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レーヴァティン

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第九十四話 モンスター退治からその四

「それじゃあな」
「ここはだな」
「ああ、モンスターは出て来る限り倒していくけれどな」
「それをかえって活かすか」
「これからにな」
「そういうことだな、じゃあこれからな」
「御前が戦いに行くな」
「そうしてくるな、今度はバジリスクが出て来たんだ」
 八本の足に鶏の鶏冠を持っている大型の蜥蜴だ、猛毒と相手を石にする邪眼を持っている危険なモンスターだ。
「それも七体もな」
「おい、そりゃまたな」
「厄介だよな」
「気をつけろよ」
 七体のバジリスクと聞いてだ、久志も芳直にこう声をかけた。
「くれぐれもな」
「わかってるさ、毒に石化だからな」
「あの連中は厄介だからな」
「御前一人では行かないよな」
「ああ、正と一緒だよ」
「二人で出来れば術や弓矢を使ってな」
「敵に気付かれない様にな」
 倒すとだ、芳直も答えた。バジリスクは猛毒も厄介だが相手を敵意のある目で見れば石に変える邪眼も危険だからだ。
「気をつけろよ」
「そうするな」
 こう言ってだ、そうしてだった。
 今度は芳直がモンスター退治に出た、とかく今の英雄達はモンスター退治に多忙であった。
 だがそれが半年程続くとだった。
 急にモンスター達が出なくなった、それでだった。
 久志は官邸で仲間達に少し拍子抜けした顔で言った。
「ここ一週間な」
「モンスターが減ったわね」
「ああ、普通の出現率になったな」
 こう清音に返した。
「本当にな」
「そうよね」
「正直次から次に出てな」
「とんでもない状況だったけれど」
「それがな」
「急にでなくなって」
「終わったか?」
 モンスターの異常発生がというのだ。
「これで」
「そうかもね、原因は不明だけれど」
「巨人も出なくなったしな」
「それも大きかったわね」
「ああ、それで出なくなったらな」
「それならね」
「政に専念出来たぜ」
 この一ヶ月というのだ。
「それで戦力もな」
「整ったわね」
「三倍に増やせてな」
 数での目標は達成出来た。
「それでな」
「さらにね」
「ああ、色々な職業の奴が集まった」
「術に弓矢、鉄砲に大砲もね」
「使える様になった」
「後はね」
 さらにだった。
「湖軍も整ったし」
「でかいガレオン船十隻か」
「持ったわね」
「今の時点でな、ガリオン船だけじゃないしな」 
 持っている湖軍の船達はというのだ。
「他の船だって持ってるんだ」
「しかも空船もあるし」
「金が手に入ったんだ」 
 モンスター退治、特に毎日の様に出て来た巨人達もだ。
「それならな」
「それを使って」
「ああ、それでな」
「軍を整えるべきであったから」
「整えたぜ」
「そうね、じゃあね」
「これからはか」
 すぐにだ、久志は仲間達に話した。
「勢力圏の周りの街や村にか」
「使者をやってね」
「降るか否か」
「それを聞くのよ」
 清音は久志に冷静に話した。 
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