ある晴れた日に
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310部分:その日からその六
その日からその六
「早いけれどね」
「っていうかもう用意しておいたのね」
「そうみたいね」
恵美に対して話すのだった。
「奈々瀬もわかってるじゃない」
「それでどんな服着てるんだよ」
坪本はこのことを話す。
「今の竹林はよ」
「こんなの」
茜はその声に応えて自分の携帯の画面を皆に見せた。見るとそこには未晴の後ろ姿が映っていた。それは白いブラウスに水色の薄い生地のフレアスカートであった。
「ああ、確かにな」
「似合ってるな」
「だよな」
男組はその彼女の服を見て笑顔で話すのだった。
「っていうか竹林って絶対ミニスカートはかないよな」
「だよな。そういえばな」
「学校の制服だってな」
彼女の学校での服についても話される。
「スカート長いんだよな」
「そうだよね。短いことは短いけれど」
竹山はここで口を開いたのだった。
「それでも女の子の中じゃ一番ね」
「あの五人の中じゃそうだな」
野本はまた頷いた。
「あの五人何かスカート凝ってるっていうか折るしな」
「それで皆短くしてるのよ」
明日夢がこのことを男組に話す。
「スカートをわざわざ折ってね。それでさらに短くしてるのよ」
「短くね」
話を聞く男組は首を少し傾げさせていた。どうも少しわからないといった感じだった。
「だってそうじゃないとあそこまで短くならないでしょ」
「うちの学校のスカートは元々短いけれどね」
恵美の顔は少し苦笑いめいたものになっていた。見れば今の彼女の服は黒いブラウスに同じく黒のジーンズだ。それがやたらと似合っている。特に長袖の襟を折っているのがいい。
「それでも。皆あえてさらに短くしてるのよ」
「まあ女子のスカートが短いことはいいけれどな」
「だよな」
男組はそのことは素直に喜んではいた。
「けれどそこまでしないといけねえんだな」
「っていうか下手したら見えるぜ」
これまた随分とストレートな言葉であった。
「動いたらひらりってな」
「それはいいのかよ」
「見えないようにするのが秘訣なのよ」
茜は楽しそうに笑ってこのことも言う。
「見えそうで見えない。それがファッションってやつよ」
「最近それが流行だしね」
明日夢も茜に続く。
「こっちもそれで苦労してるのよ」
「そこまでしないといけないんだな、女組は」
「何ていうか大変だな」
男組はここでやっと女組のそうしたことを知るのだった。
「俺達なんかただ気に入った色の制服選んだらそれだけなのにな」
「そうじゃないのか」
「女ってのは難しいのよ」
明日夢は彼等に笑って話すのだった。
「服一つ切るのにもね」
「そういえば今の北乃の服もな」
「だよな」
彼等はその彼等の服を見ても話す。
「白のシャツに青のジーンズの半ズボンってな」
「それも考えてるんだよな、やっぱり」
「当然」
バニラシェイクを飲みながら席で胸を張る。
「当たり前じゃない。エプロンだって帽子だって」
「いや、帽子あれしかねえしよ」
「今だってそうだろ?」
男組は帽子は否定気味に突込みを入れた。
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