魔法少女リリカルなのは 平凡な日常を望む転生者
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第54話 母と子
『零治君、メガーヌ・アルピーノの処置が終わりそうなのだが、一度こちらに来てくれないかい?』
「それは本当か!?本当に良かった、ルーも喜ぶだろうな。それならちょうどいいタイミングだな、そろそろ夏休みも終わりそうだしセイン達の事もどうにかしないとな」
8月27日の夜、後少し残っている宿題を消化していた所にスカさんから連絡が入った。
ちょうど、こっちもセイン達の事を考えていたから、こちらとしてもグットタイミングだ。
「じゃあ明日みんなでそっちに行くよ」
『ああ、楽しみにしてくれたまえ。あっ、それと桐谷君達もつれてきてほしいのだが………』
「分かった、連絡しておく」
『よろしく頼むよ。それじゃあまた明日に』
そう言ってスカさんは連絡を切った。
「さて………明日も忙しくなりそうだな」
そう思いながら俺は取り敢えず、星の部屋へと向かった……………
コンコン、
「星、起きてるか?」
『はい、起きてますよ』
「入っていいか?」
『えっ!?い、今すぐですか!?ちょ、ちょっと待ってください!!』
なにやら部屋の中からガタガタ音がするな…………
一体何してんだ?
「別に大した用じゃ無いからここで話すぞ」
『えっ!?は、はい』
「明日、スカさんのアジトに行くことになったからお土産とか準備したいんだけど………」
『明日ですか!?』
「ああ、何でもメガーヌさんが目覚めそうらしい」
『ルーちゃんのお母さんが!?』
「そうらしいんだ。だから急でも早めに行かなくちゃいけないと思って………」
『分かりました、明日起きたらみんなにも言っておきます』
「頼むよ、それじゃあ俺はもう寝るな」
『はい、おやすみなさい』
「おやすみ」
そう言って俺は自分の部屋に戻った。
次の日………………………
お土産を翠屋で買い、昼ちょっと過ぎにはスカさんのアジトに着いた。
昨日の寝る前に桐谷達にも連絡したので一緒だ。
「クキューーーー!!!」
「フリード!!」
リビングに入った途端、フリードがキャロに飛び込んできた。
「ごめんね、一緒にいてあげれなくて………」
「キュー……………」
フリードは元気のない声を出す。
やっぱり寂しかったようだ。
「零治君」
「あっ、ウーノさんお久しぶりです」
感動の再会を見ているところにウーノさんがやって来た。
「早速なんだけど、零治君とルーちゃん、それと桐谷君はドクターの所へ行ってもらっていいかしら?」
「えっ!?それは別に構いませんけど………」
「俺も大丈夫です」
「ルーも大丈夫」
俺達はそれぞれ答えるが、
「僕たちはダメなんですか!?」
すぐさまライが反論した。
他のみんなも同じみたいだ。
「ごめんなさい、メガーヌさんを処置している場所が狭い部屋なのよ。悪いけれど、待ってもらっていいかしら?」
そうウーノさんが説明すると流石にみんな何も言わなくなった。
「悪いな、俺たちが帰ってくるまで待っていてくれ」
俺達はそう言い残して、リビングを後にした………………
「済まないね、学校ももう少しっていう時に………」
「いいよ、こっちの方がずっと大事さ。…………それでメガーヌさんは?」
「処置はもう終わって、後は目覚めるだけなのだが……………」
そう言ってスカさんは部屋の奥を見る。
そこにはいくつものポットが並んでおり、真ん中にルーテシアを大人にしたようなきれいな女性がいる。
恐らく彼女がメガーヌさんだろう。
どうやらいつ目覚めるかまでは分からないみたいだ。
「おお、来ていたのか」
「こんにちはゼストさん」
「こんにちは」
「久しぶり、ゼスト…………」
「ああ、久しぶりだ」
軽く挨拶を済ませると、ゼストさんはルーテシアの所へやってくる。
「良かったな、やっと母親と会えるぞ」
ルーテシアの頭を撫でながらゼストさんは言うが、肝心のルーテシアの方は到って無関心だった。
「どうしたルー?」
「…………いきなりお母さんって言われても分からない………」
「そういえば、母親を見るのは今回で初めてか?」
「ううん、何回か見たことがある。けれど、この人が母親って言われても正直何も感じなかった………これっておかしいのかな?」
ルーテシアにそう言われ、俺は何も言えなくなってしまった。
俺の家にも母親と呼べる人は誰もいない。シャイデだって母親っていうよりは近所のおばちゃんだからな。
前の世界ではちゃんといたけど、それでもハッキリと考えたことがない。
俺にとって母親は居るもんだと思っていたから。
母親とは子を育てるもの?
人の心を教える人?
ルーテシアに母親って存在がどんなものか俺なんかが教えられない。
「本当に済まないね。私がこんな事をしなければ…………」
「スカさん…………」
うつむいて言うスカさん。
家族を大切にしてる今、昔自分がやっていた事に罪悪感を持ってるんだろうな……………
「お母さん…………」
ポットの側に行き、手をつけて優しく呼んだ。
「私はどうすればいい?お母さんって言われても分からないよ」
呼び掛けるように言う。
「お母さん、起きて教えて。母親って何?母親と一緒になれば私は本当の私になれる?」
そんなルーテシアを見て、俺はいつのまにか頭に手を当てていた…………
「何が本当の私だよ、誰かがお前を偽物だって言ったか?」
「レイ兄………」
「少なくとも俺達全員ルーの事を偽物なんて思っていないぜ。母親って存在はどんなものかは俺もイマイチ分からないけどな」
頭を撫でながら俺は優しくかたりかける。
「ルー、母親がどんなものか何てどうでもいい。お前はメガーヌさんに何をしてもらいたい?」
「私は………………」
しばらく考え込み、
「抱き締めてほしい」
そう答えた。
「そうか。それなら問題ないと思うぞ」
「そうかな……………」
そう呟き、ルーテシアはメガーヌさんをもう一度見る。
すると……………
「まぶたが動いた!!スカさん!!」
「分かってる、2人ともそこから離れて、」
スカさんにそう言われ、俺はルーテシアをつれて離れた。
ポットに溜まった液体が少しずつ抜け、すべて抜けると大きく咳き込んだ。
そこでポットの扉が開き、上半身が起き上がる。
「ここは………」
目を開けて周りを見渡すメガーヌさん。
「ゼスト………隊長?」
「メガーヌ…………」
いつもの渋い顔に笑みがこぼれる。
「私は一体……………!?ジェイル・スカリエッティ!」
スカさんの姿を見て、身構えようとするがどうにも思ったように体が動かないみたいだ。
「待て、今から詳しく説明する!」
そんな様子を見たゼストさんが慌てて説明を始めた…………
「そうですか、そんな事が………」
メガーヌさんをウーノさんが着替えさせ、用意した車イスに乗せてから説明を始めた。
「それじゃあ、クイントも…………」
「ああ…………」
悔しそうに唇を噛むメガーヌさん。
やはり思うことがあるみたいだ。
「私はこの寿命が尽きるまでにレジアスに真実を聞きに行こうと思ってる。たとえどんな答えが待っていようとも………」
「ゼスト隊長……………そのときは私も………」
「メガーヌ、君はダメだ。君は私みたいに一人ではないからな」
そう言ってゼストさんは俺を見る。
正しくは俺の後ろに隠れているルーテシアだが……………
「ルー………テシア?」
恐る恐る慣れない車イスを動かし、ルーテシアの元へ移動するメガーヌさん。
ルーテシアも自分からメガーヌさんの元へ向かう。
お互い距離を縮めていき、
「ルー!!」
思いっきり抱き締めた。
「…………苦しい」
「あっ、ごめんなさい」
慌てて力を抜くメガーヌさん。
「でもよかった、またこうして会えた」
そして、今度は優しく抱きしめる。
「お……母さん………?」
そう呟きながらルーテシアも手をまわした。
「暖かい………」
その暖かさを心から感じたのか、ルーテシアの目から涙が流れた。
「ごめんね…………もう絶対一人にしないから………ずっと一緒だから………」
「お母………さん………うわあああああん!!」
そこでルーテシアが泣いた。
恐らく、誰一人見たことがないと思う。
「今は二人っきりにしよう」
「そうだな………」
ゼストさんにそう言われ、二人以外の人間はその部屋を出ていった。
「さて、零治君、桐谷君、二人に別の話があるんだけど………」
「何?」
「実はね、セイン、ウェンディ、ノーヴェを学校に入れようと思ってるのだけど、桐谷君の家に居候させてもらえないか?」
さっきの感動的な場面をぶっ壊すような事を言い始めるスカさん。
「何故に!?て言うか戦闘機人を学校に行かせる必要ないだろ!」
フェリアの知能だって中学生じゃないのに…………
「いや、一回帰ってきてからまたあっちに行きたいってかなりごねてたからね。『チンク姉ばっかずるい!!』って」
まあ、確かにな…………
「さすがにこれ以上零治君の家だと限界だと思って桐谷君にお願いしたいのだけれど………」
そう言って桐谷を見るスカさん。
まあ確かにアイツらも夏休み終盤になってカレンダーを見て溜め息をついている場面を見たことがあったけど………
「はあ、分かりましたよ。いつもお世話になっていますし、こっちは構いません。後で加奈にも話しておきます」
「ありがとう、助かるよ」
セイン達も学校か……………
俺に被害がこなければいいけど……………
「それじゃあ、私達もウーノたちの所へ行こうか、みんなどうなってるか気になっているだろうし」
「そうだな、行こう」
「すまないが、俺は2人を待っているぞ」
「そうだね、アジトの案内役がいなければ迷うからね。騎士ゼスト、よろしく頼む」
スカさんがそう言って俺達はリビングへと向かった。
「そうなんだ、よかった………」
キャロが話を聞いて安心している。
他の皆も同様の反応みたいだ。
リビングに戻ってみると、皆静かにルーテシア達の事を待っていた。
いつも騒いでいるコイツらにはあり得ない光景だったが、それほどルーテシアの事を気にしていてくれているということで、俺はとても嬉しかった。
「さて、まだかかるみたいだし先にこっちの用件を済ますとしようか」
スカさんがそう言ってさっきの話を話始めた。
「話と言ってもセイン、ノーヴェ、ウェンディに話があるんだけど…………」
「えっ!?私達?」
「ウェンディ、何かしたろ………」
「何でそうなるんスか!?それだと私がいつも何かしてる見たいじゃないっスか!!」
「違うのか?」
「うわあああん、レイ兄〜!!ノーヴェがいじめる〜」
嘘泣きしらがら抱きついてくるウェンディ。
俺はそれをサイドステップで避けた。
「な、何で逃げるんスか!?美少女に抱きつかれて嬉しくないんスか!?」
「お前が美少女だとしても、ウェンディ、お前は駄目だ。それにどう考えても日頃の行いが悪い………」
「いや〜、美少女だなんて恥ずかしいっスよ〜」
「……………それと頭もな………」
そう言ったがウェンディは聞いちゃいない。
どうやら美少女と言ったことに照れているようだ。
「で、続きを言って良いかい?」
「うん」
待っていたスカさんが続きを話し始める。
「それで、前から3人はチンクの事が羨ましいと言っていたのを考えていてね。桐谷君の許可も取れたので3人にはチンクと一緒に学校に行ってもらうよ」
「「「……………………」」」
言われた3人は静かになり、
「「「いやったあああああああ!!!」」」
と大はしゃぎ。
「あの………レイ?」
申し訳なさそうに星が聞いてくる。
「ん?どうした?」
「3人が学校に来たら更に負担が…………」
「大丈夫、桐谷に全て一任する」
「おい、そこのアホ」
桐谷が何か言ってくるが聞こえない〜
「ていうか、私、全く聞いてないんだけど………」
「いいじゃないか、どうせ俺と加奈しかいないんだし」
「まあ構わないけど、勝手に決められるとなんだかな………」
「まあ仕方ないだろ」
「加奈姉は私達が一緒だと嫌っスか?」
「ものすごく自重してくれれば構わないけど………」
「うっ!?」
うっ!?じゃねえよ…………
「えっと………いいの?」
「いいわよ。2人だけだと部屋も余ってるし、3人が一緒にいたほうが楽しいでしょ」
「うん!ありがとう!!」
セインは嬉しそうに加奈に言う。
「帰って学校の準備しないとな!!」
「ノーヴェ、落ち着け」
ノーヴェも興奮してるみたいだ。
「学校の方は大丈夫なのか?今の時期にいきなり転校生って………」
「桐谷、シャイデに基本不可能は無い」
何故そんなことが出来るのかは不明だけどな。
「ねえ、セイン達の学年はどうするの?」
ライが質問する。
「セイン達は一年に転校してもらう事にしよう。そうすれば違和感もないだろう」
まあ妹に見えるか微妙だけど……………
ガキっぽいから大丈夫か。
「まあそれが無難だな」
夜美もどうやら同じことを考えたみたいだ。
「これからよろしくお願いしますっス、桐谷兄、加奈姉」
「「よろしく!!」」
ウェンディに続いて、セインとノーヴェも言った。
「これから大変だな、桐谷と加奈」
「出来ることがあれば手伝ってあげましょう」
星の言うとおりだな。
なるべく手伝ってやろう。
トラブルは嫌だけど……………
「済まない、大変だと思うがよろしく頼む」
「構わないよ、フェリアも時々遊びにくればいい」
「ああ、礼儀正しくしてるかチェックしにいく」
「「「えっ!?」」」
これで最低限収まるだろうな。
「…………………」
そんな様子をじっと見ているディエチ。
「すまないね、ディエチ………」
「分かってます。それに地球に行けない訳でも無いので構わないですよ。それにトーレ姉とクアットロだけじゃ大変でしょう。今日も居ないのはそのためですね?」
「ああ、そうだよ」
「私は夏休みをもらいましたし、頑張りたいと思います」
「ありがとう…………」
何のことか分からないけど重要な事みたいだな。
協力できればいいんだけど………
取り敢えずこれで話は終わりかな…………
「そしてもう一つ、キャロ君」
「は、はい!!」
いきなりスカさんに声をかけられ、固まるキャロ。
「楽にしてほしいのだけれど…………」
ちょっと悲しそうだなスカさん…………
最近気持ち悪いとか言われて無かったからショックだったみたいだな。
「で、スカさん、キャロに何のようだ?」
「あ、ああ。フリード君のことなんだけど………」
「フリード?」
「キュイ?」
二人揃って首をかしげる。
「実はね、フリード君、キャロ君が行ってからずっと寂しそうにしてたんだ。どうしても見ていられなくてね、それでいいものを作ったのだが………」
そう言って着ている白衣から小さなボールみたいな物を取り出した。
「ウェンディ達がやっていたゲーム、モンポケコレクションに出てきたボールをマネして作ったこのボール、ゲームみたいにモンスターを捕まえる事が出来るのだが…………」
ちなみにモンポケコレクションはあっちのポケモンと同じだ。
「これを使えばフリードといつも一緒にいられるよ。それに中に入っていても念話で会話出来る様に作ったから持っていればいつでも会話出来るよ」
スカさん、アンタに不可能はないんじゃないか?
いつかオーOド博士みたいな事言わないよな…………
「試してごらん」
そう言ってスカさんはキャロにボールを渡した。
「ど、どうすれば………」
「真ん中のボタンを押してごらん」
キャロは言われたとおりに真ん中にあるボタンを押す。
すると小さかったボールが手のひらに収まる程に大きくなった。
「それをフリード君に投げたまえ」
「はい、いくよフリード!」
「クキュー!」
キャロが投げたボールはフリードに当たり、ボールが開く。
開いたボールは赤い光線を放ってフリードをボールの中に吸い込んだ。
ボールはコロコロと動いていたが、直ぐに動かなくなった。
「これでOKのはずだ。キャロ君、念話で会話してもらえるかい?」
「はい」
『フリード?』
『クキュー!!』
「大丈夫です!!」
「よし、問題無いみたいだね。これでフリード君も一緒に地球に行けるね」
「はい、ありがとうございますスカさん!!」
頭を下げてお礼を言うキャロ。
だけどスカさんって……………
「ふふ、構わないよ。いい時間つぶしが出来たしね。それと出すときは投げた時と同じで真ん中のボタンを押して投げればフリード君を出せるから」
キャロも言われた通りにやってみる。
するとポケモンみたいにフリードが出てきた。
でもそんな事してる暇があったらさっさと残りのナンバーズの調整終わらせればいいのに………
「ド、ドクター!!」
そんなことを思ってると、セインが目をキラキラさせながらスカさんに声をかけていた。
「ドクター私も欲しい!!」
「私も!!」
「私もっス!!」
「僕も!!」
あれ?1人多いような………
「済まないね、あれはプロトタイプで一個しか作ってないんだ」
「「「「えっ〜!!」」」」
無理を言うなよ…………
「何かみんな盛り上がってる…………」
そんな事を言ったのは、車イスの女性と一緒にいる女の子。
ルーテシアだった。
「ルーちゃん!!」
まっ先にキャロがルーテシアを迎えに行く。
「キャロ!!」
そうして二人は抱きついた。
「よかったね…………」
「ありがとう、キャロ………」
「良かった……………」
そんな様子を見て涙を流す星。
「ほら」
そんな星にハンカチを手渡した。
「ありがとうございます………」
「皆さん初めまして、メガーヌ・アルピーノです。娘がお世話になってます」
「初めまして、有栖キャロです」
「キャロちゃんね、娘と仲良くしてくれてありがとうね」
そう言ってキャロの頭を撫でるメガーヌさん。
キャロも嬉しそうだ。
こうして今度はメガーヌさんとルーテシアの話に盛り上がった………
あの後、夕食を作ってみんなで食事した。メガーヌさんはルーテシアの面倒を見たがってたが、星がしっかりと教育していたため、全然手が掛からない事に不満みたいだったな…………
星が申し訳なさそうに食べてたな…………
そして食事が終わり……………
「皆さんに言いたいことがあります」
そう言ってメガーヌさんが話を始めた。
「私達は地球で生活をしようと思います」
「いや、でもメガーヌさん…………」
「ルーとキャロちゃんを離したくないのよ………」
メガーヌさんの気持ちも分かるけど、その体じゃ………
ずっとポットの中にいたため、体がまだ動けていない。
それなのに2人で生活なんて…………
「大丈夫よ、そこはゼスト隊長に頼むから」
「聞いてないぞ!?」
ゼストさんは聞いて無かったようでかなり驚いた顔をしているけど………
「でもスカリエッティからは許可を貰ったわ」
「ジェイル!?」
「騎士ゼストは戦闘を避けるべきだよ。でなければ目的の前にその寿命が尽きるよ」
「ぐっ!?」
「それに、ゆっくりするのもいいだろう、それくらい戦いに明け暮れていたからね」
そう言われて何も返せなくなるゼストさん。
「隊長、駄目ですか…………?ルーもお父さんが欲しいと思うのよ………」
「「「「「「「「「「お父さん!?」」」」」」」」」」
ここにいる女性人全員が反応した。
「駄目ですか…………」
もう一度言われてゼストさんはルーテシアを見た。
ルーテシアも期待した顔でゼストさんを見ている。
「分かった…………私も付き合おう」
ゼストさん、折れました…………
「ありがとうございます、隊長!!」
嬉しそうにゼストさんの手を掴むメガーヌさん。
ゼストさんも恥ずかしいのかそっぽを向いて鼻をかいている。
何か、恥ずかしがっている彼氏みたいだな……………
「これからもよろしくねルーちゃん」
「よろしく、キャロ」
嬉しそうに手を繋ぐ2人。
取り敢えず、学校に行くのに不安も少なくなるだろう。
「二人共いつまでも仲良くな……………」
見ていた俺は二人にそう呟いた……………
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