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ガンダム00 SS

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ep18 ポジションチェンジ

 
前書き
アロウズの兵士としてCBと戦ったイノベイター、リヴァイヴ・リバイバルのショートストーリーです。 

 
宇宙

アロウズの対ソレスタルビーイング追撃艦隊の1番艦。イノベイターたちの待機場所はそこに決められている。

リヴァイヴ・リバイバルは更衣室でパイロットスーツに着替えていた。これからソレスタルビーイングへ再び攻撃を仕掛けるためだ。

ブレイク・ピラー事件以降、アロウズの作戦行動は幾度となく続いている。2機目の衛生兵器『メメントモリ』を破壊した後、ソレスタルビーイングは宇宙を航行している。アロウズはそんな彼らを追っていた。

ソレスタルビーイングの位置を把握し、的確に攻撃することができるのはリヴァイヴの力のおかげだ。GN粒子を触媒とした意思伝達能力ーー脳量子波を使い、敵の中にいる同類イノベイターから情報を得る。

ーー部隊が動けるのは私がいるからに他ならない。

リヴァイヴはヘルメットを片手に更衣室を出て、MS格納庫へ向かう。すでに情報は指揮官であるアーサー・グッドマン准将に上げている。

ふと後方に同類の気配を感じ、リヴァイヴは振り向く。そこにいたのはやはりヒリング・ケアだった。

「さすがリヴァイヴ、鼻は誰よりも良いのね。あたしこっそり近づいたのに」

「何だと?」

「冗談よ。ねえ、それよりも今回の作戦はポジション変えてみない?」

唐突な切り出しにもリヴァイヴはさして反応せず、先を進む。ヒリングの声が後ろから聞こえてくる。

「どうしてって聞かれても、理由は特にないわ。けどリヴァイヴいつも同じ機体に乗ってて飽きないかなって思ってさ」

「飽きるも何もない。私がガデッサでヒリングはガラッゾ。それで構わないだろう」

すると、ヒリングのククッという小さな笑いが聞こえ、次いでヒリングの脳量子波を受け取る。

「……」

リヴァイヴは立ち止まり、顔をしかめてヒリングに言った。

「私が接近戦に自信がないだと?バカにしてるのか?」

「じゃあ変えてみる?」

「良いだろう」

ヒリングは心底楽しそうに笑いながらリヴァイヴを追い越していった。



アロウズの巡洋艦から、リヴァイヴが搭乗するガラッゾが射出される。

機体は『"ガ"シリーズ』の近接戦闘特化型だ。そのためガデッサと基本的なシステムは変わらない。操作に問題はなかった。

「それに、私はイノベイターだ」

ヒリングの挑発を買った流れで普段乗らない機体に乗っているが、リヴァイヴは人間よりも優れた存在であるという自負がある。初歩的なことでミスをするはずがないのだ。

ヒリングから音声通信が入る。

『じゃあフォーメーションはいつもと逆ってことで』

「ああ。分かっている」

やがて、ソレスタルビーイングの輸送艦『プトレマイオス2』と敵MS4機の姿が捉えられる。リヴァイヴは作戦に従って敵の陣地へ接近していく。

「ヒリング、我々の狙いはティエリアだ」

『オッケー』

リヴァイヴのガラッゾは重装した機体ーーセラヴィーガンダムにGNビームクローを斜め切りしようとする。だが、攻撃が当たる直前にセラヴィーはGNフィールドを展開して防御に回る。

ヒリングの楽しげな声が聞こえてくる。

『そんな守りが通じると思って!』

その途端、後方からGNランチャーの高出力ビームが放たれる。それはセラヴィーのフィールドの一点に集中し、やがてフィールドを突き破った。セラヴィーは左腕を失ってしまう。

「あとは私がケリをつける」

リヴァイヴはガラッゾのGNビームクローでセラヴィーに斬りかかる。一方の敵は砲門から手を生やし、ビームサーベルを計3本発生させた。

「予定通りだ!」

接近戦で動きを止めたセラヴィーに、ヒリングのガデッサがGNランチャーの照準を定めた。

だが、そこで別のガンダムからの攻撃が加わった。ケルディムガンダムの長距離射撃がガラッゾに狙いを定めていた。リヴァイヴは止むを得ずセラヴィーから離れ、敵から距離を取る。

そして、リヴァイヴはいつも通りビーム攻撃を撃とうと構えるがーー。

「……くっ!」

リヴァイヴが今乗っている機体はガラッゾで、GNランチャーは装備していない。それなのにいつもの戦法とばかりに、距離を取ってから射撃を行おうとしてしまったのだ。

一瞬の隙は相手にとってチャンスとなった。ケルディムに気を取られていたばかりに、セラヴィーの砲門が全てこちらを捉えていることに気づけなかった。

高濃度粒子によるビーム攻撃がガラッゾの半身を焼き、リヴァイヴはコアファイターでの脱出を余儀なくされた。

あまりにも単純なミスに、リヴァイヴは堪らず拳をコクピットに向けて叩きつける。

『ちょっとリヴァイヴ、何やってんのよ』

「……悪かった。私の見落としだ」

だが、こんな凡ミスは通常でなければ起こり得なかったはずだ。リヴァイヴはそう自分を合理化し、母艦への帰還ルートを辿っていった。

終 
 

 
後書き
オムニバス短編は次回で終わりです。よろしくお願いします。 
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