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レーヴァティン

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第三十八話 オーロラの下でその四

「おそらくですが」
「すぐに会えるか」
「そう思います」
「わかった、じゃあな」
 久志は神父の話を聞いて笑顔になって応えた。
「今から探しに行くな」
「そうされますか」
「ああ、情報教えてくれて有り難うな」
「いえ、それはです」
「それは?」
「まだ何もです」
 それこそという返事だった、神父の今のそれは。
「確かなことはわかっていないので」
「そうした情報ばかりだからか」
「お礼は実際にです」
「会えてからか」
 その戦士にというのだ。
「そうしてからか」
「お願いしたいです」
「いやいや、またこの村に寄れるかどうかわからないからな」 
 久志は神父に笑って返した。
「だからな」
「今ですか」
「ああ、というか今教えてもらったからな」
「不確かなことですが」
「そういう問題じゃなくて好意で教えてもらったからな」
 神父のそれでというのだ。
「だからだよ」
「お礼を言って頂きましたか」
「ああ、受け取って欲しいな」
 神父にこうも話した。
「是非な」
「そうですか、そこまで言われるなら」
 神父も久志の言葉にある誠意を理解してだった、いつもの穏やかな笑顔で久志に笑顔で返したのだった。
「受け取らせて頂きます、そのお礼」
「そういうことでな」
「はい、それとなのですが」
「それと?」
「ここまで寒かったですね」
「ああ、相当だったぜ」
「ここから北も寒いので」
 それでというのだ。
「お気をつけよ」
「わかってるさ、寒いのはもう覚悟して来てるしな」
「防寒の用意もされてですね」
「そうだよ」
 その通りという返事だった。
「そうして来てるんだよ」
「やはりそうですね」
「厚い服何着も着てな」
 久志は神父に明るい笑みで話した。
「カイロも買って馬具だってな」
「魔法の馬や驢馬の身体を温める馬具をですね」
「買ってな」
 まさにそれをというのだ。
「万全の備えをして来たさ」
「それは何よりですね」
「寒さが一番の敵だからな」
「モンスターよりもですね」
「そう思ってな」
 久志は笑って神父に話した。
「防寒対策はしっかりしてきたさ」
「よくお考えです、北それもここまで冒険に来られる方は」
「そうした防寒対策はか」
「モンスターのことばかりお考えで」
 それでというのだ。
「一切お考えでなく」
「よく遭難とかしてか」
「凍死されて発見されるまではです」
「氷になってるんだな」
「穏やかに言えば」
 復活させてもらえるまではそうなっているというのだ、実際にそうなっている者の話は実に多かったりする。
「そうです」
「だよな、やっぱり」
「ですが貴方達は違いますね」
「ちゃんとそうしたことはしてな」
 防寒対策、それをしたうえでというのだ。 
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