ドラゴンクエストビルダーズ:アレフガルドを復活させられてます(新リュカ伝)
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第2章:リムルダール編
13:良薬口にデカし
(リムルダール)
ザッコSIDE
身体が痺れて動かない。
オイラはもうダメなのか?
隣のベッドでは友達のイルマも寝込んでいべ。
でもオイラとは症状が違うみたいだ。
この世界には色んな病気が蔓延していて、誰がどんな病気で苦しんでいるのかさえ解らない。
オイラ達を看病してくれてるエルさんには感謝だが、治るとは思えないベ。
病気に関して詳しい感じのゲンローワって爺さんも、困り果てて何の手立ても思い付かないみたいだ。
実際オイラもイルマも、その他の病人にも……何の治療もされてないべ。
でも気になるのは、偶に訪れるリュカと呼ばれてる優男だ。
エルさんやゲンローワ爺さんの様に、オイラ達の事を気にしてる感じはないし、エルさんとイチャイチャしてゲンローワ爺さんに怒られてるだけで、何をしてる奴なのか解らないべ。
もしかしたら各地に居るかもしれない病人を探し集めるのが彼の仕事なのかもしれない?
そんなリュカが、何かを手に病室へと入って来たべ。
心配そうなエルさんとゲンローワ爺さんにヘラヘラ笑って返事してる。
胡桃の実くらいの大きさの真っ黒な玉だ……誰かへの薬だべか?
視界の端で観察していると、オイラの方へと近寄ってきた。
もしかしてオイラの事を治す薬だべか?
な、治る……のか!?
「ほれ……“まんげつ丸”だぞ。飲め」
「ムガッ……ウグググッッ!!」
とんでもねー男だべ! こんなに大きな薬を無理矢理口に押し込んできた!!
「何をやっておるか!」
「リュ、リュカ様……小さく砕いてから口に運んだ方が宜しいのでは!?」
「え~……面倒臭ー」
こ、これが病人への対応だべか!?
絶対にコイツは病気を根絶させようって気がないべ。
一体どういう役割分担だ?
ザッコSIDE END
(リムルダール)
リュカSIDE
親切心で俺が男の口に薬をねじ込んでやったのに怒られた。
奴の唾液でベチョベチョのまんげつ丸を奪われ、細かく砕いて再度ザッコの口へ運ぶジジイ。今後は最初からアイツに渡そう。
先程薬局では俺の横で懸命に傷薬を作ってたアホリン。
ベソをかきながら作ってたが、アイツのアホさ加減に手伝わなかった。
とは言え出来上がった傷薬を自分の両頬と後頭部に塗り込み完治した模様。
すると町の外から邪悪な気配が近付いてきた。
如何やら敵さんのお出ましだ。
まだ病人が4人も居る状況で、大騒ぎをするのは拙いだろう。
ドラゴンの杖を手に、俺は敵が近付いてくる前に撃退する。
多分誰にも気付かれてないだろうと思ったんだけど、町に帰る時に目が合ってしまった。
病から回復したばかりのザッコに……
人差し指を立て口に当てて“皆には内緒”とジェスチャーで伝え、何事も無かったように戻る。
今の戦闘で手に入れた“赤の旅の扉”を青の旅の扉の横に設置する。
するとジジイに見つかった。
「おお、その旅の扉は如何したのじゃ?」
「拾った」
説明が面倒臭ーから適当な事を言う。
「も、もしや……敵が攻めてきてたのか!?」
「……………」
終わった事をゴチャゴチャ煩いな。
「な、何だって……敵が攻めてきてたのかいリュカ!?」
「おお、それは誠ですかリュカ様!?」
あぁもう……ジジイが騒ぐから皆騒ぎ出しちゃったじゃないか。
「怪我をしてはおりませんかリュカ様?」
「そうだよリュカ。貴方に怪我をされたら私達が困るよ」
エルとケーシーが俺の身体をベタベタ触って怪我の有無を確かめる。
「だ、大丈夫だよぉ」
身体に触るのは俺の役目なのにね。
今回は逆になっちゃった。
そんな俺と美女達の遣り取りを物陰からアホリンが覗いてる。
俺の視線に気付いたエルとケーシーもアホリンの方へ目を向けた……が、あからさまに表情を崩し俺の方に向き直った。
「おおリュカ様……新たなる土地に行けるようになりました事ですし、また病に苦しむ人が居ましたらお連れ下さい」
「う、うん。わ、分かった……見付けたらね……」
男なら見付けなかった事にしよう。
「リュカ。私からもお願いがあるんだ!」
「な、何……ケーシー。何でも言って」
キスするかの勢いで顔を近づけ依頼してくるケーシー。依頼を完遂したら、また部屋の防音性を確かめないとね。
「造ってもらった水場なんだけどね……」
「? 何か不備でもあった」
狭かったかな?
「ううん……水を浄化して綺麗にする装置を作って貰えないかな?」
「水を浄化する装置? そんなに水が汚い?」
まぁ色々と濾過をした水の方が綺麗だろうけど、今のままでも問題無いはず。
「うん……あそこは皆の水飲み場のハズなんだけど、とあるアホが顔を直接洗ってるんだ! 桶とかに水をくんで洗えば良いのに、直接手を付けて顔を洗って、汚れた水をそのまま水飲み場に流してるんだ。まぁ誰とは言わないけども何処かのアホがね……」
「わ、分かった……考えておくよ」
俺は誰だか判らない何処かのアホを思いアホリンに目を向ける。
物陰で泣きながら「酷い……」と言っているアホリン。
(リムルダール・旅の扉赤地方)
旅の扉を抜けると、そこは湿地帯。
小高い崖に囲まれて浅い水辺が続いている。
周囲には大きな蟹が徘徊……美味しそう。
早速乱獲!
赤い“軍隊蟹”も緑の“地獄のハサミ”も、どちらも美味しそうな“蟹の爪”を落としてくれる。
ありがたく収集しつつ、大きな葉っぱの陰に隠れた蟹も逃さない。
そして入手する……蟹と一緒に刈った葉っぱ“密林の葉”を。
如何やらこの葉っぱがあれば、ケーシーの依頼である水の浄化装置が作れるらしい。
何故なら閃いたから。
葉っぱを手に入れたとたん、“浄化の噴水”を閃いたから!
だから一端帰ろうかと思ったんだけどね……
匂いがするんですよ。
そう……美女の匂いがね!
匂いに導かれるままに湿地帯を進んでいると、大分以前には小屋があったと思われる小島に、紛う方ない美女が倒れているじゃないですか!?
これは病人に違いない!
俺は優しくお姫様だっこをすると、今来た道を舞い戻る。
途次名前を聞きました。
彼女の名前は“ミノリ”。
何やら空腹が酷すぎて動けなくなったとの事。
病気じゃないのか?
まぁいいや。どちらであろうと放置するわけにはいかないから、拠点へと連れ帰ろう。
ただの空腹だったら、大量に手に入れた蟹の爪を食べさせればいいしね。
リュカSIDE END
後書き
PCが壊れて新しくしました。
危うく1日更新に間に合わなくなるところでしたよ。
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