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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  2067話

「アクセル! ニュクスとの戦いが終わってからかなり時間が経ったが、大丈夫だったのか!?」

 タルタロスの屋上に転移してきたニーズヘッグから降りた俺を見て、美鶴がそう言いながら駆け寄ってくる。
 他の面々も同様だ。

「あー……うん。悪いな。ちょっと黄昏の羽根を集めるのに忙しくて」
「何? ……黄昏の羽根、だと? それは、本当に黄昏の羽根なのか?」

 俺の言葉に、美鶴は信じられないといった視線をこちらに向けてくる。
 そんな美鶴の隣にいるゆかりは、黄昏の羽根というものがどのような代物か分かっていないのか、不思議そうな視線を向けていた。

「ああ。望月がそんな風に言ってたから間違いないだろ」
「……とにかく、色々と詳しい話を聞きたいが、まずはこれだけ聞いておく。ニュクスは倒したんだな?」
「倒しはしたが、殺しはしていない。望月に頼まれてな」

 そう言い、取りあえず簡単に望月との会話を他の面々に話す。
 それを聞き、複雑な表情を浮かべる美鶴達。
 まぁ、ニュクスによる人類の滅亡がなくなったのは良い事だが、出来ればきっちり殺しておいて欲しかったというのが、正直なところなのだろう。

「取りあえず、影時間が解決したというのは……喜ぶべき事か。記憶も、詳しく関わっていた者以外の記憶は消えるという事だし、な」

 若干自分に言い聞かせるようにしている美鶴だったが、取りあえずそれはスルーしておく。

「さて、武治にもその辺りの事情を説明する必要があるだろ。エントランスの三人を確保してから、戻るとすか。……ああ、そう言えばタカヤとジンの2人はどうなったんだ?」

 そう尋ねると、戻ってきたのは首を横に振るという仕草。
 どうやら、2人とも死んでしまったらしい。
 もっとも話を聞く限りでは、ジンは最後に手榴弾を使って荒垣達を巻き込もうとして失敗し、爆死。
 タカヤの方は怪我をしても全く諦める様子がなく……最終的にはそのまま死んでしまったらしい。

「死体は……どうする? タルタロスが消滅するって話だし、このままここに置いて行くか? それとも、持って行って供養でもするか」

 人の死というものに慣れている俺と違って、ここにいるメンバーは人の死に慣れているような者はいない。
 であれば、死体を放っておいて将来的に後悔されるよりは、今のうちに何とかした方がいいだろうと聞くが……

『あの2人は、タルタロスに置いていって。その方が、きっと喜ぶから』

 チドリからの言葉で、そういう事になる。
 まぁ、何だかんだとチドリは俺達よりもタカヤ達と一緒に行動した時間の方が長い。
 そのチドリがそう言うのであれば……と、誰もそれに異論は出さず、エントランスで3人を回収して、そのまま巌戸台分寮で待っている武治の下に向かう。
 ……今更、本当に今更だけど、タルタロスが消えた後、死体が月光館学園に現れないといいんだけどな、と。そう思いつつ。





「戻ってきたか」

 俺達の姿を見て、武治が感無量といった様子で呟く。
 いつもは強面の顔で周囲を自然と緊張させる雰囲気を放っている事も多い武治だったが、今は違う。
 人類の破滅を避けられた事を、自分の目で確認す事が出来たのだから。

「……怪我をしてる奴が多いな。やっぱりシャドウが出たのか?」

 この部屋にいる、俺達と武治以外の面々……黒服達が重傷とまではいかないが、顔に殴られた痕があることに気が付き、呟く。

「ああ。例のカルト教団が影時間の中でも暴れていたらしくてな」

 その言葉に、黒服達がどこか落ち込んだ様子を見せる。
 カルト教団と言えば聞こえは良い……いや、悪いが、か?
 ともあれ、カルト教団という名前はともかくとして、実際には何の訓練を受けた訳でもない素人に怪我をしたのが、落ち込んでいる原因なのだろう。
 あの手の連中というのは、常識では理解出来ないような存在なのだから、そこまで気にするような事はないと思うんだが。
 なので、取りあえず黒服達の件にはそれ以上触れずにおく。

「そうか。……さて、今日起きた出来事だが……」

 そう言い、今日2度目となる説明を開始する。
 色々と理解しがたい様子はあったが、それでも影時間の中にいればニュクスの姿を見る事は難しくなかったからだろう。
 タルタロスの頂上からでも、地上に向かって降ってこようとしたニュクスの姿を確認することは出来ただろう。
 であれば、その脅威を認識出来てもおかしな話ではない。

「そう、か。ニュクスを殺す事が出来なかったのは残念だが、それでも目覚めるのは数億年先……そうなると、私が生きている間はもう心配するような事はない、か」
「だろうな。もっとも、それはあくまでもニュクスについてだけだ。シャドウに関係する騒動が起きないという可能性はないから、完全に気を抜くような真似は出来ないけどな」
「……そうだな」

 それでも、影時間が終わってニュクスによる人類滅亡がなくなったというのは、武治にとって大きな安らぎをもたらしたのだろう。深く息を吐く。
 まぁ、10年前からこの件の解決をする為に行動してきたのだから、それを思えば不思議な話ではない……と、そう思う。
 それに、タカヤやジンを結局救う事が出来なかったというのも、武治にとっては大きな後悔となっているのだろう。
 だが、武治には他にも色々と決めて貰う事や、話を通していた方がいい事もあるのは事実。

「それで、早速だが……俺は、明日にでもホワイトスターに連絡を入れる。その為、どこにゲートを設置すればいいのかを話しておきたいんだが」

 黒服達がいるが、影時間について理解しているのであれば、武治にとっても信頼出来る者なのだろうと、ゲートについて話す。

「ふむ、ゲートか。それは……ホワイトスターと行き来する為の、いわゆる転移装置だったな?」
「そうだ。だからこそ、人目に付くような場所に設置するのは避けたい。下手をすれば、国やらどこぞの組織やらが出てくる可能性も十分にあるからな」

 異世界間貿易だけを考えても、それがどれだけ魅力的なもなのかは明らかだろう。
 ましてや、そのホワイトスターには不老になる方法すらあるのだ。
 もしシャドウミラーを侮っているような者達がそれを知れば、間違いなくちょっかいを出してくるだろう。
 俺としては、それでも構わないのだが……そうなれば、桐条グループが色々と面倒な事になるのは間違いない。
 現在協力関係を築いているのが桐条グループだけに、その桐条グループに被害が出るのは出来れば避けたい。

「ふむ、そうなると……今のところ、シャドウミラーが取引をするべき相手は桐条グループだけでいいのかな?」
「そうなるな。将来的にはどうなるか分からないが、その辺りは俺の一存だけでは決められない」

 まぁ、正確には決めるなら決めてもエザリア達なら問題ないようにするんだろうが……下手にエザリア達を手間取らせるような真似をするのなら、最初から完全に任せておいた方がいいのは確実だ。
 それに、そもそもの問題として、俺が取引をしても問題ないと考えられる相手は桐条グループしかないしな。
 この世界において、科学技術という点では見るべきものはない。
 そうなると、当然のように必要なのはシャドウとかペルソナとか、そっち関係の技術になる訳だが……俺が知ってる限りでは、その手の技術を持っているのは桐条グループだけだ。

「まぁ、ともあれだ。そんな訳でゲートを設置する必要があるんだが……そっちとしては、どこを考えている? 俺としてはあまり人に見つからないような場所って事で、それこそ屋久島辺りを検討してたんだが」
「え、屋久島!?」

 屋久島という言葉に驚愕の声を発したのは、武治……ではなく、ゆかり。

「どうした?」
「いや、だって……もしゲートを屋久島に設置したら……私は、どうやってホワイトスターに行ったらいいのよ。それに、ホワイトスターと行き来出来るようになったら、アクセルも月光館学園はもう辞めるんでしょ? なら……」
「あー……そう言われればそうだな。一応影のゲートがあるから、大丈夫だとは思ってたんだけど……駄目か?」
「駄目に決まってるでしょ」

 即座にそう告げてくるゆかり。
 正直なところ、俺と一緒にいたいと言ってくれるのは非常に嬉しい。
 嬉しいんだが……だからって、それでゲートを無駄に危険に晒す訳にはいかない。
 そうして悩んでいると、不意に武治が口を開く。

「では、その辺りの事については桐条グループで倉庫か何かを用意しよう。場所はこの近辺で、だ。それなれば問題はないだろう?」
「それはそれで、色々と問題はあるぞ。特に大きいのは、倉庫の中となると、その倉庫以上の大きさの物を転移させるような真似をすれば、倉庫が壊れる」
「……目星を付けている倉庫はかなり大きい代物だから、その辺りの心配はないと思うのだが……」
「空を飛ぶ戦艦とかでもか? もしくは、空を飛ぶ城とか……」
「正直、そのような物を持ってこられても困るのだが……」

 本気で困ったような表情を浮かべる武治。
 いや、考えてみればそうか。
 この世界では、大々的にシャドウミラーの存在を表に出すのではなく、限られた存在とやり取りをする事になる。
 つまり、ネギま世界との件をもっと縮小した……最低限の取引をするのだから、最小限の場所があればいい訳だ。
 勿論、取引をする以上はある程度の広さは必要となるだろうが……

「分かった。なら、その辺は武治に任せる。明日までに準備出来るか?」
「うむ。明日の……そうだな、午前9時くらいに迎えをやる」

 そうして、他にも色々と話をし……一旦、報告については終わるのだった。





「にしても、アクセルが学校を辞めるのか……あー……何だかなぁ」

 武治や黒服が帰り、俺達だけとなった巌戸台分寮に、順平の声が響く。

「まぁ、月光館学園は退学する事になるが、別にもう顔を出さないって訳じゃないしな。ゆかりや美鶴もまだ高校生だし」
「……けどよぉ。綾時の奴もいなくなって、それでお前いなくなるってのは……正直、面白くないって」

 順平のその言葉に、何人かが同じように頷き、若干湿っぽい雰囲気になる。
 まぁ、望月がああいう事になったのもあるし、影時間の件が解決したというのもあって、色々と思う所はあるのだろうが……

「言っておくが、順平には結構な頻度でホワイトスターまで来て貰う事になると思うぞ?」
「……え?」
「忘れたのか? お前には、イクシールの件があっただろ? 荒垣もな」

 イクシールは、価値にして数億……場合によってはそれ以上の値段がしてもおかしくない程の稀少品だ。
 それを譲ってある以上、当然ながらホワイトスターと行き来出来るようになったら、相応の支払いはして貰う必要がある。
 もっとも……別にシャドウミラーに所属させるような気まではない。
 単純に、ペルソナ能力の解析とかに協力して貰うだけだ。
 可能であれば、シャドウミラーの面々にもペルソナを使えるにように出来れば最善なんだが……正直なところ、それは難しいというのが俺の正直な感想だ。
 ペルソナというのは、シャドウが変化したもの。
 そしてシャドウというのは、このペルソナ世界特有の存在だ。
 つまり、それを俺達が使えるようになるのは難しいのではないかと思える。
 ああ、でも俺達が無理でも量産型Wとかのように、専門に調整する事が出来れば、意外と何とかなるか?
 その辺りは、取りあえずレモン率いる技術班に任せるしかないか。……もっとも、その為に順平や荒垣達は色々と酷い目に遭うような気もするが。

「ちょっ、お、おい。何だよ。何でいきなりアクセルが俺を売られていく豚でも見るような目でみるんだよ! 何かあるのか!?」

 俺の視線に順平がそう告げる。
 荒垣も、そんな順平の側で微妙に嫌そうな表情をしていたが……取りあえず、今はその辺は置いておくとしよう。

「さて、どうだろうな。その辺は楽しみにしておけ。それより、もうそろそろ影時間も……最期の影時間も終わりそうだし、俺は帰るぞ。ゆかりはどうする? 帰るなら送っていくけど」
「あ、ううん。ちょっと、その……これからの事で美鶴先輩と相談しようと思ってるから、今日はここに泊まっていくわ」

 これからの事。
 それは当然のように、俺との関係やシャドウミラー、ホワイトスターといった事も関わっているのだろう。
 俺がそれに何かを言うのも余計なお世話……野暮だろうし、俺はそれに頷いてから、影のゲートで自分の部屋に転移するのだった。





「この部屋とも……今日、もしくはもう数日でお別れか。あのおっさんの所にも挨拶にいかなきゃな」

 呟きながら、影時間が終わったアパートの部屋を眺める。
 同時に、ズキンと一瞬頭部が痛む。……ニュクスの攻撃の悪影響か?
 だが、痛むだけで特に何かある訳でもないし……取りあえず、今は寝るとしよう。
 寝れば、多分治るだろうし。
 そう思いながら、俺はペルソナ世界最後の夜の眠りにつくのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:5
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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