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蒼穹のカンヘル

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二十七枚目

まったく…篝ったら…

「ん?どうしたのかにゃ?」

「いーえ、何でもありません」

やっぱり篝も胸が大きい方がいいのかな?

黒歌の胸は…大きい。

私は…ちっさい…というか無い。

「にゃ?にゃはは…ねぇ、君」

「なんですか?」

「セラフォルーのクイーンとは番じゃない…って事でいいかにゃ?」

「ええ、あんな変態しりません」

男の子って皆ああなのかな?

「これは吉報にゃ。だったら私が貰ってもいいかにゃ?」

もらう?もらうって…………!?

「だ!駄目です!篝は私のです!
貴方なんかにはあげません!」

「あっれぇ~?さっきと言ってる事が違うにゃ。
だけど…その胸じゃ無理かにゃー?」

「そ!そんなものただの脂肪の塊です!」

「にゃっはっは!それはどうかにゃ~?」

篝はなんでこんなのを助けたんだろう?

「でも~事実私の方が胸も大きいし、多分君より私の方が強いにゃ」

「言いましたね?」

「にゃ?」

アルビオン。力を貸して?

『本気か?』

勿論。この雌猫に篝を渡したくないの。

『はぁ…仕方ない。だが危なくなったら止めるぞ』

十分だよ!

「ディバイン・ディバイディング!」

背中に、悪魔や天使や堕天使とは違う翼が現れた。

「そ、それってロンギヌス!?
ちょ、ちょ、ちょっと待つにゃ!」

「もう遅いですよ?」

黒歌の懐へ潜り込み、胸を鷲掴みにする。

ふにょん…

こんな脂肪の塊なんて!

Divide!!

「にゃ?」

『おい!戦うのではないのか!?』

いくよアルビオン!

DivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivideDivide!!!!!!

「にゃぁぁぁぁぁぁ!?私の胸が!?」

黒歌の胸は小さくなり、対する私の胸は大きくなった。

『わ、我の力が…我の力がまさかこんな事に使われるなど…!』

黒歌の胸がペタンコになった。

そして次に、黒歌が縮んだ。

あとお尻も少し張るような?

「あれ…身長とヒップも取っちゃったかな?」

「にゃぁぁぁ!悪魔にゃ!この子本物の悪魔にゃぁぁ!」

「ええ、まぁ…認めるのは癪ですが、私は《ルシファー》ですから」

「違うにゃぁ!こんな!こんな!あんまりだにゃぁぁぁ!」

ざまぁみろです!

「さて、先程貴方は何と言いましたっけ?
貴方の方が胸も大きいし強いって言いましたか?
簡単に懐に潜り込まれた挙げ句に胸も小さくなりましたね。
さて……先程貴方は何と言いました?」

「ごめんなさぁぁぁい!」

「まぁ、これくらいで勘弁してあげます」

『ヴァーリ…お前、朱璃や朱乃に毒されていないか?』

え?何の事?

『はぁ…これは篝も苦労しそうだな…』

篝が?どうして?

『なんでもない。独り言だ』

「にゃぁぁ…あんまりだにゃ…。
神は死んだのにゃ…」

「悪魔が何をいってるんですか?」

すると黒歌は牙を剥き出しで威嚇してきた。

「フーッ!」

仔猫が威嚇しているようにしか見えない。

その時、背後で歪みを感じた。

篝が空間転移する時に決まって起こる歪みの感覚だ。

振り返ると、やっぱり彼が居た。

兄のようで、弟のようで、愛しい人。

私だけの、銀翼の騎士。

「お帰りなさい篝」
 
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