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ある晴れた日に

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298部分:空と海その三十一


空と海その三十一

「折角のオレンジキャンデーなのに」
「じゃあ後で貰うわ」
「ええ」
「とりあえず冷やして元に戻してからね」
「私もそうしたらよかったわ」
 自分で後悔している凛だった。
「飴はやっぱり冷えてないと駄目ね」
「あんたはまた飴ばっかり舐めるね」
 恵美がふと彼女に言ってきた。
「入学の時から見てるけれど」
「飴好きだから」
 それが理由であった。
「だからね」
「昔から?」
「昔からこれとプリクラ大好きなのよ」
 趣味のプリクラ撮影のことも話すのだった。
「もうこの二つがないと生きてけないのよ、私って」
「プリクラはともかく飴はねえ」
「本当に子供の頃からだからな」
 また奈々瀬と春華が呆れたような苦笑いと共に述べる。
「あと阪神と」
「凛ってこの三つがないと生きていけないのよね」
 静華も呆れたような苦笑いで言う。実際に昔からなのが彼女達の言葉からわかる。
「困ったことにね」
「特に飴はね」
 凛自身は最初にそれを出すのだった。
「もう一日一個は舐めないと駄目なのよ」
「うちに飴だったらサービスで好きなだけ貰えるけれど」
 ここでまた明日夢が言う。
「キャンデー型のもペロペロ舐めるやつも」
「実はどっちも大好きなのよね」
 凛はまた自分から話した。
「あの大きなカラフルなペロペロキャンディもね」
「あれか」
「漫画に出て来るかれかよ」
 野茂と坪本はすぐにそのキャンディが何かわかった。
「あのキャンディ本当にあるんだな」
「ああ、あるんだよそれが」
 そんな話をしながら辿り着く。そして皆また飲み食いをはじめるのだった。
「いやよ、焼きそばとビールもいいけれどよ」
「だよな」
 坂上と野本が話す。それぞれ四つに切ったグレープフルーツの一片を手に取ってしゃぶりつきながら。そうしながら話すのだった。
「こういうのもいいな」
「だよな」
 言いながら食べていくのだった。
「身体にいいしな」
「だよなあ」
「それも考えてなのよ」
 ここでまた明日夢が皆に話す。彼女はスクリュードライバーの缶を飲んでいる。
「だからグレープフルーツにしたのよ」
「それでだったのかよ」
「柑橘類は栄養の宝庫よ」
 明日夢は言う。
「夏に食べるのには最高なのよ。夏バテにもいいのよ」
「栄養があるのは知ってるけれど」
「そんなにいいの」
「だからあえてこれを選んだのよ」
 明日夢はこうも言うのだった。
「グレープフルーツをね」
「何か味が普段よりよくね?」
「そうよね」
 皆そのグレープフルーツを見て言い合う。
「あとこの西瓜も」
「何か砂浜で食べるせい?」
「それだよ。暑い時に食うだろ?」
 佐々がそこを指摘するのだった。
「それがいいんだよ」
「炎天下で食べるからか」
「甘くて冷たいのを」
「だから美味いんだよ。しかも汗かいたから余計にな」
「何かそういうの考えたらね」
「だよな」
 皆佐々の言葉を聞いて納得した顔で頷いていく。
 
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