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ドリトル先生と奈良の三山

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第三幕その二

「だったら新鮮な海の幸は食べられないね」
「川なら別だけれど」
「海だとね」
「今は冷凍技術があるけれど」
「海だとね」
「お酢で保存したり干すのならともかく」
「それ以外だと」
「そう、お刺身もないから」
 それでというのです。
「こうしてね」
「全然違うんだ」
「奈良時代の日本の食事は」
「今とは違うんだ」
「江戸時代の和食とも」
「そうだよ、江戸時代の和食は今の時代の和食と殆ど同じだけれど」
 それでもというのです。
「これがね」
「ないんだ」
「そうなんだ」
「それじゃあ」
「それでなんだ」
「こうしてなんだ」
「今とは全然違うんだ」
 先生はまた言いました。
「この様にね」
「ううん、成程ね」
「何か別の国のお料理かもって思ったけれど」
「それでいて日本の趣あるし」
「しっかりとね」
「不思議なお料理って思ったけれど」
「そうした理由があったんだ」
「そうだよ、それでね」
 さらにお話した先生でした。
「献立も面白いね」
「赤いお米や黒いお米があって」
「お魚の干物にね」
「山菜も使ってて」
「お酢で味付けしたものに」
「あと濁ったお酒だね」
 他には赤いお米で造ったお酒もあります。
「この白いお酒ね」
「これ濁酒だよね」
「それだよね」
「そうだよ、この時代は清酒もなかったからね」
 お酒も違っていたというのです。
「こうしてね
「濁酒だったんだ」
「当時のお酒は全部」
「そうだよ、全部ね」
 それこそというのです。
「こうしたお酒だったんだ」
「甘いよね、濁酒って」
「そうだよね」
「清酒に比べてね」
「そうだよね」
「そうだよ、これは白酒といってね」
 そのお酒の名前もお話するのでした。
「やっぱり江戸時代まではね」
「こうしたお酒だったんだ」
「当時は」
「江戸時代までは」
「そうだったのね」
「そう、お酒もね」
 こちらもというのです。
「江戸時代から変わったんだ」
「何でも江戸時代だね」
「日本は江戸時代で大きく変わったんだ」
「そうだったんだ」
「その頃に」
「そうなんだ、食生活も服も他の文化もね」
 その全てがというのです。
「変わったんだ」
「じゃあ江戸時代の前の日本って」
「私達がしてる日本とはまた違う」
「それもかなり」
「そうなんだ」
「そうだよ、お米は前にお話したけれど」
 先生は赤いお米や黒いお米のお話もしました。 
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