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魔法少女リリカルなのは 平凡な日常を望む転生者

作者:blueocean
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第56話 席替え、そして零治キレる

「さて、後は席替えだけね」

本日最後の授業、四時間目。シャイデはまた席替えをすると言い出した。
初日でまたいきなり席替えか……………

俺的にはこの席は最高で出来れば動きたくない。

なのはと離れ、平和な学校生活だったのに…………
なのはがキラキラした目で俺を見てるがスルーしよう………

あの目は『今まで我慢してた分を…………』とか思ってるに違いない………

「頼む…………なのはとSBS団だけは離れてくれ…………」

「何でなのはも!?」

フェイト、なのはを見れば分かるじゃないか……………





「早く引きなさい、零治」

急かすなよシャイデ。

どれにするか……………この引きによって俺の今後が決まると言っても過言じゃない。

「うおおおっ!!燃えろ、俺の何か!!」

そう言いながら俺はくじを引いた。

「34か…………」

結構後の番号だな。

「えっとどこに………」

お馴染み、黒板にシャイデが書いた席順と自分の番号を見比べてみる。

「うわっ、廊下側か…………」

今回もまた一番後ろの席だったが、窓側では無く、廊下側だった。

「まあ一番後ろなだけマシか………」

それに廊下側だとSBS団からも直ぐに逃げられるしな。
そう思いながら俺は新しい席へと向かう。

「近くみたいだね」

その声の主はライだった。
どうやら俺の前がライみたいだ。

「我がライの隣か…………」

ライの隣は夜美か………
早速固まったな。

「で、隣はすずかか」

「うん、よろしくね」

「ああ、こちらこそ」

すずかが隣ってのは助かる。
と思っていたらなのはがこっちにやって来た。

「零治君…………」

「どうした、なのは?」

今回なのはは、フェイト、はやてと一緒に窓側後ろのベストポジションを手にしている。
それなのに一体何の用だ?

「お願い、一回オハナシさせて!一回でいいから!!」

予想の斜め上どころか真上をいっていました。
一生懸命お願いしてるけど、その一回で俺は死ぬ思いをするんだけど…………

「高町なのは…………」

「何星ちゃん?」

「レイはストレス解消の道具ではないんですよ…………」

「一回でいいの…………お願い…………」

2人でにらみ合ってるけど、その雰囲気が怖い…………

「オハナシ…………しますか?」
「私も譲れないの……………」

いや、譲れよ………
なのは、宿題のやりすぎで頭がおかしくなったな…………

「零治君、止めないと………」

「すずか、関わらない事をおすすめする」

「そうだね、それよりもレイ、学校の中、案内してよ」
「そうだな、我も頼む」

「ああ、構わないよ。じゃあ、放課後にみんなで行くか」

何か予定があったような気がするけど………
まあいいか。

「オハナシさせて………なの」

「オハナシ………しますか?」

魔王対冥王、第一回戦開始。







まあ、結果だけ言うと…………

「あれ?私今まで何を………」

なのはが我に返りました。

「くっ、流石魔王と呼ばれるだけありました。正気を失ってあの強さとは………」

何か疲れた顔をして星が言う。

何の強さだろう…………
だけど、2人共どこかへ行って勝負しているので、どんな感じで戦っていたか分からない。

全ては闇の中。

「って、星、ライ達が学校の中を案内して欲しいって言われたからこれから案内するんだけど、星はどうする?」

「あっ、私も行きたいです」

「そうか…………すずかは?」

「私は今日用事あるから………」

そいつは残念。
すずかがいれば足りない説明もしてくれると思ったんだけど。

「なのはは?」

「私もいいや。たまには家の手伝いもしないと」

夏休みはほとんどミッドに居たみたいだしな。
親孝行は大事だよな。

「そうか、後は………フェリア!」

「何だ?」

「放課後、星達に学校案内するんだけど、フェリアはどうする?」

「妹達が気になるからそっちに行く」

「そうか」

フェリアもなんだかんだ言ってシスコンな気がするけど………

「フェイトとアリサは………」

「アンタまだこっち終わってないじゃない!!」

「いや〜、昨日眠くて、眠くて………」

「はやて…………」

「仕方ないわね、私も手伝うから何としても5時までには終わらせるわよ」

「そうだね、私も手伝うよ」

「二人共…………」

フェイトとアリサも駄目そうだな。
っていうかはやて、お前な……………

「それじゃあ俺達だけで行くか」

「うん!」
「はい!」
「ああ」

こうして、俺は星、ライ、夜美に学校案内することとなった。



のだが……………

「なぜ、来なかった!!」

出ようとしたら、廊下で仁王立ちしているバカがいた。

「いや、お前が勝手に一人で言ったんだろうが…………」

「それなら走って探しにこいよ!!」

何で俺がそこまで…………

「それで、何の用なんだよ………」

「それは………」

そう言って俺の後ろにいる3人を見る。

「3人は居ない方がいいのか?」

「できればな」

「時間はかかるのか?」

「お前が素直に答えてくれたら直ぐに終わる」

「そうか……………悪い、ちょっと待っていてくれ」

「……………分かりました」

「で、どこに行くんだ?」

「屋上だ」

俺は、バカについて行き、屋上へと向かった。








「お前、転生者だろ?」

バカからの一言目だ。

……………………………今更?
まあ面倒だし、誤魔化しておくか。

「何を言ってるんだ?」
「知らばっくれるな!!今の時期のなのは達があんなに男と仲良く一緒にいたりする訳ないんだ!!」

それは酷すぎじゃないか?
普通に男子と話したり一緒にいたりするぐらいするだろう、流石に……………

まあ別荘に招待されたりはしないか。

「それに、転校してきた3人、あれはマテリアルだろ!?しかも何故かお前と同じ苗字、お前のハーレムか?」

「……………あのな、星達も言ってたけど、シャイデが保護責任者で俺の家に住んでいるだけで…………」

「だったら何故、姓が“有栖”なんだ!?」

…………まあ確かに不自然だけど。

「ただ単に俺と同じ姓が良いって言ったからそうしたんだよ。俺の両親は直ぐに死んじゃって、俺はずっとシャイデに面倒見てもらったけど、有栖の姓のままでいたかったし、そこは個人の自由だろ」

「うぐっ!?だ、だが余りにも不自然だ!!」

「だから何が!?」

「普通の家庭でそんな状況になるなんてありえん!」

「まあ珍しいのは認めるよ」

だけど決めつけるのは良くないだろうが…………

「そんな状況になるのは転生者だって決まってるんだ!!」

訳の分からない根拠だな…………

「ハァ…………それで、俺がその転生者だったらどうするんだよ?」
「お前に彼女達へ近づかないことを誓わせる……………力ずくでな」

そう言ってデバイスをだすバカ。

なに考えてるんだこいつは!!
結界も張ってないんだぞ!?

「早くお前もデバイスを出せよ。魔導師なんだろ?ほら待ってやるからよ………」

いい加減にしろよ、コイツ………

自分の思い通りにいかなかったら力づくか?
今までは我慢してきたが、もう我慢の限界だ…………


俺はゆっくりバカに向かって歩き始めた。

「何だ?余裕のつもりか?俺を舐めない方がいいぜ!俺は魔力SSSオーバーの天才………アガっ!?」

俺は近づいて思いっきりぶん殴った。

「い、一体何をするんだ!?」

殴られた頬を抑えながらバカが叫んだ。

「お前こそ舐めてんのか!?黙って聞いてれば、なのは達がお前を相手にしない事を俺のせいみたいに言いやがって…………」

「実際にそうじゃないか!!」

「そこからおかしいって言ってるんだよ!!なのは達の態度をお前はちゃんと見てるか?あいつらはお前に対してどんな反応を見せてる!?」

「恥ずかしがって逃げているんだろ?」

「中学生だぞ!?アイドルでもないお前にそんな反応する女子がいるか!?」

「それは……………」

「それにアリサは来るなって言ってたんだぞ!!それで何で気がつかない!!」

「そ、それは他の女の子と仲良くしてる所を見て嫉妬して………」

「お前嫉妬の意味分かるか!?何で嫉妬してるのに|来ないでって言って逃げるんだよ!!」

「………………」

今度こそ何も言い返せなくなったバカ。

「理解したか?お前は俺のせいでなのは達が近づかないんじゃなく、お前自身が嫌われてるんだ!!いい加減気づけよ、いつまで空っぽの頭してんだお前は!!」
「違う!!俺は神様に選ばれたんだ!!俺がこの世界の主人公なんだ!!そんな事あるわけないだろ!!」

救いようがないなコイツ…………

「そう思いたきゃ、ずっとそう思ってればいいだろ。その幻想にすがって生きていけばいいさ」

俺はそう言って出口の方を向く。

「ま、待て!!」
「これ以上話しかけるな。お前みたいな自己中野郎は大っきらいだ。話すだけで虫酸が走る」

俺はそう言い残して屋上を後にした。

「俺はそんなの認めない…………認めないぞ!!」

零治の居なくなった屋上で、デバイスを握り締めていた大悟は一人呟いた……………








「レイ、遅かったですね」
「ああ、悪かったな」

あれから30分近く話し込んでたらしい。

「…………一体何を話していたの?」

「いつものこと。いい加減うざかったから説教してきた。これで奴も少しはマシになればいいけど………」

「?」

ライが首をかしげている。
まあ今日が初めてだし、分からなくて当然か。

「まあ、あいつが変わらなかったら分かるだろ。それより今日どうする?」

「もうお昼の時間ですし、キャロも家に帰ってるでしょう。また明日にしましょう」

「そうだな。………………何か買って帰るか。キャロの初登校のお祝いとして」

「いいのではないか?それなら翠屋か」

「わーい!僕新作の生チョコミルククレープケーキが良い!」

「分かった分かった、なら翠屋に行くか!!」

「「「賛成!!」」」

こうして俺達は翠屋へと向かった……………









「ただいま〜!」

「おじゃましてるっス〜!」
「おじゃましてま〜す」
「お邪魔してるぞ」

キャロの声を期待してた俺にダメっ子3シスターズが出迎えてくれた。

「ダメっ子ってなんだ!!私はダメじゃない!!」

「ノーヴェ、何言ってるんスか?ノーヴェが一番ダメっ子に決まってるっスよ〜」

「お・ま・え・だ・け・に・は言われたくない!!」

ものすごく否定するノーヴェ。

「私も、ウェンディよりはダメっ子じゃない自信があるよ」

「ええっ〜!?夜美姉はどう思うっスか?」

「ウェンディがダントツ」

「夜美姉!?じゃ、じゃあ星姉とライ姉は?」

「「ウェンディがダントツ!!」」

「そんな事ないっス!!レイ兄、レイ兄だけが「ウェンディがダントツ」みんなキライや〜!!」

最後に関西弁になったのははやての影響か?

「おかえり。悪いな、勝手に昼飯作って食ってたぞ」

キッチンから顔を出してそんなことを言う桐谷。
加奈はテレビを見ている。
フェリアはどうやら桐谷と洗い物をしていたみたいだ。

「構いませんよ、でなければフェリアが飢えていましたから」

「しっしっけいな!!私は昼飯を抜いたくらいで飢えたりなんか………」

「お腹減ったから作ってくれって言ったの誰だっけ?」

「桐谷!!」

おお、いつも冷静なフェリアが珍しく怒ってるよ。
ただ、洗い物の皿を持ったまま怒るのは止めてくれ………

「ただいまー!!」

「キャロだ!!」

俺はいち早く玄関へ向かった。

「キャロー!!」

「わっ、お兄ちゃん………」

その場でキャロを抱きしめた。
ああ、癒される…………

「いい加減離しなさい!!」

バン!

丸めた新聞紙で俺を叩く加奈。

「キャロが靴を脱げないじゃない!」

「そりゃそうだ、悪い悪い」

そう言って俺はキャロから離れた。

「キャロ、学校はどうでした?」
「ちょっと変わったクラスだったけど面白かったです!!」

嬉しそうにキャロは言った。この様子だと友達も出来たのかな?
この笑顔を見ただけで今日一日の疲れが吹っ飛んだな。

「そうだ!!キャロの制服姿、写真に撮ってない!!」

「そう言えば撮っていませんね」

「キャロ、そこを動くなよ!!」

「は、はい!!」

すかさず俺は携帯を取り出してキャロに向かって構える。

「よし、そのまま……………ハイチーズ!」

パシャ。

おし、写真は結構綺麗に取れた。

「いいね、似合ってるな〜可愛いな〜」

「本当ね〜」

その写真を見て和む俺と加奈。

「キャロ、手洗いうがいしっかりね。それからご飯にしましょう」

「はーい」

星の言葉に返事をしてキャロは手洗いしに向かった。





その後はみんなでご飯を食べて、買ってきたケーキを食べました。
ライが多く食べたいと言って、多めにケーキを買っておいて良かった。

「そう言えばキャロ、今日は随分と遅かったな」

「あっ、お友達と話していたので………」

少し恥ずかしそうに言うキャロ。

「友達と仲良くするのは構いませんが、帰りが遅くならないようにしないとダメですよ」

星の言うことは最もだ。
キャロにもしもの事が……………

「気を付けなさいよ、今のご時世、キャロみたいな可愛い女の子をロリコンの男共は狙ってるのだから」

「あっはい、気を付けます」

「大丈夫だ!!加奈が言うような変態は俺が近づかせない!!」

「だがお前だってずっと一緒だって訳じゃないだろ?」

「甘いな桐谷、魔法にはサーチャーと言う、ストーカーをするための魔法が………」

「違います」

「それじゃあフェイトはストーカーになるぞ…………」

夜美、そんなことは分かっとるわい。

「と、ともかく、そういう魔法もあり、一生懸命練習したんだ!!」

「私から教えて欲しいと言ったのはそのためですか…………」

だってキャロが心配じゃん…………

「取り敢えず、恥ずかしいので止めてくださいお兄ちゃん」

「そ、そんな……………なんのために覚えたんだ、俺は…………」

「他の使い方はいくらでもあるだろう…………」

桐谷、お前に俺の気持ちが分かるか!!

「あっ、ライお姉ちゃん」

「何?」

「どろけいでダンボール作戦使ったらうまくいきました!!」

「ダンボール?」

「はい!あのライお姉ちゃんがやっていたゲームの!」

「……………もしかしてあのダンボール傭兵?」

……………スネーO?

「うん!!最後の一人になっても見つからず、味方を救出出来たよ!その後直ぐに捕まっちゃたけど………」

「そうなんだ!!キャロなら将来ダンボールで敵のアジトにも侵入できるよ!!」

「「「「「止めてくれ(ください)!!」」」」」

夜美、星、桐谷、加奈と声が重なったけど気にしない。
キャロ、絶対なるなよ!!




「そう言えば新しくできた友達はどんな子なんだ?」

こっちにきたフェリアが聞いてきた。

あれから暫くして、ライはセイン達のゲームに参加した。
その代わりにフェリアが話に入ってきた。

「えっと……………少し無口な男の子の佐助君と、ツッコミが上手くて、人をまとめるのが上手い夏穂ちゃん。それと…………エローシュ君!!」

「最後のは何!?」

「キャロ、それは名前ではないですよね?」

「えっと、確か名前は…………………………」

……………………あれ?

暫く無言が続く。

「そ、そう江口伸也君です!確かそうだったはずです!!」

キャロ…………それは酷すぎる。
ここにいるみんなが同じ気持ちみたいだ。

「し、仕方ないんです!クラスのみんなもエローシュ君って呼んでいたんですから………」

何て可哀想なあだ名!!
俺なら不登校になるかも…………

「何でエローシュってあだ名なの?」

ライがキャロに聞いてるが、大体予想はつく。
先生のスカートめくりが酷いとか、ちょっとセクハラみたいな事をしてるからだろう。

「えっと、盗撮したり、エロ本を図書室に隠したり…………」

「「「「「「一年生!?」」」」」」

俺達は声を合わせてまた叫んだのだった………… 
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