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ある晴れた日に

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343部分:白銀の月その八


白銀の月その八

「言うわけにはいかないな」
「こりゃ相当やばいルートね」
「間違いないな」
 皆本能的にそのことを察したのだった。
「まあ法律的にどうなのかはわからないけれど」
「相当洒落にならないルートだよな」
「けれどあれだろ?一介の下町の開業医がカイザーナックル持ってたりするだろ」
 佐々はこれまたかなり極端な例えを出してきた。
「それと比べたらどうだ?かなりまともだろ?」
「あれはまたかなり極端な話じゃない」
 咲は今の佐々の言葉にその二重の目を思いきり怪しむものにさせていた。
「大体それを言ったらあんたのお家のお店だって一介の食堂じゃない」
「まあそうだけれどな」
 表向きはあくまでそうである。
「とりあえず早い安い美味いを心掛けてるから安心しな」
「その前に捕まるなよ」
「ワシントン条約守れよ」
 これがかなり疑問なことだった。とにかく謎の多い佐々の家の店であった。
 そんな話をしているともうジェットコースターの前にいた。既に三人がそこにいてにこやかに笑いながらソフトクリームを食べていた。
「ああ、来たのね」
「先にいただいてるわよ」
 明日夢と奈々瀬がそれぞれソフトクリームを食べながら皆に言ってきた。
「とりあえずジェットコースターは今行ったから」
「二人も乗ったわ」
 今丁度コースターが動こうとしていた。上でゆっくりとその動きをはじめている。皆は上を見上げたがそれでも二人の姿は確認できなかった。
「ええと、何処だ?」
「何処にいるのよ」
「けれどいるのは間違いわよ」
 今度は凛が皆に述べた。
「ほらっ、証拠」
「あっ、本当だ」
「確かに」
 彼女が出したのは自分の携帯だった。そこの画面に写メールで映し出されていた。今コースターの入り口に入り階段を昇ろうとしている二人の姿がそこにあった。
「じゃあ間違いないな」
「あそこにいるのね」
「そうよ、これさっき撮ったものよ」
 また皆に話す凛だった。
「これでわかるわよね」
「ああ、よくな」
「説明不要な位にな」
「後は。私達にはどうすることもできないけれど」
「ここで見るだけ?」
 千佳は上を見上げて首を傾げさせた。コースターのレールはかなり長く遊園地のかなりの部分を占めている。しかもアーチになていたり輪になっているのが三つも連なっていたり急傾斜もあったりとそうした場所が幾つもあった。かなりハードなものになっている。
「それしかできないのね」
「何か面白くないな、お化け屋敷といい」
「そんなのいいわよ」
「そうよ」
 すぐに奈々瀬と茜が皆に反論する。
「入らなくても」
「見てるだけで沢山よ」
「あんな場所なんて」
「そうそう」
「まあいいけれどな」
「別に御前等とデートしてるわけじゃないしな」 
 野茂と坪本の二人への言葉は実にクールなものであった。
「それはそうとだよ」
「ここってやばくね?」
「危ないって?」
 明日夢はその二人の言葉に目をきょとんとさせる。
「ジェットコースターが落ちてくるとか?」
「それってもう立派な大惨事なんじゃないの?」
 咲も二人に突っ込みを入れる。
「そんなことが起こったら」
「ああ、そういうのじゃなくてよ」
「あれだよ」
 二人はとりあえず咲だけでなく皆にも言う。
 
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