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ドリトル先生と姫路城のお姫様

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第二幕その十一

「あの人にしてもね」
「出身地も関係するかも知れないですか」
「僕はそうも思うよ」
「そうですか」
「金沢にも一度行かないとね」
「泉鏡花について調べるうえで」
「うん、調べるにあたって」
 まさにというのです。
「現地調査は基本だね」
「はい、フィールドワークは」
「今回は天守物語についてでそこまではしないけれど」
 金沢までは行かないけれどというのです。
「それでもね」
「金沢にですね」
「そう行ってね」
 そのうえでというのです。
「フィールドワークに励むよ」
「そうされますね」
「泉鏡花自身に詳しく書くのなら」
「その時はですね」
「絶対に金沢に行くよ」
 そうするというのです。
「太宰治について調べるうえで青森に行くのは絶対だしね」
「あっ、そうですね」
 トミーは太宰治と聞いて述べました。
「あの人は津軽出身で」
「特に出身地が関係する人だからね」
「そうですよね」
「織田作之助もそうだけれどね」
「あの人は大阪で」
「大阪を舞台にした作品が多いね」
 それ故にというのです。
「だから織田作之助の論文を書くのなら」
「大阪に行くことですね」
「そして太宰治もね」
「青森の津軽に行って」 
「あの場所を見て回ってですね」
「調べることが必要だよ」
 太宰治の出身地から太宰を知ることだというのです。
「これは多くの作家さんでも言えるね」
「出身地を調べる」
「そう、日本の作家さんだけじゃないよ」
「他の国の作家さんもですね」
「その通りだよ、勿論イギリスの作家さんもだよ」
 先生の出身地のこの人達もというのです。
「やっぱりね」
「出身地を見て回ることですね」
「それが大事だよ、だからね」
 それでというのです。
「泉鏡花にしてもね」
「あの人自身についてじっくり書くのなら」
「金沢に行かないといけないよ」
 この国にというのです。
「是非ね、縁のある場所にもね」
「だから今度姫路城に行かれるんですね」
「そうだよ、あのお城にね」
「天守物語の舞台の」
「あそこに行くよ」
 フィールドワークにというのです。
「是非ね」
「そうされますね、ただ」
「ただっていうと」
「先生が何処かに行かれると何かが起こりますよね」
「ああ、そういえばね」
「ですから姫路城でも」
 若しかしたらとです、トミーは先生に言うのでした。
「何かあるかも知れないですね」
「あっ、あるかもね」
「先生の場合よくあるからね」
「これまで色々な場所に行ったけれど」
「結構色々あったから」
「だからね」
「皆が言う通りですよ」
 トミーはお料理の用意をしながら先生にお話します。
「その時は何かあったら」
「そのことに応じてだね」
「皆に助けてもらって下さいね」
 動物の皆にというのです。
「いつも通り」
「うん、僕はこれまでね」
 先生も過去の様々なことを思い出しつつトミーに応えます。 
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