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レーヴァティン

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第三十八話 オーロラの下でその五

「ここまで来たからな」
「だからですね」
「ああ、その北もな」
「行かれてそうして」
「斧持った大男探すな」
「そうされて下さい」
「ああ、じゃあ今からな」
「行かれますか」
「そうします」
 こう言ってそしてだった。
 久志は神父に別れを告げてそうしてだった、村の中にあった食堂で仲間達と共に食事を摂ってだった。
 村を出た、そうして再び凍てついた世界の中に足を踏み入れてだった。共に進む仲間達に笑って言った。
「じゃあ今からな」
「斧を持ってる二メートルのアジア系の人をだね」
「探そうな」
「うん、北の果てを目指してるっていうし」
「もうここまで来ると人も少ない」
「多分あの村はね」
 淳二は一行が先程までいたその村のことを話した。
「この島の最北かそれに近いね」
「そうした村だな」
「うん、だからね」
「もうここからは村とかもないか」
「多分ね」
「じゃあ人は本当に少ないな」
 久志もあらためてこのことを認識した。
「そうした場所か」
「うん、それにもうここまでくると場所もね」
「狭いよな」
「だからね」
「後はか」
「探すのも苦労しない筈だよ」
「物見の術を使いますと」
 順一が久志に申し出た。
「それこそです」
「すぐにか」
「はい、見付け出せるでしょう」
「よし、じゃあな」
 そう聞いてだ、久志は順一に明るい顔で返した。
「幸い今は晴れてるしな」
「余計に都合がいいですね」 
 物見の術を使うにはとだ、順一も久志に明るい顔で返した。
「それでは」
「ああ、術を使ってな」
「探しましょう」
「そうしような、人がいたらな」
 もういるのも稀であろう者達がというのだ、ここまでくれば。
「そこからアジア系の大男探せばいいしな」
「すぐにわかるな」
「だからな」
 それでというのだ。
「すぐに術を使ってな」
「探しましょう、それと今久志君は術が使えないですね」
「ああ、僧侶の術は使えてもな」
 それでもとだ、久志も順一に答えた。
「魔術、錬金術、超能力はな」
「そうした術はですね」
「まだ使えないんだよ」
「では出来るだけです」
「暇を見付けてか」
「他の術もです」
 久志が今使える僧侶の術以外もというのだ。
「学ばれるといいです」
「そうだよな、やっぱり」
「勿論他の方もです」
「どんな術もより多く使える方がいいか」
「ですから」
「全員が全部の術を使えるべきか」
「幸い我々外の世界から来た者は術をかなり覚えやすく」
 そしてというのだ。
「しかもどんな術でも学べて身に着けられるので」
「それで余計にか」
「身に着けるべきです」 
 ここにいる者全員が全ての術をというのだ。 
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