東方幻想探偵
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3.W爆誕/悪魔との相乗り
ヒューと、風切り音を鳴らして敵は通り過ぎていく。瞬間に俺もその場から跳ぶように離れる。次には爆発していた。おみやげが爆弾とか最悪だろ。それよりも、
「おい!兎!あんたなんか知ってんだろ?なんだよあれ!あれモータスじゃねーか!」
モータスは人気レースゲーム爆走バイクのライバルレーサーだ。攻撃、妨害何でもありのレースゲームの主人公のライバルなだけあってクレイジーな妨害をしてくる。そしてそれを今実際に受けている。普通ではあり得ないことだからだ。
「………ああ、あんまりこれは口外できる話じゃないんだが仕方ねぇか。っと、その前にこいつでも食らっとけ!」
そう言い、兎はトロフィーを壊した。するとそこからアイテムが現れそれをモータスに投げつけた。
『混乱!』
その名の通り、モータスはその場で止まった。
時間稼ぎってやつか。
「で、あれはなんだ?」
「あれはバグスター。うちのボスはここ数年後にあるウイルスが爆発的に活発化し感染者を増やすと突き詰めた。そのウイルスの名前は『バグスターウイルス』。そして、そいつに感染するとバグスターになって感染者は死ぬ」
「まじかよ。じゃああれも?」
「ああ。だが、自分の知る限りじゃ普通はもう一段階挟むんだけどな。感染者からウイルスを引き剥がして初めてあれになるんだ」
「ガイアメモリか」
確かにあの時ガイアメモリのウィスパー音が聞こえた。たしか『Virus』といっていたはず。ということは使用者がウイルスを集めて何かしようとしたけど、逆に飲み込まれたってなかんじの筋書きかな。
『見つけたぜ!ヒャッハー!』
「チッ!もう回復しやがったかっ、ぐっ!」
「っ!さっきより速い!」
やっぱりか!でも何でだ?何でいきなり速くなった。ファクターがわからない。いや、そうだ!
「ガイアメモリだ!奴は、『Virus』のガイアメモリの力でバグスターウイルスをかき集めて強化してるんだ!」
「はあ!?そんなのありかよ!」
時間がたつほど強くなるボスとかこんな初期に出てくるボスじゃねーよ。どんな鬼畜仕様だ。
体勢を立て直すために竹藪を利用して姿を隠し、俺は考える。
俺じゃ攻撃を当てられない。だが、兎もいずれ追いつけなくなるどうする。どうすればいい。
「こうすればいいんですよ」
顔を上げるとそこには、上半身だけの早苗が宙吊りになっていた。
「……………ツッコミどころが結構あるが、ストレートに聞くぞ。どうしてそうなった」
「紫さんのスキマでつなげてもらってるんですよ。さて、苦戦しているようですね。あなたらしくもない」
「うっせ!俺はパワーとかスピードよりもテクニックなんだよ!」
「そんなあなたに、はい!」
そう言い手渡してきたのは、
「ロストドライバー?」
「いえ。それはロストドライバーじゃありません」
確かにロストドライバーのように見えるが左側にもスロットがついて左右対称のバックルになっている。
だが、ドライバー云々変えてなにになる?そうきくと早苗は不敵に笑った。
「パワーアップアイテムですよ」
お約束でしょ?と何言ってるの?といいたげな目線を向けてくる。お約束みたいな展開ではあるけれども。
そして、バックルを押し付け、更に青とグレーのメモリを手渡してきた。
「丞一さん」
「何だよ」
早苗らしくない真剣な声色に俺も黙りこくってしまった。一つ間をおいて早苗が口開いた。一瞬の沈黙だった。だが、俺には数十分の出来事のように思わせる程に早苗のその声色は重かった。
「私と──────────────悪魔と相乗りする勇気、ありますか?」
その俺を試すような挑発的な笑みを見て俺は安堵をした。
ああ、やはりいつもの早苗なのだと。
俺はロストドライバーからメモリを抜きドライバーを付け替え、不敵な笑みで返した。
「俺は親父と違って半人前だからさ、─────────半分力貸してよ。相棒」
『Cyclone!』
『Joker!』
『速さが足りない!』
「ぐぁ!くそっ!」
『俺よりも早く動くつもりかい?お嬢ちゃん』
「だあ!くそ!よくキャラをつかんでないからってスクライドネタぶっ込みやがって」
『お前の命を振り切るぜぇぇぇ!』
「もう意味がわかんねーよ!」ガシャコンスパロー!
今更ながら武器を使い正面からぶつかろうとした両者の間に一陣の影が割って入った。
『ぐぼぉあ!な、何d』
「ふっ!はッ!オラァ!」
『何ぃ!俺が遅い!?俺がSlowlyだと!!?』
「……丞一か?」
「まだまだ元気そうだな。兎」
「そろそろてゐってよべや」
『貴様、何者だ!緑のライダー!』
「は?緑?黒だろ?」
うさ「てゐ」……てゐは体を傾けて確認しようとしている、が左半身しか見切れて見えない。
「両方だ」
改めて『俺たち』はモータスに合い見える。
さっきまでの黒一色とは違う、黄緑と黒の二色に分かれた姿で正面を見据える。
「俺は、いや俺たちは─────W」
「『さあ、お前の罪を数えろ』」
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