
「それが第一ですね」
「この国の民の為にもだ」
 こう言ってだ、英雄は兵達を率い自らも戦いつつ魔物達を倒していった。六万の兵達はそうもしていっていた。


第百七話   完


              2019・3・24 
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