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レーヴァティン

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第九十九話 要塞攻略その十一

「飲んでな」
「そしてなのね」
「祝うぜ」
「そうなのね、けれど今回の勝利で」
「半島北部の統一は、か」
「決定的になったわね」
「そうだな、じゃあな」
 そのことを実感しつつだ、久志は仲間達に話した。
「その実感のままな」
「これからは、だな」
「トリエステに兵を向けてな」
「ヴェネツィアにもだな」
「兵を向けるか、あと騎士団との国境の方にもな」
「兵を向けてだな」
「抑えておくか」
「ではな」
「ああ、兵を三つに分けるぜ」
 今言ったそれぞれの方にとだ、久志は言い切った。
「そうするぜ」
「ではな」
「さて、これで攻城戦とかならないといいけれどな」
「問題はヴェネツィアだ」
 正はこの街こそがと述べた。
「あの街だ」
「簡単に降る街じゃないか」
「そうだ、あの街は守りが固い」
「湖の中にある様な街でな」
「攻めるには多くの船が必要でだ」
「街の中を攻めていくにしてもな」
「しかも水路が迷路だ」
 そう言っていいものになっているからだというのだ。
「だからだ」
「あんなに攻めにくい街はないよな」
「それでも攻めるしかないな」
「どうしても降らないならな」
「そうだな、しかしだ」
「そこは、か」
「湖から攻めることだ」
 湖の上にある様な状況でそれを最大の守りにしているこの街を攻めるとすればというのだ。
「ではだ」
「芳直に連絡するか」
「あいつの湖軍にジェノヴァ方面から半島の周りを巡ってな」 
 その様に動いてもらいというのだ。
「そしてだ」
「攻めるべきだな」
「そうだ、ではいいな」
「ああ、それじゃあな」
「あいつに連絡をしろ」
「そうするな」
 こうしてだ、久志はすぐに術を使って互いに連絡を取る貝殻を出してそれを携帯電話はスマートフォンの様に使ってだった。
 そのうえでジェノヴァの港に入港していた芳直と彼が率いる湖軍に連絡を取った、すると彼もだった。
 心地よい返事でだ、久志に答えた。
「ああ、じゃあな」
「今からだな」
「そっちに行くな」
「そうしてくれるか」
「ヴェネツィアを湖から攻める様にするな」
「そうしてくれ、湖軍が来るまでにな」
「そっちもだな」
「陸から進んでな」
 そうしてというのだ。
「湖軍が到着する頃にはな」
「動ける様にしておくな」
「ああ」
 その通りだとだ、久志は答えた。
「こっちは任せておいてくれ」
「その言葉確かに聞いたぜ」
「そういうことでな」
 久志は芳直に笑顔で応えた、そしてだった。 
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