転生とらぶる
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ペルソナ3
2068話
人類の審判の日を乗り越えた翌日……俺の姿は、巌戸台の中でも外れにある倉庫の中にあった。
ちなみに俺以外にも、倉庫の中には昨日巌戸台分寮にいた者達全員が揃っている。
……武治なんかは、それこそ桐条グループの中でも影時間が解決した件で色々と、本当に色々と忙しい筈なのだが、ここにいる。
いや、本当にいいのか?
そう思わないでもないが、シャドウミラーとのこれからの取引を考えれば、と言われれば、なるほどと思わないでもない。
ちなみに護衛の黒服も、昨日と同じ面々だった。
「さて、じゃあこれからホワイトスターと連絡を取るけど……皆がそれを見るって事でいいんだな?」
「そうね。私と美鶴先輩にとっては他人事じゃないだろうし。是非見させて貰おうと思うわ」
「私もその辺りはゆかりと同意見だ。だからこそ、こうしてここにいるのだから」
ゆかりと美鶴が真っ先に答え、他の面々も同様に頷いている。
……一応、今日は平日なんだが。
月光館学園を退学する事になる俺はともかく、他の面々はいいのか?
まぁ、1日くらいはいいのか。……取りあえずそう思っておく事にしよう。
荒垣は学校に行ってないし、それ以前にコロマルは犬だしな。
でも、俺、ゆかり、順平、有里、アイギス、チドリ……クラスで6人も欠席しているんだから、色々と騒ぎにはなってそうだな。
もし望月の記憶が失われていなければ更に1人プラスされていただろうが。
「……分かった」
取りあえずこれ以上勿体ぶっても意味はないだろうし……いや、正確には異世界という存在に興味津々といった様子を見せている者も多い。
もっとも、その中の何人か……望月と仲の良かった有里や順平、山岸といった面々は、全てを消化出来た訳ではないのか、若干無理をしているようにも思えるが。
ともあれ……そんな者達の視線を受けながら、俺は空間倉庫からゲートを取り出す。
『おお』
コンテナのような存在だったが、それを見た瞬間に驚愕の声が上がったのは……これが俺の言うゲートだとは思えないという思いだったり、俺の空間倉庫を初めて見るような黒服の連中だったり、といったところか。
ともあれ、ゲートを設置して起動させると、やがてサイコロを分解していくかのように――この表現はちょっと相応しくないような気もするが――ゲートが展開していく。
そうして、ゲートが完全に展開されると……緊張が俺の中にある。
今までホワイトスターと連絡が取れなかったのは、影時間が原因だと思ってきた。
だが、それは何らかの根拠がある訳でもない。
……いや、敢えて根拠を上げるとすれば、それは俺の勘だろう。
もっとも、俺にとってはその勘は十分信じるに値するものである以上……
『アクセル代表? え? おい、ちょっ! 皆、アクセル代表から連絡が入ったぞ! レモン様達に至急連絡しろ!』
どうやら、その勘は今回に限っても十分成果を発揮してくれたらしい。
空中に浮かんだ映像スクリーンに映し出されたのは、技術班の1人で俺にも見覚えのある人物だ。
……普段は魔法球の中に引き籠もっている技術班が、何故こうやってゲートの通信に出たのかは疑問だが、何となく理解は出来る。
恐らく、何かやらかしてしまったのだろう。
その為、お仕置きとしてこっちに回されていた……といったところか。
「え? 代表?」
代表という言葉に何人かが反応していたが、そう言えば俺がシャドウミラーの人間だというのは教えてたけど、代表……つまり大統領や総理大臣といった存在に近いとは言ってなかったか。
ああ、でもシャドウミラーは民主制って訳じゃなくて軍事国家なんだから、この場合は皇帝とかの方がらしい名称なのか?
皇帝ってのは、あまりにも仰々しすぎて、俺には似合わない感じがするけど。
「さて、まずは……そうだな、レモンが呼ばれているみたいだし、来るまでに少し話しておくか。時差の方はどうなっている? 俺がこの世界……ペルソナ世界にやって来てから、大体1年くらいが経つんだが」
そう言いながら、俺は随分と長い間この世界にいたんだな、とつくづく思う。
だが、この場合問題なのは時差がどれだけあったかだ。
本来なら、俺と応対している相手の顔を見れば、それこそ数年の時差があってもすぐに理解出来る。
だが、シャドウミラーのメンバーは基本的に不老である以上、年齢を重ねることにより顔つきは変わらない。
勿論、時の指輪の受信機を外したりすれば、話は別だが。
『おや、1年ですか。こちらでは10ヶ月ちょっとといったところですよ。今回はそこまで時差がありませんでしたね』
「そうだな。……喜んでいいのか、悪いのか。出来ればそっちでは半年くらいにして欲しかったところだけど」
『その辺りは、どうしようもないですから。下手に時間が掛からなかった分だけ、マシかと。それより、後ろにいるのは……』
技術班の男が、俺の後ろに映し出されてる面々を見つつ、意味ありげに俺の方を見てくる。
「ああ。この世界での協力者だ。それと、まだ本決まりという訳ではないが、異世界間貿易の相手となる企業の代表だな。……その辺りの詳しい説明は、エザリアとかの政治班に任せるけど」
『いえ、それもですけどね。その……アクセル代表の事だから、その世界、ペルソナ世界でしたっけ? そこでも新しい恋人を作ったんでしょ?』
その言葉に、後ろで何人かが反応しているのが分かる。
……中には、国の代表という立場にある俺に対してそんな口を利いてもいいのかといったものもあるようだが……まぁ、軍事国家という形をとっていても、結局のところシャドウミラーは量産型Wとかを抜かせば、そこまで大人数の国ではない。
いや、寧ろ規模的には街とか……下手をすればちょっと大きな村と言ってもいい規模だったりする。
だからこそ、少人数でも上手くいっているのは間違いないし。人材の数はともかく、能力だけで言えば、その辺の国は全く問題にならないだけのものを持っている奴が多いのだが。
「それは否定しない。そちらの話は、レモンが来てからだな」
『やっぱり新しい恋人がいるんですね。よっし。これであいつの研究で開発された機体制御のアルゴリズムは俺が貰った!』
喜びの声を上げる技術班の男。
いやまぁ、何を考えての質問だったのかは、何となく予想出来ていたけどな。
『その辺にしておきなさい、全く』
技術班の男が喜んでいると、新しい映像スクリーンが展開し……そこに、俺の恋人の中でも一番長い付き合いの女、レモンが姿を現す。
「うおっ!?」
何故かそんなレモンを見て驚きの声を上げる順平。
当然いきなりそんな声を上げるのだから、俺も……そしてレモンも含めてこの場にいる全員の視線が順平に集められる事になるのだが、本人はその視線に気が付いた様子もなく、じっと驚きの表情を浮かべてレモンの方を見ていた。
そんな順平の視線を疑問に思ったのだろう。見つめられている本人が、順平に視線を向けて尋ねる。
『どうしたの?』
「……はっ!? え、あ、いや……その、お姉さんとアクセルの関係を聞かせて貰ってもいいっすか?」
『あら、僕にはその辺りの話はちょっと早いんじゃないかしら。もっとも……そっちの2人は、興味津々みたいだけど』
順平を僕呼ばわりしたレモンが面白そうな笑みを浮かべて視線を向けたのは、真剣な視線で自分を見つめているゆかりと美鶴だった。
そんな2人のうちの片方、ゆかりが何かを言おうとすると、それを制するようにレモンが口を開く。
『取りあえず、アクセルはそこにいる人達と一度ホワイトスターに戻ってきなさい。こっちも色々と報告する事があるんだから。……言っておくけど、このままだと今日は眠れないわよ? 勿論、そういう意味じゃなくて』
「あー……だろうな」
まぁ、レモンがそう言う気持ちも分からないではない。
W世界の揉め事が終わったと思ったら、その後でろくに後始末をするような事もせず、俺はこのペルソナ世界に飛ばされたのだから。
俺が意図した事ではないとはいえ、結果としてその辺りを政治班の面々に丸投げする形となってしまったのだから。
それに、何だかんだと俺がいなかった10ヶ月の間に、何か問題が起きていないかというのを確認する必要もある。
もっとも、レモンの様子を見れば特に今の状況で何らかの問題が起きているとは思えない。
もし何らかの問題が起きていたとしても、その問題は既に解決しているだろう。
「取りあえず、そういう訳で一度ホワイトスターに転移したいと思ってるんだが……そっちに何か問題は?」
そう尋ねると、学生連中は元々今日学校をサボってここにいるのだから、特にこれから用事はないので問題ない。
コロマルも特に問題がなかったのだが……当然の話だが、武治は桐条グループの総帥としての仕事がある。
……だが、異世界――正確には次元の狭間――に移動するというのは、武治にとっても大きな利益があると判断したのだろう。
携帯を取り出して、細々とした指示を出すと、すぐに俺に向かって頷いてくる。
「分かった。なら、ホワイトスターに行く連中は俺の近くに集まってくれ。転移するぞ」
そう言うと、皆が俺の側に寄ってくる。
……黒服達が及び腰なのは、やはり影のゲートとかを使っての転移を経験していないからか。
まぁ、影のゲートを使った転移と、ゲートを使った転移では色々と違うのだが。
そうして装置を操作し……転移フィールドが生成し、次の瞬間、俺達の姿はホワイトスターの転移区画にあった。
「あれ? もう着いたでありますか?」
アイギスのその声に他の面々も物珍しげに周囲を見回す。
他の世界からやってきているのだろう者達もそれなりに多く、次々に転移しては、転移していく……といった感じの光景が目の前には広がっていた。
そうして、俺の前には……レモンの姿。
「こういう時は、お帰りって言った方がいいのかしら?」
「そうだな、そう言って貰えるとこっちとしては助かるよ」
「全く……W世界の件が終わっていきなりだったんだから、こっちも色々と大変だったのよ?」
そう言いながら近づいてくると、自然と……それこそ、手慣れている様子でレモンは俺に唇を重ねてくる。
「っ!?」
それを見て、ペルソナ世界の面々が驚く気配が伝わってくる。
ましてや、このような場所でこのような行為をしていれば目立つのは当然な訳で……
「おい、あれってもしかしてアクセル代表じゃないか? 戻ってきたのか」
「すぐに麻帆良に連絡を! アクセル代表が戻ってきたって話をすぐに!」
「そう言えば、W世界の一件の後で行方不明になってたって話しだけど……今回は戻ってくるのが結構遅かったな。時差があるから、アクセル代表が向こうでどれだけの時間をすごしたのかは分からないけど」
「あれ? 茶々丸の仲間っぽいのがいる?」
「科学の世界か、魔法の世界か……あそこにいる連中は随分と若いな」
「うわ、レモン様とキス……しかもねっとりとしたディープな奴。羨ましい」
何だか色々と聞こえてくるが、それはともあれ……1分程もお互いに舌を絡ませ合う深いキスをし終えると、レモンが口を離す。
「全く、本当に心配を掛けるんだから。……もっとも、そんなに心配はしていなかったんだけどね」
満面の笑みと共にそう告げるレモンを、俺もそっと抱きしめる。
「心配を掛けて悪いな」
「そうね。……全く。アクセルがいなくなってから、本当に色々とあったのよ?」
そう言い、レモンは笑みを浮かべる。
うん、どうやら俺が思っていたよりも色々とあったらしいな。
「……アクセル、その人を私達にもしっかりと紹介して貰える? 私と美鶴先輩なら、その人を紹介して貰える資格はあるわよね?」
後ろから聞こえてきたゆかりの声。
あー……考えてみれば、ゆかりの前で濃厚なキスシーンを見せてしまった訳か。
順平とか、他の連中もそうだが……うん、やっぱり色々とやりすぎだったか、という気がしないでもない。
ともあれ……
「こっちはレモン。まぁ……ゆかりが予想している通りだ。レモン、こっちは……」
「いいわ。ここは私から説明した方がいいでしょうし」
俺の言葉を遮り、ゆかりが1歩前に出る。
「レモンさん、ですか。私は岳羽ゆかり。アクセルの言うペルソナ世界の人間で……アクセルの恋人です」
「へぇ」
強気の視線でレモンを見ながら告げるゆかりだったが、レモンはそれに対して短く一言口にしただけだ。
「私は桐条美鶴。その……私も、アクセルの恋人の1人だ」
「なるほどね。……まぁ、この辺は予想通りといったところかしら。まぁ、新しい恋人が2人というのは、ちょっと驚いたけど」
「その、怒らないんですか?」
「何故?」
ゆかりの言葉に、レモンは心底不思議そうに告げる。
そんな態度に疑問を抱くゆかりだったが……
「あのね、アクセルの女好きは相当のものよ? 貴方もそれを承知の上で恋人になったんでしょ? これまで、こういうのは何度も経験してきているのよ。……いい? 断言しておくけど、アクセルはこれからも恋人を増やす事になるのは間違いないわ。それを受け入れる覚悟がないのであれば……アクセルは諦めた方がいいわね」
『諦めません!』
ゆかりと美鶴、2人の声が周囲に響く。
そんな2人を見て、レモンは嬉しそうに笑みを浮かべる。
「そう、それなら私からは何も言うことはないわ。……女好きだけど、アクセルの女を見る目は間違いなく1流よ。それは、私が……そして、貴方達が証明しているわ」
そう言い、レモンは艶然とした笑みを浮かべるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:5
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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