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レーヴァティン

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第四十三話 鞍馬山その七

「こうした者達だ」
「ううむ、左様ですか」
「遂に時が来ましたか」
「峰夫が動く時が」
「その時が来たのですな」 
 烏天狗達は英雄の説明を最後まで聞いてから述べた。
「ではです」
「山伏の最先達と我等の大天狗のところに来て下さい」
「そしてそのうえで、です」
「お話されて下さい」
「それではな」
 英雄が彼等に応えてだ、そしてだった。
 一行は烏天狗達に山のさらに奥に案内された、そこで峰夫は仲間達に話した。
「実はわしは言われていたであります」
「時が来ればだな」
 英雄は先程の烏天狗達の言葉を峰夫に話した。
「この山を出てか」
「この島、ひいては世界を救う為に動けと」
「外から来た者だからか」
「修験者の世界でも言われていることであります」
 英雄達のこの話はというのだ。
「それでなのであります」
「御前もだな」
「世界を救う為に動けと」
「言われていてか」
「今も仲間達が言ったのであります」
「仲間。修行仲間か」
「左様であります」
 今は案内役をしている天狗達はというのだ。
「そうなのであります」
「人間も天狗も同じだったな」
「この鞍馬山では、共に修行し共に己を高め合う」
「そうした間柄か」
「そうなのであります」
 それが彼等の関係だというのだ。
「まさに」
「成程な、ではだな」
「これからであります」
 まさにとも言う峰夫だった。
「最先達、我等の最高位の方とです」
「この山の山伏達の最高位か」
「そうであります」
 まさにというのだ。
「その方と天狗の最高位であられる大天狗にもであります」
「会うのだな」
「そうしてもらうであります」
 今からだというのだ。
「皆さんに」
「そうか、ではな」
「これよりでありますな」
「最初からその為に来たしな」
 それでというのだ。
「是非だ」
「お二方にお会いして」
「御前を正式に仲間にしてな」
「そうしてでありますな」
「また旅に出る」
 そうすると言ってだった。英雄は峰夫を含めた仲間達と共に山の中を進んでいった。そうして高い滝が流れ落ちている泉の前でだ。
 長い髭と髪を持つ老齢の人間の男と赤い顔と高い鼻を持つ天狗に会った、二人も周りの人間や天狗達も山伏の恰好である。皆英雄達の前に立っている。最初に白い髪と髭の老人が彼等に対して言ってきた。
「話は聞いておる、遂にじゃな」
「はい、わしが動く時が来たであります」
 峰夫が老人に答えた。
「最先達にそのことをお話させてもらうであります」
「わかった、ではだ」
「行って来るがいい」
 赤い顔の天狗も言ってきた。
「そしてじゃ」
「はい、大天狗」
「果たすべきことしてくるのじゃ」
 大天狗が言う言葉も同じだった。
「必ずな」
「そうしてくるであります」
「とんとん拍子で進んでいるでござるが」
 智はこのことはよしとしつつ言った。 
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