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こんなチートでもありですかい?そうですかい。

作者:わいわい
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第17話。変人の夏休み。後編。

「う~み~だ~~!!」
「恥ずかしいからやめなさい!!」

姉ちゃんに怒られた。シロちゃんは苦笑いしている。去年まで一緒にやってくれてたのに・・・・大人になりやがって。

本日衛宮家は姉ちゃんが来た3年前から毎年恒例になっている海水浴に来ています。

姉ちゃんは泳ぐの得意。確かに泳ぐのは上手い。しかし、ここの海岸ではその真の実力を発揮できず・・・・

そんなに広い所じゃないしね。ここ。

俺は泳ぐより砂遊びのほうが好き。俺が本気で作った砂の城は毎年オブジェの如くそびえ立ち、ある意味観光スポットと化している。

子供じゃないのだよ。アーティストなのだ。

舞弥姉ちゃんと親父は姉ちゃんと一緒に海水浴。はたから見ると父、子、後妻さんである。・・そう周りのおばちゃん達が話していた。

・・・・そっとしておこうと思うんだ。

ひとしきり海水浴で楽しんだら、シロちゃんと釣りである。実はシロちゃん、大の釣り好きである。

なんて言うか・・テンションが違う。

「このかかり・・来たな!フィイイイッシュ!!」

2年前、俺がグラ○ダー武蔵を思い出してフィーッシュ!!っていってたらシロちゃんが真似した。

その後・・・・こんな感じである。

「フッ、今日は食い付きがいい。フィイイッシュ!!」

誰だよお前。可愛かったシロちゃんを返せ。

今日はこうなった経過と、普段のシロちゃんを知っている常連さんしかいなくて良かった。

去年は針の筵だった。周りの目線が痛い・・・・。シロちゃんが生き生きし過ぎて怒れない・・・・。

まさかこんなにハマるとは思わなかった。確かに釣れた時は快感だが・・・・。

スパイラル・キャストまでやらなくて正解だった。俺、よく自重したな。

釣りの結果は二人揃って結構釣れた。トラギス等数匹に、タコタコタコタコタコタコ。とりあえず今日はタコ祭りだ。

相変わらずシロちゃんはタコ釣るの上手いな。フィッシュフィッシュ騒いでも常連さんにあまり怒られないのはこの腕前にあるのだ。

ちなみに親父は姉ちゃんが暇だと愚図るので、舞弥姉ちゃんも含め3人で公園で遊んでいる。

親父。今日は子守りお疲れさん。帰ったら酌でもしてやるか。





「や~ま~だ~!!」
「止めなさいって言ってるでしょ!?」
「山田!?山田さんやないか!?」
「・・・・少し黙りなさい。」
「イエス・マム!」

生命の危険を感じた。姉ちゃんの赤い眼がスッ・・と細まり、ゴミを見る眼に変わる。

・・・・怖い!!ちびりそうになった。お花つんできます。

今日は山登り。変わった岩がたくさんあると有名な山で、どうしてもみたくなってな。

その変った岩、奇岩を見るためには、厳しい山道が待っている。登山口から終始急登が続くが、俺なら親父を背負っても余裕で登れる。

親父は体力がないから、車で俺らを登山口近くの駐車場まで送った後、ロープウェイで登り山頂にて合流。流石の親父でも子供に背負われるのは勘弁とのこと。

舞弥姉ちゃんは保護者として同伴。シロちゃんは流石の体力でずんずん登って行く。姉ちゃんは基本俺が背負うが、時々背から降りて頑張って登っている。

「しっかし舞弥姉ちゃん。相変わらず山に慣れてる登り方じゃの。」
「昔、山越えの任務もあったからな。毎年思うがこうして景色を楽しみながら山を登るのはいいな。」

登山道からの展望は良く、山の壮麗さを感じさせる。山の景色を楽しみながらテンポよく登って行くと、2枚の大きな岩が重なりあった奇岩につく。

「ニイさん大きいねー。」
「んっ。素晴しい!!」

岩と岩の間には大人がなんとか通り抜けられるだけの隙間があり、子供の俺らや、細身の舞弥姉ちゃんは普通に通り抜けられることができた。

姉ちゃんもシロちゃんも自然の不思議に興奮気味である。

しばらくゆっくりした後、山道をサクサク進む。

前世では『普段全く運動してないんだからやめとけ』と言われていた山登りをサクサクと進めるなんて・・・・

チートしていて良かった・・・・贅沢な悩みとしては全然疲れないってところかな。

しかし、シロちゃん凄いな。確かに山登りは始めてじゃないし、辛そうな表情をしてるが普通に俺と舞弥姉ちゃんについて来てるし・・

景色を楽しむために足を止めて、同時にシロちゃんを休ませながら登って行き、山上公園につく。

「キリツグ!」
「山登りはどうだった?イリヤ。」
「すっご~~く疲れたわ。景色は楽しかったけど。」
「姉ちゃんちょこっとしか歩いてないやん。」
「背中にしがみ付くのだって疲れるのっ。」
「さいでっか。」

親父に体全体を使っていかに山道が大変で、景色が素晴らしかったかを説明する姉ちゃん。

俺とシロちゃんと舞弥姉ちゃんはそれを微笑ましく後ろで見ながら、山頂に続く遊歩道を歩く。

最高峰につき、そこでお昼を取ることに。今回はシロちゃんだけじゃなく、みんなで作ったお弁当である。

姉ちゃんが一番楽しみにしていた。始めての弁当作りだったしな。

荷物がかさばるので親父が持ってくることになっていたのだが・・・・





「弁当が転倒してとるわ。」
「それってダジャレ?」
「他意はなか。」

事実だしな。

かばんの中で転倒・・・・ひっくり返っている弁当が見える。

親父よ。何をしたら弁当箱のふたが外れるんだ。

「・・・・キリツグのバカっ。」
「ぐはっ!!」

姉ちゃんのつぶやきは親父の急所を抉ったようだ。(※下ネタじゃないよっ!)

帰りの車の中でも親父が会話に参加しようとすると、弁当の話をし始め、親父にしゃべらせない姉ちゃん。

家につくまで終始無言の親父。今度遊園地に連れていくことで許してもらったとのこと。

まぁ、今回は親父のせいだしな。せいぜい姉ちゃんのご機嫌を取ってくるんだな。





夏休みも終わりにさしかかった8月下旬。シロちゃんの全国大会の日である。

今年は隣県で行うため、みんなで応援に出かけようと思っていたのだが・・・・

「38度9分か、結構高いのぅ。」
「ううっ。今日は士郎の大一番なのに・・・・」

親父が風邪でダウン。仕方がないので舞弥姉ちゃんも家で看病することに。

「全く、肝心な時に風邪なんか引いて!」

姉ちゃんはご立腹のご様子。

「まぁ、風邪引いちまったもんはしゃーないわ。しっかり休むんやで。」
「う~~ん。僕の分も応援よろしくね。」
「おう。まかせ。」

電車を乗り継ぎ、競技場に向かうのだが、朝のどたばたのせいで微妙に間に合わんかもしれない。

「ううぅ~~~速く動いてよ!!」
「いや、電車が速くなったら怖いやろ。」

脱線してしまうっての。

何とか開始前には着いたものの、もう競技者のコールが始まっていた。

「シローーーーー!!頑張ってーー!!」

姉ちゃんの声援が届いたのかシロちゃんは会場を見渡す。

何とか見つけられたらしく、目線があったので二人で目一杯手を振る。

コールが終わり、スタートブロックの調整をする競技者達。声援が続くが、準備が終わる者が増えるに従って、静まり返る。

そして、全員が終え、スターターがピストルを構えた時には競技場の外の音しか聞こえなくなった。

「よーい・・・・」

例の如く、独特の緊張感の中でスタートを待つ・・・・

バン!バン!!2発の銃声で会場からは感嘆の声が響く。

「え?え?どうしたの??」
「フライングじゃよ。シロちゃん緊張してるわ。」

俺の目はしっかりシロちゃんのフライングを捉えていた。これで固くならなければいいんだけど・・・・

気を取り直しての再スタート。再びスタートを待つ緊張感に触れる。
「よーい。」

バン!!と言うピストルの音で一斉にスタート・・だが

「シロちゃん出遅れたな。」
「何やってるのよシローーーー!!」

スタートで完璧に出遅れて勝てるほどの『のび』をシロちゃんはもってないからな。

残念だが、始めての全国は参加者中最下位で終わってしまった。

しかしまだシロちゃんは1年生。まだまださ。とりあえず今日は励ましてやらないと。

それにしても親父は風邪に成り易いな。家でごろごろし過ぎなんだよ。不健康極まりない。

今度人間ドックでもやらせるか。不健康な現実を思い知るといいさ。 
 

 
後書き




今回は釣りの話が一番やりたかった。
hollow ataraxiaはやってないからネタでしか知らんが、面白いものは面白いのだ

17フィィィィィィィッシュ!おい後ろの人(ry

あれ?今回17話だ。なんという偶然!!17フィィィィィィィッシュ!
タコはフラグ的なもの。
fateでタコと言ったらあの人。zoreでも苦労したそうな。 
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