ドリトル先生と奈良の三山
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第三幕その一
第三幕 大仏さんのお姿
ホテルで、です。先生達は日本の奈良時代の食卓を前にしていました、山海の珍味が揃っていますが。
そのお料理を観てです、動物の皆は少し驚いたお顔で言いました。
「違うね」
「うん、今の和食とね」
「何かね」
「違ってるよね」
「お醤油少なくない?」
「生ものもなくてね」
「天婦羅とかもなくて」
和食のそうしたものがなくてというのです。
「違和感あるね」
「こうしたお料理だったんだ」
「日本の奈良時代のお料理って」
「お酢とかお塩で味付けしてる?」
「お醤油かなり少なくて」
「お味噌もね」
「そう、お味噌やお醤油はね」
先生はそうした奈良時代の食卓を見つつ皆にお話しました。
「当時は殆ど使っていなかったんだ」
「そうだったんだ」
「この頃の日本のお料理は」
「和食ってお醤油とお味噌のイメージあるけれど」
「それでもなんだ」
「この時は違っていたのね」
「そうだよ、どちらもかなり高価だったんだ」
当時の日本ではというのです。
「お味噌もお醤油もね」
「和食の代名詞なのに」
「それでもなんだ」
「当時は凄く高くて」
「あまり使われていなかったの」
「そうだよ、後ね」
それにというのです。
「お刺身や天婦羅がないのはね」
「和食の定番だけれど」
「どっちもね」
「お寿司と並んで」
「そうだけれど」
「そういうものが定着したのは江戸時代からだよ」
この時代からというのです、奈良時代から観て千年位後です。
「お刺身がおおっぴらに出回って天婦羅もそうなって今みたいなお寿司が出て来たのも全部ね」
「江戸時代なの」
「そうだったんだ」
「お味噌やお醤油もだよ」
こうしたものもというのです。
「今みたいに普通になったのは戦国時代から生産力が上がって」
「日本自体の」
「作物のそれが」
「そう、大きくね」
まさにというのです。
「変わって。お味噌やお醤油の原料の大豆が増えて」
「ああ、大豆ね」
「この時は大豆が少なかったんだ」
「奈良時代は」
「それでなんだ」
「そうだよ、あと天婦羅はね」
こちらのお話もするのでした。
「食べものを油で揚げるのは欧州から伝わった食べ方で」
「あっ、じゃあそれも戦国時代から」
「戦国時代に欧州からの人達がはじめて日本に来たから」
「それでだね」
「天婦羅もその時になんだ」
「出て来てなんだ」
「そう、江戸時代でね」
まさにこの時代でというのです。
「定着したんだ」
「そうだったんだ」
「江戸時代からだったんだ」
「天婦羅にしても」
「その頃からなんだ」
「そう、お刺身はその前からあったけれど」
今度はお刺身のお話でした。
「やっぱり江戸時代からだよ」
「普通に食べられる様になったの」
「そうだったんだ」
「そちらも江戸時代からで」
「それまではだったの」
「特にここは海から離れているね」
奈良はというのです。
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