転生とらぶる
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機動戦士ガンダム
2108話
リリー・マルレーンを始めとして、突撃機動軍に所属する艦隊は現在地球に向かっている最中だった。
そんな状況の中ではあったが、俺はザクⅡFS型に乗って宇宙空間で動き回っている。
リリー・マルレーンだけで移動している時は、かなりの速度が出せるのでこのような真似をするのも難しいのだが、今は艦隊での移動だ。
当然その速度は一番遅い艦に合わせてのものになるので、このように機種転換訓練を行っている俺にとっては丁度いい時間となっていた。
『ムウ、実際に機体に乗ってみた感じはどうだ?』
そう通信が入る。
映像を見ると、そこにはヴェルナーの姿。
機体の隣を見てみると、そこにはザクの姿がある。
どうやら、俺が心配でやってきたらしい。
「特に問題はないな。シミュレータの出来は良いらしい」
『……普通ならGとかで苦労するんだが、ムウならその心配はいらないか』
「あー……まぁ、そんな感じだろうな」
シミュレータでは、当然のようにパイロットにGは掛からない。
いや、もっと金を掛けて高級なシミュレータを作ったりすれば、Gを体験出来るシミュレータを作る事も出来るのかもしれないが。
取りあえず、リリー・マルレーンにあるシミュレータは普通のシミュレータで、それだけしか体験してない奴ならGで苦労してもしょうがない。
このFS型は、通常のF型に比べて若干機動力が増している。
増しているんだが……それでも結局のところ若干といった程度だ。
S型に比べると、圧倒的に機動力は低い。
反応速度が鈍いというのは、もうこの機体に乗る時点で覚悟していたので、若干もどかしさは覚えるもののある程度の対処は可能となっている。
だが、機動力はな。
一応シミュレータではセイバーフィッシュやサラミス級、マゼラン級も倒す事は出来るようになったが、俺が持つ武器は基本的にザクマシンガンだ。
ザクバズーカなら、それこそブリッジに1発叩き込めばそれで終わるが、ザクマシンガンの場合はブリッジに数発撃ち続ける必要がある。
そうなると、当然のように敵にとっては狙い目な訳で……
一応ヒートホークでブリッジを叩き壊すという選択肢もあるのだが、そんな使い方をした場合、ヒートホークを長時間使うのは少し難しくなる。
いや、元々ヒートホークは軍艦とかを破壊する為の武器で、使い捨てを前提としているのだが。
……ザクマンシンガンの弾倉をもう少し多く持ち運べるようにするべきか?
そんな風に考えながら宇宙空間を移動していると、やがて視界の先に幾つかのスペースデブリを見つける。
見た感じ、隕石を含めたスペースデブリが集まったといったところか。
ちょうどいい。このFS型をどれだけ使えるようになったか、ちょっと試してみるか。
そう判断し、スラスターを拭かしてデブリ帯に向かう。
『ちょっ、おい、ムウ!? お前、どこに向かう気だよ!』
ヴェルナーが通信越しに叫んでくるのは、考えるまでもなく俺が向かう先にスペースデブリがあるからだろう。
「見て分かるだろ。ちょっと今の俺の操縦技術でいけるかどうか、試してみようと思ってな」
普通なら自殺行為と認識してもおかしくない行動だろうが、幸い……って言い方はどうかと思うが、俺の場合はもし何かあっても機体が壊れるだけで、命が失われるといった事はない。
……機体が壊れたら、その時点で今回の作戦に参加出来なくなるが……正直、大丈夫だという、半ば確信に近い予感があった。
『待てって、おい! デブリの中に突っ込むなんて、正気か!?』
「生憎と、俺は正気だよ。それにこの程度の事は、今まで何度も繰り返している」
『あーっ、くそ! 上に怒られるのは俺なんだぞ!』
『やらせてみな』
そう通信に割り込んできたのは、シーマ。
いつものように虎の毛皮の上に座りながら、手に持っている扇子をこちらに――正確には映像に――突きつける。
「いいのか?」
『ふんっ、あんたがやるって言って止まる訳がないじゃないのさ。ただし……あんたの機体は、今回の作戦に参加する者の多くが見ている』
そう告げるシーマの言葉に、俺は『は?』と首を傾げる。
いやまぁ、今の状況で機体の慣らしをするような者が少ないのは分かるが……だからといって、今の俺の状況をそれだけ多くの者が見ているというのは、正直驚きだ。
『ふふっ、あんたのMSの扱いは、それだけ人の目を集めるものだったのさ。当然、機体の識別信号から海兵隊に所属する者だってのは分かってるから、通信にはエンデュミオンの鷹、ムウ・ラ・フラガ少尉だって言っておいたけど……構わないね?』
「いや、構うか構わないかで言えば、勿論構わないんだが……いいのか? 異名ってのは、自分から名乗るようなものじゃないんだろ?」
赤い彗星や青き巨星、黒い三連星……それ以外にも様々な異名持ちは存在するが、それは別に自分から名乗ったのではなく、あくまでも他人から付けられたものだ。
それだけに、自分からエンデュミオンの鷹と名乗るのは……いや、今の俺はムウなんだし、それでいいか。
その辺の面倒は本物にぶん投げるとしよう。
何でエンデュミオン……月にあるクレーターの名前が? と言われれば言葉に詰まるが、ぶっちゃけそれは今更だしな。
『そうだね。だから、ここであんたの力を見せてみな。エンデュミオンの鷹という異名に相応しい技量をね。……それが、今あんたが色々な者達に見られている理由さね』
「分かった。なら、エンデュミオンの鷹らしく、操縦技術を見せてやるよ」
俺とシーマの会話に、ヴェルナーの立場では何も言えなくなったのか黙り込む。
いやまぁ、ヴェルナーの性格を考えれば、もし俺があのデブリ帯をどうにか出来るだけの腕がなければ、シーマに逆らってでも俺を止めていただろう。
俺の外見が10代半ばと小さいからか、何だかんだと面倒見は良いし。
ヴェルナーに言わせれば、漁師をやっていた爺さんが子供の面倒は見るように言っていたとか何とか、そういう事らしいのだが。
『頑張りな』
シーマの機嫌が良いのは、やっぱり時の指輪の効果を得られる受信機で、不老になったからだろうな。
後でハモンやセイラにも渡した方がいいのか?
あー……でもセイラはまだ17歳だし、20歳くらいまでは成長した方が、ルナ・ジオンの女王として貫禄が出来るような気がしないでもない。
女らしい女と、まだ少女の女王……どっちの方が人気が出るんだろうな。
そんな風に考えつつ、俺はFS型のスラスターを全開にしてデブリ帯に向かって突っ込んでいく。
大小様々な岩塊が密集しているその場所は、本来ならこの速度で突っ込むような真似をするのは、自殺行為以外のなにものでもない。
だが、俺は機体の各所にあるスラスターとAMBAC――手足を振った反動で機体制御をする――機能を使って、デブリ帯に突入する。
次々に目の前にスペースデブリの岩塊が姿を現すが、特にぶつかるような事はなく、縫うようにしてその間を潜り抜けていく。
機体の反応が鈍いのは、もうそういうものだと判断して動かすしかない。
と、不意に前方にMSの数倍はあろうかという大きさの岩塊が姿を現した。
その岩塊の下を潜り抜けるようにして移動し、次に姿を現したのはMSの手くらいのサイズを持つ無数の岩塊。
それらの岩塊にも当たらないようにしながら潜り抜け……やがて1分程もしないうちに、デブリ帯を突き抜ける事に成功する。
若干推進剤を使ったが……まぁ、このくらいなら許容範囲だろう。
ただ、この時点で推進剤を使いすぎたという事は、もっと頑張ればより節約が可能になるという事だ。
シャドウミラーの機体では考える必要もない事だけに、MSを操縦する上ではまだ結構技量の上昇が見込めるという事か。
そんな風に思いつつ、俺はデブリ帯を抜けた場所で待っており……やがて、地球に向かう艦隊が姿を現す。
『お見事』
開口一番そう言ってきたのは、当然ながらシーマ。
愉快そうに笑みを浮かべながら、俺に向かって言葉を続ける。
『こうして見たところ、機体に傷1つ付いている様子もないね。つまり、無傷であのデブリ帯を抜けたという事だ。こうなれば、取りあえずエンデュミオンの鷹という異名を自称しても、特におかしくはないだろうね』
「そうか? 結局のところ、デブリ帯を抜けただけだろ? 実際に連邦軍と戦った訳じゃないんだから、そこまで感心されるような事じゃないと思うけどな」
『そうかもしれないね。けど、ムウがその辺のただのパイロットじゃないってのは、はっきりしたからいいのさ。それに、これはあくまでも前哨戦だ。本当の力は、実際に戦いの中で見せてやりな』
小さく笑みを浮かべて告げるシーマに、俺は頷きを返す。
正直なところ、ジオン軍でエンデュミオンの鷹の異名が広まろうとどうしようと、俺としてはどうでもいいというのが、正直な気持ちだ。
もしエンデュミオンの鷹がジオン軍や連邦軍で有名になったとしても、どうせ近いうち……それこそ、もう1ヶ月か2ヶ月か3ヶ月か……具体的にいつになるのかは分かっていないが、それでもジオン軍から消えるのだから。
ああ、でもルナ・ジオンの建国が公表された時、そこにムウ・ラ・フラガの、エンデュミオンの鷹の名前があれば色々とやりやすいか?
そういう意味では、今回の戦いで目立っておくのは十分に価値のある事なんだろう。
「そうだな。今回の作戦では俺が出来る限りの戦いをしてみせて、エンデュミオンの鷹ここにありってのを広く知らしめる必要がある」
『どっちでもいいけど、そろそろ戻ってきな。何だかんだで、いきなりあんなデブリの中を抜けてきたんだ。その機体も整備する必要があるだろ』
若干呆れの混じったシーマの声に頷き、俺はリリー・マルレーンに戻るのだった。
「うーん……整備の必要は殆どねえぞ、こりゃ。また随分と機体を優しく扱ったものだな」
整備員……いや、この世界の慣例に習ってメカニックとでも呼んでおくか。
リリー・マルレーンのメカニックは、FS型を一通り調べるとそう言ってくる。
だが、正直なところ、その言葉を聞いた時に俺は本当か? という思いを抱いてしまう。
当然だろう。今まで俺は色々な機体に乗ってきたが、機体の扱いが荒いと言われたり、機体を限界以上に……ああ、なるほど。
MSの反応が圧倒的に鈍いから、それに合わせて操縦していた事が、結果として機体の損耗を少なくしたのだろう。
「そうか。じゃあ、機体の整備じゃなくて、改良を頼めないか?」
「ああ? このリリー・マルレーンはムサイ級より設備が整ってるとはいえ、たかが知れてるぞ?」
「分かってる。それでも何もやらないよりはいいだろ。機体の機動性と運動性を出来るだけ高めて欲しい。それと、こっちは出来ればでいいから、こっちの反応速度に多少なりともついてこれるようにしてくれ」
「……誤差程度だぞ? それでもいいか?」
「ああ。それと、ザクマシンガンの弾倉を出来るだけ多く持ち歩きたいから、その辺も何か考えてくれると、こちらとしては助かる」
ザクマシンガンは何気に120mmで強力なんだよな。
もっとも、それだけにどうしても残弾数の問題が出てくるんだが。
だからこそ、弾倉は出来るだけ多く持ち歩きたいと思うのは当然であり、MSパイロットやメカニックはその辺をどう改良すればいいのかと考えている者が多い。
「あー……そっちの武器に拘るのもいいけどよ。クラッカーやシュツルムファウストは興味ないのか?」
クラッカーというのは、簡単に言えばMSが使う手榴弾で、シュツルムファウストは使い捨てで砲身のないバズーカといったところか。
クラッカー手榴弾なのでそんなに場所を取らないが、結局MSが投げるという点で微妙に使いにくい。
いや、地上でならそれなりに使い勝手は良さそうなんだが、ここは宇宙だしな。
シュツルムファウストの方は、使い捨てだからザクバズーカと違って砲身を持ち歩かなくてもいいというのは大きいんだが……砲身がないだけに、命中力がどうしても……いや、命中の数値が高い俺なら、サラミスやマゼランとかを相手にするのならそんなに悪くないか?
「分かった。シュツルムファウストは出来るだけ持たせてくれ」
「おいおい、出来るだけって……セイバーフィッシュの攻撃とかを食らえば、被害も大きくなるんだぞ?」
「当たらなければ問題はない」
その後もメカニックと色々と相談をしていたのだが、シーマに呼ばれているという事でその場を後にするのだった。
「待たせたか?」
「いや、そうでもないさ。エンデュミオンの鷹のお出ましなんだ。少しくらい待つのが女の甲斐性ってもんだろ?」
「……エンデュミオンの鷹って異名、気に入ったのか?」
「まぁ、あたしの部隊に異名持ちはいなかったからね」
「シーマなんかは異名があっても良さそうだけどな」
そう言うと、シーマは肩をすくめる。
「色々と嫉妬深いのがいるのさ。ああ、それと黒い三連星についてだが……やっぱり今回の作戦には参加してないみたいだね。あの会議の時にいなかったから、恐らくそうだとは思ってたけど」
なるほど、その情報を伝える為に俺を呼んだ訳か。
にしても……黒い三連星がいないとなると、ゲラートには接触したし、後は接触すべき相手は特にいないな。
宇宙攻撃軍の方には、誰かいればいいんだが。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:5
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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