| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

駄目親父としっかり娘の珍道中

作者:sibugaki
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第6部
柳生編
  第84話 何時の時代も上司には苦労させられる その1

 
前書き
やっとギャグを書ける。今までシリアスだった分腹抱えて笑えるような話を書いてくぞー!
でも、今回は短めです(-_-;) 

 
 事件と言うのは起こす側も大変だったりするが、その数倍位起こした後の事後処理の方が大概大変だったりする。
 そして、それの処理をするのは大抵国家権力のお仕事だったりする。
 今回は、そんな国家権力の下で苦労する苦労人のお話だったりする。
 ・・・多分―――




     ***




「そうか、やはり管理局が動いたか・・・遅かれ早かれ嗅ぎ付けられるとは思っていたが、案外早かったな」

 とある飯屋に置いて、二人の国家権力が座敷に座り机を囲んでいた。
 とは言うが、この二人は実際国家権力に属している訳ではなく、客将の身分と言い張っている。側から見ると居候と言われても差支えない微妙な位置ではあるのだが、決して本人達の前でその事を言ってはならない。
 結構デリケートな部位らしいから。

「あぁ、何を目的にこちらに来たかはまだ分からんが、少なくともかなりの戦力で押し寄せて来たとの情報は手に入った」
「目的もなく艦隊を動かす程奴らも暇じゃないだろう。恐らく連中も探りを入れに来たに違いないな」

 鋭い眼光を向けつつ、烈火の将ことシグナムは自身の目の前に置かれた親子丼を凝視する。
 そして、懐から黄白色の液体の詰まった代物を取り出し、迷う事無く親子丼にぶっかけ始めた。
 
「・・・シグナム・・・お前、その味覚どうにかならんのか?」
「何だ、お前も使ってみるか? 案外いけるぞ。このマヨネーズと言う嗜好品は」
「いや、それの何処が嗜好品なんだ? サラダとかから揚げとかに掛けるならいざ知らず、親子丼に掛けると言うのは親子丼に対する冒涜になるんじゃないのか?」

 青ざめた顔で盾の守護獣ことザフィーラは指摘するが、彼女は全く聞く耳持たずだった。
 彼女も別に最初からこんな味覚異常だった訳ではない。
 江戸と言う未開の世界に突如召喚され、主こと八神はやてを守る為と言う名目の下ここ江戸の治安を守っていると言う武装警察真選組に厄介になる事になったのがつい数か月前のこと―――
 その中で、刀剣を武器にすると言う事でシグナムは其処の副長に当たる土方の補佐役になれたまでは良かった。
 だが、土方の補佐役と言う事は土方と行動を共にすると言う事でもある為、必然的に食事も彼と共にする事が多くなっていく。
 当然土方の味覚を押し付けられるのは目に見えた事でもあった。
 かくして、彼女の健康的な味覚はすっかり土方のマヨラー的味覚に毒されてしまい、今ではどんな食材にもマヨネーズをかけねば物足りなく感じてしまう程の味覚異常をきたしてしまっていた。
 最近では、はやての作った料理にマヨネーズをぶっかけて相当怒られた記憶もある。

「ま、まぁ・・・マヨネーズの話はこの際置いておくとしよう。でだ、連中がこちら側にやってきた目的挙げられるのが一つある」
「・・・先の事件のアレか」
「恐らくはな―――」

 二人が言っている事。それは以前に江戸で勃発したからくりメイド暴走事件の事だった。
 当時、真選組は暴走するからくりメイド達の鎮圧に苦戦していたのだが、その際突如地面から特大の魔力砲が放たれ、自分達が苦戦していたからくりメイド達をいとも容易く消滅し尽して行った事があった。
 それは、ベルカの騎士である二人にとっては由々しき事態に他ならない。

「此処江戸では我らの力は著しく減退する。それはミッド式の魔導士とて例外ではない。にも拘わらず、あれだけの膨大な魔力を放出出来る輩がこの地に居る。それだけでも我々にとっては脅威だ」
「だが、あれの出所は全く掴めていない。あの後周囲を探索してはみたが証拠と呼べる物は全く見当たらなかった」
「ふむ、情報収集に関してはこちら側の連中のほうが一枚上手と言ったところか。我らでは一歩出遅れてしまうな」

 本来であれば魔力探知を用いて簡単に探り出せるのだが、生憎その手の魔法には魔力を使用しなければならない。
 それは、此処江戸の地では死活問題になる。
 魔力を補充するのが困難な状況では出来る限り節約しなければならない。
 その為、情報収集には基本的に己の足で赴いて捜査する必要があり、その為勝手な行動は自粛している為にこうした出遅れが発生してしまっている次第だったりする。

「それなんだが、妙な情報が流れ込んでいるのを耳にした」
「妙な情報?」
「あぁ、何でも事件発生当初、三人の子連れの銀髪の侍がターミナルへ通じる地下水道へ向かって行く姿を目的したとの情報が入っている」
「銀髪の侍・・・奴の事か?」

 銀髪の侍と聞いて思い当たる人物は一人しかいない。
 此処江戸の地で万事屋を営み、べらぼうに強いと噂されている胡散臭い男。
 坂田銀時その人であった。

「奴は前からどうにもきな臭い奴だとは思っていたが、まさかその男が先の事件にも絡んでいると言うのか?」
「確証はないが、高杉一派と桂一派、並びに管理局の三つ巴の中にまた奴が居たとの情報も入っている。恐らく、先の膨大な魔力とその銀髪の侍には何かしらの関連性があると見て間違いないだろうな」
「うむ、となると例の魔力砲はその万事屋に属している何者かが放ったと見て間違いはないだろう」

 案外鋭い読みだった。

「だが、具体的に誰なんだ?」
「まず眼鏡とチャイナの二人は論外だろう。あの二人から魔力は感じられたが極微量だ。とてもあれだけの魔力砲を放てるとは思えない」
「では、銀髪の侍とその娘。その二人の内のどちらか、と言う事になるな」
「その線で間違いはあるまい」
「だが、それでどうする? 万事屋の奴らと言えば主と深い関わりを持つのだぞ」
「それがどうしたのだ? 我らの目的は主を守護する事。例え主と密接な関係を持っていたとして、そいつらが主の脅威となるのならば排除するのが我らの使命だ」

 急に殺気立った言い方でシグナムは宣言してきた。要するに、尻尾を掴み、然る後にはやてに事が伝わらないように闇の内に葬れ。そう言っているのだ。

「で、その役目は誰にやらせるんだ?」
「決まってるだろう。何のためにお前に聞かせたんだ?」
「・・・・・・」

 その時、話を聞いていたザフィーラの尻尾が何時になく垂れ下がったのを客は見逃さなかったと言う。
 つまり、彼女はこう言って来たのだ。




 ”お前がやれ”と―――




     ***




「成程、そっちもそっちで大変だったみたいですね」

 場所は変わりどこぞの河川敷。其処でザフィーラは同じ境遇に当たる真選組所属の者と会っていた。
 彼もまた、自分の上司に無理難題を押し付けられて困り果てていたのだそうだ。

「あぁ、万事屋の奴らが怪しいから尻尾を掴み、然る後に処分しろと命令されてな」
「うちと似たようなもんですね。こっちも副長に旦那が攘夷活動に加担してないかどうか探りを入れて、もしそうならば切れって無茶苦茶な命令されてるんですよ」

 この山崎退と言う男もまた上司に無理難題を押し付けられて途方にくれていたようだ。
 だが、やる事は同じようだし、此処は二人で手を組んでやった方が手っ取り早いのは事実。
 それに楽になるのも頷けられた。

「どうですかねザッフィーの旦那。目的は似通ってますし此処は共同で行動しませんか?」
「それは賛成するが・・・何だ、そのザッフィーとか言う呼び名は?」
「いやぁ、フルネームだとちょっと堅苦しいんで、此処は愛称みたいな感じで可愛く言ってみようかなって思ったんですよ」
「有難迷惑だ。ちゃんとフルネームで言え!」

 何でわざわざどこぞの絵本の世界に在住している兎の生き物染みた名前で呼ばれにゃならんのか?
 それだけは断じて認める訳にはいかなかった。
 盾の守護獣としての沽券に関わる問題なのだから。

「それで、この後はどうするつもりだザッキー」
「まぁ、挨拶ついでに万事屋の旦那の所に行くつもりですけど・・・え? ザッキーって・・・何?」
「さっきの仕返しだ。どうだ、可愛くなっただろう」
「嫌、俺にはもう愛称あるんですけど・・・ってか、何気に旦那も結構根に持つんですね」
「余計なお世話だ」

 河川敷にて二人の苦労人は一蓮托生のもと手を組む事となった。
 これが後の世に語られる歴史的な同盟かどうかは生憎定かではないが、とりあえず世界を跨いだ友情が芽生えたかには見えた。

「ザキさん、ザッフィー! 危ない避けてぇぇ!」
「え?」「ん?」

 ふと、河川敷でミントンを嗜んでいた連中から呼ぶ声が響く。
 声のした方を見た二人には、もれなくミントンのラケットが顔面に叩きつけられたのは周囲の人々の目にしっかりくっきりと映し出されていたらしい。




     ***




 時刻は夜、山崎とザフィーラの二人は揃って音を立てずに忍びこんでいた。
 新八の実家でもある恒道館に―――

「なぁ、良いのか? こんなに色々とはしょってしまって」
「仕方ないでしょう。幾ら二次小説だからって一から十まで全部やる訳にはいかないんですから。そんな事したらパクリだなんだって言われかねないんですからね」
「いや、そう言う問題じゃなくてだな・・・まぁ、良いか」

 諦めたのか、途中で聞く事を止めた。尚、この時のザフィーラは隠密性を考慮して獣モードで来ている。
 こちらの方が万が一見つかったとしても野良犬で誤魔化せるかも知れないからだ。

「しかし、あの旦那が怪我して此処で療養してるだなんて、きっと先の事件で負った怪我かも知れない」
「となれば益々怪しいな。いざとなれば銀時の奴を拉致して拷問に掛けて聞き出すと言う手段も講じる事も念頭においておくべきか」
「地味に怖い事考えますねザッフィーの旦那は。まぁ、その線も考えてない訳じゃないけど」

 二人とも自分の命が大事なんだよ。だから他人を蹴落としてでも自分は生き残りたい時だってきっとあるんだよ。だから、これを見てる人は二人を決して責めないで欲しい。
 二人だって苦労してるんだから。

「それで、万事屋の奴は何処にいるんだ?」
「この家の間取りからして、寝室の方だからこの先かな?」

 山崎を先頭にして、二人は音を立てずに物陰から様子を伺うべくそっと壁伝いに近づいていた。
 気配を殺し、音を殺し、自分自身の存在自体を殺すつもりでそっと近づいていく。

「・・・ザッキー。この先にターゲットが居る」
「流石はザッフィーの旦那だ。良い鼻をしてる。頼りになりますよ」

 どうやらお目当ての輩はすぐ近くにいるようだ。これならば話が早い。万事屋の誰でも良い。とにかく捕獲して情報を聞き出す。そうした後はまぁ、その後の次第って事にしておけば万々歳って事にしておこう。
 何かもう、面倒臭くなってきたしね―――

「ほっほっほっ、遅かったじゃありませんか。待ちくたびれましたよ」
「「!!!」」

 突如、寝室の方から聞こえて来た声に二人は思わず肩を震わせた。
 まさか、自分達の潜入がばれたと言うのか。だとしたらこそこそしても意味がない。折角二人で練った作戦がパーになってしまった。
 
(流石は旦那だ。俺達の潜入をあっさり見破るなんて)
(まさか、魔力探知をしてたのか? あれだけの膨大な魔力を持っていれば、絶えず探知魔法を発動させる事も訳ないと言う事か。やはり下手人はあの銀髪の侍で間違いなさそうだな)

 各々がそんな事を考えつつそっと寝室の方を見る。

「俺は怒ったぞぉぉぉぉ! ブリーザーぁぁぁ!!!」

 それは、寝室の一角で一人寂しく寝ている銀時の横で神楽がやかましくジャンプの朗読をしていると言う大層紛らわしい場面であった。
 たまたまそのセリフがそれっぽく聞こえただけの様で何とも紛らわしい事このうえない。

「おいおい、さっきから喧しいんだけどさぁ。もう面倒だから俺に読ませてくんない? その方が手っ取り早いからさぁ」
「駄目アル。銀ちゃんにはジャンプは刺激が強すぎて危険ネ。そのせいで銀ちゃんバイクを運転してる時にすっころんで怪我したのを忘れたアルか?」
(怪我の原因がバイクの転倒!? 事件とは関係ないのか)
(だが、まだ白とは限らん。もう少し探りを入れるべきなのだが―――)

 どうやら怪我の原因はバイクの転倒による物だったらしい。しかし、折角此処まで来たんだし何か情報を持って帰らないと上司にどやされるのは目に見えている。なのでもう少し様子を見る事にした。

「う~ん、ジャンプはダメあるけど、このヤングジャンプとかどうアルか? 銀ちゃんが好みそうなのは~」
「待て待て待てぇぇぇ! 未成年がヤンジャンなんて読むんじゃねぇ! それはお前ら若人には刺激が強すぎるからぁぁぁ!」

 若い乙女が道を踏み外そうとしているのを止めるべく身を起こす銀時。
 それが彼の禍を呼ぶスイッチになったとは彼自身知る筈もなかった。

「動くなっつっただろうがぁぁぁ!」
「大義名分キターーーー!!!」

 銀時に向かい繰り出されるは白銀の刃と金色の閃光の刃。まぁ、要するにお妙とフェイトの同時攻撃だったりした。

「あっぶねぇぇぇ・・・」
「もぉ、動くなって言ったでしょ?」
「人が折角心配して来てあげたんだから大人しくしててね・・・でないと―――」


「「殺しますよ(死にますよ)」」

 何とも不吉な幻聴がした気がするのは気のせいだろうか。とにかく、それを聞いた銀時が青ざめたのは言うまでもない。

「えと、ちょっと良いかな。俺はただバイクですっころんで怪我しただけだから大した怪我じゃないんだよ。だから別に四六時中看病の必要とかない訳でぇ・・・っつぅか何でこの場にてめぇがいんだよフェイト! お前何が目的で来やがった!?」
「何言ってるんですか銀さん。フェイトちゃんは銀さんが怪我したって聞いて真っ先に来てくれたのよ。とってもいい子じゃない」

 そう言ってお妙がフェイトの頭をなでなでしている。フェイトも何処か嬉しそうに微笑んでいるが、こちらに向けているのは明らかに殺意に満ちた下卑た笑みでしかない。

「銀時が怪我したって聞いて。私居ても経ってもいられなくて・・・」
「へぇ~、そうなんだ・・・で、本心は?」
「なのはと一つ屋根の下で寝泊まり出来るヤッホーイ! 後、ついでにあわよくば邪魔な天然パーマを亡き者に出来るおまけつき」
「俺の命がおまけつきかよ! 俺は駄菓子屋に売ってる玩具についてるラムネか何かか!?」
「そんな上等な代物な訳ないじゃない」
「相変わらず可愛くねぇなぁおい。お前少しは原作と合わせる努力しろよ。あっちの方がまだちったぁ可愛げあんじゃねぇの?」

 彼女の本心を知っている銀時だればこそ彼女を可愛いとは到底思えない。
 もし、少しでも心を許せば一太刀の下に命を刈り取られてしまうのは必定であろう。

「銀ちゃぁん! これ読み終わったんやけど次の巻とかあらへんかぁ?」
「はやてぇ、読み終わったんならそれ読ませてくれよぉ」

 隣の部屋ではこれまた何で来たのか疑問になるが、はやてとヴィータの二人が漫画に夢中になっていた。
 もちろん、新八も其処に居る。

「おい、何でお前らまで来てんだよ? オールスター勢ぞろいってか? 喧しいこと山のごとしじゃねぇか!」
「えぇやないか。私ら暫く出番なかったんで暇やったんやし。、銀ちゃんが怪我したって聞いて『なのはちゃんとお泊り会だヒャッホー』なノリで来たんやし」
「私は暇だからついで感覚で見舞いに来てやっただけだけどな」
「要するにてめぇら全員なのは目当てって事かよ。んで、俺の事はついでとかおまけ感覚!? 何この嬉しくない見舞いは。さながら見舞いの品に嫌いな食い物ばっか詰められて持ってこられたみたいな嫌な気分なんだけど」

 正直見舞いに来てもらってるのか命取りに来てるのか疑問に思えたりする。
 それも、逃げ道のないデッドオアダイと呼ぶべき場所に―――

「もう少し待って下さいね。今なのはちゃんがおかゆ作ってるみたいですから」
「へぇ~、てっきりお前がダークマター作るかと思ってたけど違うんだな」
「もう、何言うんですか銀さんったら。そんな事言ってると間違って首撥ねちゃいますよ」
「間違ってやるレベルじゃないよね。確実に確信犯だよねそれ!?」

 言ってる時、お妙の薙刀の刃が銀時の首元に充てられていた為に身震いが絶えない銀さん。

「大丈夫よ。私だったら間違いなく貴方の脳髄を抉り出すから」
「怖いんだけどぉ! 何、何でそんなバイオレンスかつグロテスクな事平気で言えちゃうのフェイトちゃぁん? 君原作じゃもっと大人しい感じだったよねぇ。何で此処だとサディスティックになっちゃってるのぉ!?」
「知らないわよ。あんまり五月蠅いとそのうざったい天然パーマ刈り取って丸坊主にするけど良い?」
「良くないから! ダメだから! 主人公がク〇〇ンヘアーなんて流行んないから!」

 いや、もしかしたら主人公がク〇〇ンヘアーってのもワンチャンある気がしなくもないのだが―――
 とにかく、このままでは銀時の命と天然パーマが危ういのは事実。
 何となしなければならない。でないと、次回からタイトルを変えねばならなくなるかも知れない。
 それは書いてる作者としても非常に面倒な事なので何としても避けて通りたい。

「お待たせしました」

 そうこうしていると、待ってましたとばかりになのはがお粥を作って持ってきてくれた。
 助かった。この殺伐とした狂気じみたサイコパス集団の中でお前だけが救いの神だよ。
 内心そう思いながら銀時はなのはからおかゆの入ったお椀を受け取る。
 中身が不気味に七色に変色を続けるお粥と形容して良いのか甚だ疑問な代物が目の前に映し出されていた。

「えっと・・・なのは・・・さん? これは・・・何?」
「七草粥です」
「あのさぁ・・・俺の知ってる七草粥ってさぁ・・・確か、七種類の薬草を使った薬膳粥って印象があるんだけどさぁ」
「そうですね。その解釈で間違ってはいないと思いますよ」
「それじゃぁさぁ。何でこの粥は七色に変色してるの? しかもどれも不気味な色合いだし」
「お父様の怪我の具合からして七種類の薬草では足りないと思いまして、更に追加して七十種類の健康薬品と数種類の野草類、更には毒に対する抵抗力をつける為に微量の劇物をブレンドして完成させました。安心して下さい。既に試食はしましたので体には別状はありません」
「ちょっと待て! 何変なの追加してんの? ク〇ハ汁か? ク〇ハ汁だよねこれ! ク〇ハ汁をそのままご飯にぶっかけて食うなんてどんな拷問だよ! 嫌拷問じゃねぇよ。これはまるで死刑執行と相違ねぇじゃねぇか!」

 かたや斬殺、かたや毒殺、坂田銀時に明日はあるのか? 
 

 
後書き
その2へつづきます。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧