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ドラゴンクエストビルダーズ:アレフガルドを復活させられてます(新リュカ伝)

作者:あちゃ
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第2章:リムルダール編
  12:許されざる者と許されてしまう者

(リムルダール)
ゲンローワSIDE

病人が4人も居るが全く改善の予兆が見えない今、遂にリュカが新たな病原体の元を持ち帰ってきた。
いや持ち帰ったと言うよりは、昨今流行っている麻痺の元凶を調べてきたのだ。
何とそれは巨大な“キャタピラー”と言うモンスターだった。

(くだん)のモンスターはリュカの手によって討伐されたそうなのだが、今後も麻痺病は流行るかもしれないし、早急に麻痺の特効薬を考え付かねばならない。
何よりリュカの視線が何時もの様にエルの胸に集中しているから急がねばならない。

「リュ、リュカよ……麻痺の特効薬を思い付いたぞ! 早速造り出してくれい!」
「ん? ……あ、あぁ」
おや……何やらエルの胸以外にも気になる事が在るのだろうか?

「アホリンは?」
「アホリン?」
「あぁすまん。アホのノリン……略してアホリン」
「なるほど。見てはおらんが、そこら辺でアホな事をしてるのじゃろう」

珍しいのぉ……
リュカの奴が男の事を気にするなんて。
何用があるのだろうか?

アホリン(ノリン)様でしたら、水飲み場で寝ているのではないですか!?」
如何いう訳か珍しくエルが怒りを露わにしている。
アホリン(ノリン)になにがあった?

リュカもエルの反応に疑問を持ちながら、言われた水飲み場へと行ってしまった。
どれ……ワシも行ってみるか。
エルの怒りも気になるし、リュカが男に何用なのかも気になる。

ゲンローワSIDE END



(リムルダール)
リュカSIDE

エルに言われた通りアホリン(ノリン)は水飲み場に居た。
本当に寝ていた……と言うより、気を失っていたらしく、崩れた桶の山から起き上がっている所だった。
何があればこうなる?

「おいアホリン(ノリン)。ご所望の……ぶひゃひゃひゃひゃぁ!(大笑)」
「おお、何という(大笑)」
俺とジジイ(ゲンローワ)は思わず笑い転げる。
起き上がったアホリン(ノリン)の両頬は、真っ赤に腫れ上がっているのだ。

「如何したそのほっぺ? おたふく風邪か?(ゲラゲラ)」
「な、何でもねーよ……」
何でもねーわけねーだろ(笑)

「ふぉふぉふぉ……何かの新たな病ではないのか?」
ジジイ(ゲンローワ)も楽しそうにアホリン(ノリン)を笑い倒す。
これは病じゃないな……だって両頬とも赤い手形がクッキリ。
……はっ!

「お前……女性陣に何かイヤラシい事をしたな」
「な、何で俺のほっぺたが腫れてると、女性へのイヤラシい行為を疑われるんだよ!?」
本当にアホだな……

「お前の頬だけで判断してはいない。あの優しいエルが、何やらご立腹でお前の居場所を教えてくれたんだ。何した……エルにどんなイヤラシい事をしたんだ!?」
「なにぃ……エルに何をしおった!?」

何なんだこのジジイ。
エルの事となると剥きになる。
本当にエルに気があるのか?
ちょっと歳が離れすぎだろう。

グイグイとアホリン(ノリン)に詰め寄るジジイ(ゲンローワ)……
これでは話してくれないだろう。
今は取り敢えず話題を変えよう。

「まぁそれより……お前の欲しがっていた釣り竿を作ったぞ」
「ほ、本当か!?」
リンゴほっぺのアホリン(ノリン)が嬉しそうに食い付いてきた。

「おい待てリュカ……お前はその釣り竿を使用したのか?」
「まぁ……ここに戻ってくる前にね。鰯を10匹程、銀遊漁ってのも同じくらい釣ってきた」
何が言いたい。サボってるとでも言いたいのか?

「凡そ20匹……釣るのにどのくらいの時間をかけた?」
「何だ何だ……僕はほぼ不眠不休で働いてるんだぞ。多少はまったりと釣りでも楽しんだって良いだろ」
だいたい魚は食料としても使えるんだから、サボっていた事にはならないだろう。

「そうではない……釣りを行うとなれば、その者はその場で長時間留まる事になる。お前はルビス様に力を授かったビルダーだから大丈夫であろうが、ワシやノリンなどの一般人が長時間この拠点外で活動をすれば、また病に冒されるであろう。ワシ等が今こうして無事なのも、ルビス様のお力がリムルダールを覆っているからだ。勿論この拠点内で釣りが出来るとも思えんし、現状ではリュカ以外が釣りをするのは不可能じゃろう」

「そ、そんなぁ……」
「あらら、残念(笑)」
ジジイ(ゲンローワ)の説明を聞き終わり、ガッカリするアホリン(ノリン)の目の前で釣り竿を自慢する俺。

ひとしきり笑ってやり「こんなアホに構ってる暇はない」と言い、ジジイ(ゲンローワ)を仕事に戻らせる。
俺は俺で新薬作りを始める素振りで一旦部屋を出た。
ジジイ(ゲンローワ)が病室に入った事を確認すると、再度アホリン(ノリン)の下に戻り……

「おい。本当に何したんだ……女性陣に!?」
と厳しめに詰め寄った。
ジジイさえ居なきゃ喋りやすいだろう。

「だ、だから……お、俺は何も……」
「嘘を吐くんじゃない。バレバレなんだよ!」
挙動不審の生きた見本とばかりに目が泳ぐアホリン(ノリン)。追い打ちを掛けてやろう……

「見て直ぐに分かった。右頬はケーシーに……左頬はエルに叩かれたんだろ?」
「な、な、な、何で知ってるの!??」
語るに落ちるとはこの事だ。

「簡単だ。お前が何か良からぬ事を二人にして、共に咄嗟に出た利き腕によって頬に痕を付けられた……ケーシーは左利きだからビンタをすると右頬に痕が出来、エルは右利きだからビンタ痕は左頬に出来る」
俺の観察力と推理力でアホリン(ノリン)はグゥの音も出ない様子。

しかし、こんだけ腫れ上がる程殴ったんじゃ、彼女等の手も腫れてるかもしれない。
後で傷薬を届けてあげよう。
きっと瞳を潤ませて感謝されるかもしれない……アホリン(ノリン)がアホな事をした後だから。

「じ、実は……」
お?
如何やら観念して自白するみたいだ。

このアホはどんなアホな事をしでかしたんだろう?

リュカSIDE END



(リムルダール)
ゲンローワSIDE

リュカ等と別れ病室で病人の介抱をしていると、暫くしてアホリン(ノリン)がベソをかきながらやって来た。
相変わらず両頬は腫れているが、後頭部にも大きなタンコブが出来ている。
あの後だからリュカに殴られたのか?

「爺さん……傷薬をくれよぅ(涙)」
本当に何をしたんじゃ?
何をしたら女性陣とリュカに怒られるのじゃ?

「傷薬ならエルに貰え」
本当に手持ちが無かったから同室で作業してるエルに頼む様伝える。
「持ってません!」
するとエルからは、ぞんざいな返答が……

いや、持ってない事は無いと思う。
常に“傷薬”“薬草”“毒消し草”は懐に用意している様じゃから。
でも持ってないと嘘を吐く……何を怒っておる?

「爺さ~ん……(泣)」
「ほ、本当にワシは持っておらんのじゃ! そんなに必要なら自分で作ってこい」
リュカとルビス様の力で、ワシ等にも物作りの力が復活してきたのだ……アホリン(ノリン)でも作る事が出来るじゃろう。

ワシの言葉とエルの冷たい視線を受けて、アホリン(ノリン)はスゴスゴと薬局へ向かう。
う~ん……本当に何をしでかしたか気になるが、エルの態度が怖くて聞くに聞けぬ。
全く以てアホなノリン……略してアホリン(ノリン)じゃのう。

ゲンローワSIDE END



 
 

 
後書き
風邪ひいた。
でも1日更新は守った。
次の予定は…… 
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