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レーヴァティン

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第九十四話 モンスター退治からその五

「降ればよしで」
「降らないとか」
「軍勢を送るのよ」
「金で築いた大軍をな」
「実際に群生の姿を見せればね」
 そうすればというのだ。
「考えが変わったりするしね」
「それに俺達自身のこともだな」
「モンスター退治で随分名前が知られた」
 今度は正が言ってきた。
「それも大陸中にな」
「ローマの護民官としてだけでなくか」
「そうだ、モンスター特に巨人を多く倒した英雄達としてな」
「俺達は冒険者としてだけでなくか」
「為政者としてもだ」
 そちらの意味での英雄としてもというのだ。
「知られてきている」
「それも怪我の功名か」
「多くのモンスターを倒してきたな」
「そう考えると大きいな」
「モンスター退治が俺達にもたらしたものはな」
 このことをだ、久志はあらためて思った。
「その時はどうしたものかって思ったんだがな」
「本当にそうだな」
「じゃあこの怪我の功名も生かしてな」
「周りの街や村に言っていくな」
「そうしていくか」
 久志は正の言葉に頷いた。
 そうしてだ、仲間達にあらためて話した。
「俺達自身のことも話してな」
「既にあちらも知っているだろうがな」
「そうだろうな、じゃあな」
「まずはだな」
「周りの街や村に使者を送るか」
 降る様に言うことを決定した、そうしてだった。
 久志は自分の勢力圏の周りの街や村に人を送った、すると殆どの街や村が使者の話を聞くとすぐに頷いてだった。
 降っていった、使者だけで降らなかった街や村もだ。
 大軍に囲まれ久志達の姿を見ると恐れをなして降った、すると。
 久志は彼等を笑って許して少しの謝罪金を出させたうえで降らせた。そのうえで仲間達にこう言った。
「見ないとわからないこともあるさ」
「だからだね」
「ああ、囲まれて降ったらな」
 それならとだ、久志は留奈に答えた。
「それでいいさ、まあ軍隊を動かせたからな」
「その謝罪にだね」
「その分金は納めさせてもらうけれどな」
 それでもというのだ。
「ちゃんとな」
「それでもだね」
「それで終わりでいいさ」
「その後は」
「ちゃんと他の街や村と一緒にな」
「治めていくね」
「そうするな」
 まさにというのだ。
「公平にな」
「そうしていくね」
「ああ、しかしこの一月でな」
 どうなったかをだ、久志は話した。今彼等は出陣の後だった。
「二十の街、百の村が降ったな」
「このことは大きいわよ」 
 双葉はこう久志に述べた。
「やっぱりね」
「そうだよな、その分人口も増えたしな」
「倍になったね」
「ああ、じゃあその街や村を治めて」
「そしてだね」
「もっと豊かにしてな」
「軍勢もね」
「増やしていこうな、十万もあれば」
「それだけあればね」
「もうこの大陸でも相当だろ」
「この島で十万の大軍持っている勢力は」
 双葉は久志に話した。
「そうそうないわよ」
「そうだな、それじゃあな」
「十万の兵をね」
「集めたいな、今は三万だけれどな」
「さらによね」
「十万だよ、とりあえず湖軍も含めて五万な」
 今の時点ではというのだ。 
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