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万華鏡の連鎖

作者:fw187
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夢想家の軌跡
  野望の序曲

 グイン恩赦の請願は特S級不敬罪、逆鱗に触れたらしい。
 闇が集い、アウラ神殿を浸蝕。
 次元断層の絶壁を滑り落ち、時間軸も踏み越す。
(!)
 催眠暗示波《ヒュプノ・ウェーブ》。
 精神支配《サイコ・コントロール》の魔術、呪縛の《念》を嫌悪。
 霊光鏡反衝。
 冷酷な《気》を吸い取り、増幅して痛撃を叩き込む。
 防壁が破れ、記憶を解析。

 《此処(ここ)》は地球《テラ》、太陽系《ソラー・システム》第三惑星。
 クリフォード・モンタニー博士は催眠暗示能力者(ヒュプノ)精神感応能力者(テレパス)を兼ねる野心家だ。
 《現在(いま)》は救世主誕生紀元、通称《西暦》1976年。
 金星侵攻軍の実戦配備が進み、全面核戦争再開の気配も濃い。
 他の超能力者(サイキック)を絶対的権力獲得の道具、奴隷と認識の超越者(オーヴァヘッド)は無用。
 人格交代強要後に権力者の実態を暴き、地球防衛軍の整備を急ぐ。
 催眠暗示長期継続は意識低下、判断能力喪失、他者依存、隷属に直結。
 数分程度の精神制御を繰り返し、各国首脳陣に潜む詭弁家を炙り出す。
 1980年ペリー・ローダン帰還の際、調整の重責は譲渡。
 第三勢力躍進の鍵は精神干渉装置(メカノ=ヒュプノ)に非ず、心理学者の導師(メンター)であった。

 キタイの竜、もとい、元日本人医師の暗示能力者(キタイ・イシバシ)は最強の調整者(コーディネーター)
 催眠暗示命令(ヒュプノ・ブロック)と異なり想像力(イマジネーション)刺激、五感を操る《魔術》は見破り難い。
 錯覚ではなく断固《真実》と信じて動く為、瞳は硬直せず後遺症も皆無。
 1975年トプシダー艦隊、蜥蜴《トカゲ》型種族の数百隻を導師は救った。
 巨大恒星に遷移《ワープ》せず、帰郷後ヴェガ星系関連情報を滅却。
 1982年『オルラⅥ』船長、エツタク指揮の銀河商人種族《スプリンガー》も続く。
 人型機械《ロボット》悪用、地球攻撃の陰謀は実現せず傭兵集団《超重族》を買収。
 更に族長会議出席の数千名《転向》後、追跡困難な最新鋭艦を譲り受けている。

 1984年に導師は実権の無い皇帝、ナート人『ヴィースト・アーク』乗員を懐柔。
 直径1500m量産前最強戦艦を盗み、副皇帝《セカンド・マスター》の野望も潰す。
 暗示能力駆使の海月《クラゲ》状種族、水素呼吸で無害を装う黒幕は導師に敗北。
 優秀な精神感応能力兼備モーフ数百体転向後、同規模の増援も投降を申し出た。
 巡洋戦艦『太陽系』(ソラー・システム)内部倉庫は被害者を運ぶ為に換気、漏洩遮断を徹底。
 構造震動補正機《アンティ・ワープトレーサー》が働き、追跡船数隻を撒く。
 モーフ星系第六惑星の親類縁者達は無事生還を喜び、秘密基地破壊を要望。
 透視能力者と遠隔移送能力者(テレポーター)を借り、私が銀河医師族《アラス》の意思を奪う。

 名歌手《マイスター・ジンガー》数千体、各種設備も無傷で捕獲。
 合成脈動生物達は催眠暗示波で動き、約1㎞瞬間移動を繰り返す。
 化学変化前の薄膜生物は数mm厚で鮃《ヒラメ》状、低い酸素濃度でも繁殖可能。
 《名歌手》合成設備を解体、火星に運び薄膜生物の棲息環境も整える。

 アラス達の情報庫(データ・ベース)から暗示能力、《名歌手》関連抹消後《大調整官》に通報。
 同盟の提案は通らず、超重族の戦闘船数千隻を雇う。
 宇宙気流の影響が著しい無人惑星、フロリナ地表に贋物(まがいもの)の都市要塞を急造。
 ペリー・ローダン戦死、本拠潰滅は数万人《目撃》の情報が疑惑の芽を潰す。

 1999年に制御不能の催眠暗示能力者、不安定な精神感応能力者が蒸発。
 帝国領で捕まった情報工作員は精神干渉装置使用、脳細胞損傷を免れない。
 名歌手《マイスター・ジンガー》、精神感応能力者の帝国領潜入後も捜査は停滞。
 後に脈動生物は情報工作員大勢を救い、短く呼び易い《ジン》の愛称(ニックネーム)を得た。

 2040年以降、私は《水晶王子》を監視。
 妙に意見の似通う点を見込まれ、アラ星系第二惑星パロ帰還は諦めた。
 2043年ティラン帝国滅亡、ローダン戦死確実の偽情報で《大調整官》を撹乱。
 帝位請求者に実権を譲り、同盟の議論が進む。
 2044年アラス製の《鎮静剤》を地球人技師が飲み、暗示能力獲得の為に家宅を捜索。
 3瓶を確保後、アルコン系種族には毒の補足情報が届く。
「テレパシーから暗示力に至る道は、ほんの一歩」
 隊長の持論に頷き、男性隊員が挙手。
 フェルマー・ロイド、サミー・ゴルトシュタイン、私が飲んだ。
 半年を超える暗示能力持続期間中、3名は意識誘導の要領を修得。
 暗示能力者の惑星エパン潜入案は通らず、帝都治安維持に廻す。

 2103年には闇の司祭、もとい、バアロル祭司達が皇帝を脅迫。
 細胞活性装置を盗み、超能力部隊全員を嘲笑う。
 催眠暗示、暗示、念動力(サイコキネシス)遠隔移送(テレポート)、透視、精神感応、総て無効。
 奪還の後も皇帝叛逆罪の適用、賠償を免れ魔薬中毒患者が増え続ける。
 性善説に基く抗議活動も帝国領全域で催し、教団優遇の論陣は鉄壁。
 監禁された重症中毒患者の発見、救出後も衰弱は進み延命手段が無い。
 ジン達が第二段階の超能力者組織に拉致された場合、奪還は無理。
 合成生物と薄膜生物は銀河最西域に匿し、帝国領派遣を厳重に禁じた。

 2104年アルコン星系第二惑星、帝国経済の要に異常肥満病が蔓延。
 惑星メカニカ発見後、巡洋戦艦『シリウス』が蜥蜴《トカゲ》型種族を運ぶ。
 トプシダー達は遺跡を護る機械達に製造者末裔と語り、プログラミング変更を要望。
 60m前後の偵察船《スカウト》1隻、1800m前後の播種船1隻が軌道を変える。
 全長2km前後、直径500m前後の転子状収穫船1隻も現れ罹患異常肥満者の減量を実現。
 3隻は帝国領の惑星ゴム、ホヌル等を廻り食糧自給率改善が進む。

 2105年バアロル教団後援の簒奪者が実権を奪い、皇帝抹殺も命令。
 重巡洋艦『マルス』が時を遡り、約6千年前の過去界に廃帝を運ぶ。
 簒奪者打倒後オルフ・スタッゲ、15歳の特異な精神感応能力者が訓練に着手。
 受動型《パッシブ》な遠隔移送能力強化、発達を望み銀河最西星域に渡る。

 2112年、銀河最西星域外縁の観測基地に透明種族が侵入。
 1辺2㎞前後の断片船《フラグメント・シップ》も現れ、人類居住惑星を襲う。
 蜥蜴《トカゲ》型種族の遺産1隻は現地に翔び、大無線局が停戦を要望。
 ジン達と精神感応能力者も動員され、軽巡洋艦『東京』に乗る。
 断片船《司令》ドーム6個内部、思考プラズマ独立細胞の集合意識は混乱。
 偵察船《スカウト》を捕獲して惑星フラゴ、銀河間宙域に運ぶ。
 透明種族は憤り惑星メカニカ急行後、警備の軽巡洋艦『ブレスラウ』を襲撃。
 ジン達が乗組員を救出後、断片船も現れた。
 人型機械『ブレスラウ』侵入、的確に透明種族一掃の模様を『東京』が観察。
 合成生物の精神感応波を隊員が増幅、送信の後シンボル通信が届く。

 超光速通信を傍受の透明種族は焦り、銀河商人種族の船に侵入。
 アプトゥト星系にも密使が着き、バアロル祭司達と意思疎通を図る。
 北欧出身の隊員は《ジン》達に頼り、中央大プラズマ直属船に移乗。
 二百の太陽の惑星に着き、空前絶後の集合意識に提携を申し込んだ。
 地球全域で民間人虐殺開始直後、メカニカ無線局は特S級非常事態を通報。
 人型機械多数急派、透明種殲滅直後に憎悪回路破壊の要請が届く。
 5名随行案が通り、ヴァン・モデルス異才実証後アンドロメダ星雲を偵察。
 星体放射能力者(テレテンポラリア)エルンスト・エラート帰還、の通報は無い。
 太陽系帝国秘密情報局長は教団離反者懲罰、暗殺者派遣を確実と推測。
 ディラン惑星フラゴ隠匿、冷凍睡眠《コールド・スリープ》の準備が進む。

 2326年《不死者》と称する精神集合体失踪後、超能力部隊員の過半数も蒸発。
 細胞活性装置は遠隔移送能力者、念動力者、催眠暗示能力者、暗示能力者に渡す。
 2400年『クレストⅡ』捜索の為、超巨大瞬間物質移送機構に断片船2隻が突入。
 翌年12月《母》発見を願う断片船20隻が続き、断片転送機に補給物資を運ぶ。
 衛星銀河アンドロ・ベータ星雲を偵察中、元透明種族ローリン地下棲息地を発見。
 懲罰爆撃の際《母》の棲む惑星に関する情報、位置座標は喪われ修復の術も無い。
 アンドロメダ星雲で《母》発見は数日後か、数週後か、数月後か、推測不能。
 断片船20隻は散弾転送機で待機、冷凍睡眠の教団離反者を動員の提案が通る。

 2404年『クレストⅢ』が衛星銀河を離れ、アンドロメダ星雲に侵入。
 パドラー探索の為に暗黒星雲ハーデス侵入、エメラルド星系偵察を選ぶ。
 植物学者達と機械技術者達を救助後、テフローダー本拠で《母》の情報を探す。
 元祭司が瞳を閉じ、ESP波無効重力場《アンティ・サイキック・フィールド》を解消。
 艦艇修理惑星に転送後も機械駆動パラ罠を微調整、絶体絶命の窮地から救った。
 物質複製装置(マルチ・デュプリケーター)入手断念後、直径2500m『銀河』(ギャラクシス)級1番艦は時の潮を遡行。
 続いて隣接銀河直結力場、移動距離250万光年の瞬間物質移送機構に放り込む。

 《此処(ここ)》は銀河間転送機構の調整惑星カハロ、オルボン星系内部。
 《現在(いま)》は約5万2400年前、レムール星間帝国崩壊の《大災厄時代》らしい。
 元《水晶王子》が道を開き、最高評議会議長の棲む惑星に着陸の数十分後。
 帝国首都惑星の補給部門最高責任者、タム評議員を兼ねる時間工作員が真実を暴く。
 「…それでは失礼して、この結果を無線で報告させていただきますぞ」 
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