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ある晴れた日に

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308部分:その日からその四


その日からその四

「そんなのやられたら痛みでショック死するぞ」
「っていうかもう二度とな。立ち直れないよな」
「だよなあ」
 男組は顔を見合わせて話をする。それぞれ青い顔で。
「間違ってもそれはしないでくれよ」
「頼むからな」
 こう静華に対して言うのだった。
「ちょっとな。それだけはな」
「やらないでくれよ」
「わかってるわよ。あくまで非常時だけよ」
 流石に静華もそれはわかっていた。
「実際には急所蹴りもしたことないわよ」
「当たり前だ、そんな怖い技使うんじゃねえよ」
「どんな殺人拳なんだよ」
 確かにそれは最早普通の空手の技ではなかった。まさに殺人拳であった。
「っていうか御前の空手の流派やば過ぎるだろ」
「それの黒帯かよ」
「他にも膝とか肘潰す技もあるけれど」
 そんな技もあるのだった。
「目潰しとか喉責める地獄突きとか」
「全部やばい技じゃない」
「何、それ」
 男組だけではなく女組も言うのだった。
「とんでもない技ばかりだし」
「冗談抜きでどういった流派なのよ」
「一応は普通の流派よ」
 静華はそれははっきりと言う。
「ただね。非常時にはよ」
「そういった技も使うと」
「そういうことね」
「そういうこと。あくまで非常時ね」
 このことはちゃんと話すのだった。
「使っていい場合はね」
「それでも随分とやばい流派だよな」
「そうよね」
 皆それを聞いてもこの意見は変わらなかった。
「っていうか音橋が下手なことしたら」
「そうなるっていうのか」
「そうじゃなきゃうちがバイクで体当たりしてやるよ」
 春華も今の言葉は本気だった。
「それも全速力でな」
「それも犯罪に近いな」
「っていうかそれそのものだし」
「とにかくよ。あいつが未晴に変なことしたらよ」
「絶対に許さねえからな」
 それはこの二人だけでなく五人共通の考えであった。そうしてそのうえで話を続けるのだった。
「とにかく。明日はそれじゃあ」
「デートについていって」
「皆でな」
 こう話を進めていくのだった。
「何かがあるのは間違いないから」
「それを見守ってね」
「そういうことね」
 それぞれ話していく。
「その場合は何があっても許さないってことで」
「かといっても極端なことがない限り急所攻撃なんかするなよ」
 野本は真剣に静華に念を押した。
「下手しなくても死にかねないからな、そりゃよ」
「男って弱点がはっきりしてるのね」
「まあな。それはな」 
 これは彼等も否定できなかった。野本だけではなく彼等全員だった。
「話聞いててぞっとする位にな」
「洒落になってねえよ」
 男組は意気消沈してしまっていた。それに代わって女組が話を進めていた。
「じゃあ未晴の後をつけてね」
「変装して」
「それで行くわよ」
 何だかんだで話は進んでいく。そうしてその次の日。皆携帯で連絡を取りながら動いていた。まずは駅前のマクドナルドの中に入ってそこから駅前を見守るのだった。
「もうすぐ来るってさ」
「もうすぐか」
「うん、そうよ」
 そこには明日夢がいた。そうして自分の携帯のメールを見ながら皆に話している。
 
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