こんなチートでもありですかい?そうですかい。
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第32話。変人と素晴らしき同類。
次の日の朝・・・・晋吾は土下座をしていた。
「で?何か言うことある?」
「姉ちゃんごめんなさい。」
ぶっちゃけると姉ちゃんに夜抜けだしていたことがばれました。何故だ?
兎に角、お姉ちゃんオーラがパネェ。JOJOのドドドとかワンピースのドン!とかそんなチャチなもんじゃねぇ。
まぁ、いつかはばれんじゃねー?って程度には思ってた。ばれたらばれたでテヘッペロで済ませようかと思ってたけど無理っす。昨日までの俺死ね
「晋吾。」
「アイマム!」
姉ちゃんの赤い眼がスッ・・と細まり、ゴミを見る眼に変わる。
・・・・怖い!!ちびりそうになった。
「私、門限16時って言ったわよね?」
「門限とは帰らなければならない時刻のことであってですね・・・・」
「口答えはいいの。出歩くなって意味で言ってるの分かってるわよね?」
「イエスマム!」
怖いよー。シロちゃん助けてー。っと目線で探したら、「行ってきまーす」と逃げるように出かける士郎の声が聞こえた。
「と・に・か・く!今日出歩いたら承知しないから」
「具体的には?」
「士郎達連れて城で暮らすから勝手にすれば?」
姉ちゃんがガチ切れしているのがよくわかります。
ゴメン、アル。今日は行けないみたいだ。そしてシッキー、アルに怪我させたら殺す。
この日はおとなしく学校に行って真っ直ぐ家に帰る。もちろん、このままアル達をほっとく訳にはいかない。ので、
「姉ちゃんお願いします!」
「・・・・」
頭を下げにきました。あと何か喋ってください。怖いです。
「・・・・晋吾、私は、不安なの。切嗣は入院してるし、これ以上家族に何かあったら・・不安で」
「姉ちゃん」
「晋吾が平気だって分かってる。でも、勝手に居なくならないで」
「・・・・ごめんな。姉ちゃん。」
「許さないっ」
「・・・・何をすれば許してもらえますか?」
「今日、一緒にお風呂に入って一緒に寝てくれないと許さないんだから!」
この日は小学生のころ以来、久しぶりに姉ちゃんと一緒に風呂入って寝ることに。姉ちゃんも一人は寂しかったらしく、嬉しそうにグッスリ眠っていた。
今日はちゃんと姉ちゃんたちに、行ってきますを言ってから三咲町に向かう。うむっ、これだけで気分が違うな。
約束をすっぽかしてアルが拗ねてなきゃいいけど。とりあえずいつもの公園に向かいますかね。
公園に向かうと、シッキーがリストラされたリーマンみたいにブランコを漕いでいた。
「シッキーどうした?哀愁が漂ってるで?」
「ッ!晋吾!?」
「おうよ。」
ひどく驚いた様子のシッキー。むぅ本当にどうしたんだ?
「昨日はどうしたんだ!?アルクェイドはずっと機嫌悪かったし、大変だったんだぞ!?晋吾ん家に乗り込もうとして止めるのが!!」
「ぶっちゃけると姉ちゃんにばれて怒られてました。」
「あー。うん。なんかごめん。」
「いいってことよ。」
ションポリした晋吾の表情に居た堪れなくなってしまう志貴
俺、なんかシッキーと仲良くなれた気がする。
「ところでシッキー。元気ないけどどうしたん?」
「あぁ、実は・・・・」
「アァアアアア!晋吾!!」
「ヤッホー。」
「バカ!バカバカバカバカ!!なんで昨日来なかったのよ!!」
「ぶっちゃけると姉ちゃんにばれて怒られてました。」
「あー。うん。なんかごめん。」
ションポリした晋吾の表情に居た堪れなくなってしまうアルクェイド
なんか凄いデジャブ。
「ごめんな。本当は連絡取れたらよかったんやけど、ケータイとか持ってないやろ?」
「ケータイ?ないわ。・・・・持ってた方がいいの?」
「んーまぁ、ないよりは」
ムムムッと唸り始めるアル。嫌な予感しかしない。行動を起こす前にケータイでもプレゼントしとくか。
「で?シッキーの相談事ってなんや?」
「相談事?」
「ああ、実は・・・・」
「志貴がロアじゃないかですって?そんなわけがないでしょ?」
「このバカが!」
「なんでそこまで言われなきゃいけないんだよ!!」
ノリですサーセン。
「正直な話やけど、シッキーがロアだったらとっくの昔にサーチ&デストロイで消えとるで?俺がほっとく理由なぞなか」
「あっ、そうか。」
納得した表情のシッキー。
「とりあえず、今日も行くで?」
「んー。今日は居ないみたいやのー」
「ほんと?」
「ロア自身もじっとしとるみたいやし、死者もおらへんのぉ」
じゃ帰る?って雰囲気に来た。ふとシッキーを見ると、胸元なら血が滲み出ていた。
「おい。シッキー。胸元が大変なことになっとるで?」
「え?あ、いや、心配するほどじゃないんだ。痛くもないし。古傷からちょっと血が滲むだけだから・・」
手に付くまで滲んでいるのにちょっとどころじゃないだろ・・・・
と、内心で思っていたらアルの様子がなんだか変だ。
「アル。どうし・・」
「近づかないで!!」
肩を触ろうとしたら叩かれた。・・・・結構なレベルでハートブレイク。
「あっ・・ごめんなさい。・・私、疲れちゃったみたい。また明日の夜、公園で会いましょ」
そう言って逃げるように走り去るアル。・・・・かなりのレベルでハートブレイク。
「あわわわ。どないしようシッキー!どないしよう!?」
「お・・追いかければいいと思うよ?」
「おお!ドラマみたいな展開やな!ほならシッキーまた明日!」
シッキーのアドバイス通りにアルを追いかける俺。正直アルの方が速いです。
まぁ、どこにいるかは一目瞭然な感じなので先回りしてみようと思います。
「アル!待ってくれ!!」
そう言って後ろから両腕で抱き止める。おおっ、なんかドラマの俳優みたいだな俺。
若干身長が足りないのが悔やまれる。せめて150!150あれば!!
「・・・・・・晋吾。私・・怖い。怖いの。」
「アル?」
「晋吾の血が・・飲みたくて、飲みたくて。でも、そんな自分が怖くて。なら、代わりに志貴のなら・・って考えてた自分が怖くて」
「アル・・・・」
少し驚く。アルがこんなことを考えていたなんて・・・・
「アル・・・・お前は優しいのぉ」
「優しい?私が?」
「ああ。血が飲みたいのに飲みたくないんやろ?それは優しさだと思うで?」
「違う・・私は・・・・自分が嫌で、私が・・・・」
「自分を否定すな」
静かな声だが、力強い声を発する晋吾。
「本来食料である血を飲むことを、怖いと感じるのは、人間を『等しく』見とるからやろ?」
「私は・・・・」
「知性と価値観が等しいモノを食料として見たくないんやろ?それは優しさや。」
「なんで?なんで晋吾は私のことが分かるの?」
「当たり前やがな」
泣きそうな震える声でアルクェイドが尋ねると、晋吾は変わらぬ声で答える
「おまえが好きやから」
なぜか顔を真っ赤にして活動停止してしまったアルの再起動を待つこと30分。ようやく落ち着きも取り戻したようだ。
「どうしても我慢できなかったら俺に言えや。ほかの奴の血なんて飲まれたら、嫉妬でそいつ潰してしまうさないに」
「・・・・もう。晋吾のバカ」
「じゃ、また明日会いまひょ?」
「ええ。また明日。」
「・・・・おっと。忘れるところやった。」
帰ろうとしていた晋吾は、踵を返してアルクェイドに近づき、唇を重ねる。
「また明日」
「・・・・晋吾のバカ」
帰ろうとしたが、ロアの動きを感じ、追いかける。するとなぜかシッキーとバトってるじゃないですか。
さすが主人公ってとこやな。イベントのエンカウント率が異常や
よく見ると変身していないで眼鏡がない。いきなり襲われたのか?
ロアを圧倒するシッキー。うわーやっぱつえー。
しばらく観戦してると、シッキーがロアの胸を突こうとして急に止める。すると逆に反攻に出られピンチに
もしかして死の点突きそうになった?言いつけを守ってもらえて嬉しいが、シッキーがまずいので助けないと
頭上からバットを振り下ろしてロアの腕を弾き、蹴りを入れる。
「助っ人登場!」
「晋吾!!」
「もう一人いるがな」
「え?」
晋吾が人差し指で空を指す。すると剣が雨のように降り、ロアを襲う。
「だ・・誰だ!?」
「キチガイエリート集団所属のコスプレプレイヤー!素晴しき変人さんや!!」
「違います!!」
「シ・・シエル先輩!?」
「先輩!?まさかシッキーもプレイヤーだったのか!?」
「だから違います!なんでそうなるんですか!?ていうか戦闘中ですよ!?」
怒涛なるツッコミ。フッ・・・・さすがやな。
新たな乱入者と漫才していたら、ロアが体に突き刺さった剣を抜いてこちらに投げてきた。
「危ない!!」
シエル先輩とやらが叫ぶ
「お?何が?」
と普通に掴んだ。なんとも言えない空気が流れ、いつの間にかロアは消え、シッキーは気絶した。え?この空気のなかで二人っきり?
・・・・アル~~カムバァアアック!!
後書き
イリヤが怒った(`・ω・´)でもすぐにデレた。
さすがロリキラーストロング。晋吾じゃなかったらイチコロやな。
今話のツッコミどころ。
>お姉ちゃんオーラ
とりあえずすごい。
>姉ちゃんの赤い眼がスッ・・と細まり、ゴミを見る眼に変わる。
実は、作者的にこの言い回しを気に入っている。
>士郎達連れて城で暮らすから勝手にすれば?
衛宮家の人間にとっては死刑宣告に等しい。
>ションポリした晋吾
たぶん癒やし系
>ハートブレイク
動きが止まるアレ。伊達さんが得意。
>せめて150!
切実な願い。
>踵を返してアルクェイドに近づき、唇を重ねる
踵は浮いてる。
>イベントのエンカウント率が異常や
お前が言うな
>素晴しき変人さん
シエル先輩のこと。今話のタイトルにもなった。
>アル~~カムバァアアック!!
アルクェイドがいたらさらにややこしくなっている空気。
今話は晋吾をイケメンにしてやろうと思って書きました。どうでしたでしょうか?
作者的には微妙。くさいのよあんた。って言われそうww
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