レーヴァティン
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第三十四話 大魔術師ガンダルフその十二
「聖職者としてどうか」
「遊び人かよ」
「だから学識だのはあるのじゃ」
それはとだ、ガンダルフは彼等に話した。
「そうしたことは真剣で真面目じゃが」
「遊びにもか」
「そっちは溺れてのう」
「性格破綻者か?」
正は思わずこう言った。
「その坊さん」
「ううむ、そうやもな」
ガンダルフも否定しなかった、というか出来なかった。
「のめり込み歯止めが利かぬからのう」
「だからか」
「言われればわしもそう思う」
「そう思うよな、やっぱり」
「しかし学識と法力と洞察は確かじゃからな」
それでとも言うガンダルフだった。
「会ったら用いるのもよいぞ」
「政治を助けてくれるか」
「そうじゃ、まあ会ったらじゃ」
その時はと久志に話した。
「そうしてくれ」
「まあな、政治家は能力だからな」
久志はガンダルフのその言葉にこう述べた。
「石部何とかじゃ出来ないとかないからな」
「品行方正で政治家として優秀だったら苦労しないよ」
源三もこう言う。
「そうした人ばかり選挙で選べばいいから」
「そうだよな」
「そうそう、そんなこと言う漫画家いるけれど」
「テレビに出てな」
「そう言う自分はどうなんだろうか」
「まあ見てて馬鹿で人間性も屑でついでに漫画読んだけれどな」
久志は最初から酷評だった。最早それは全否定だった。
「下らなかったな」
「読んでも時間の無駄だったんだ」
「ああ、それこそな」
そうした代物だったというのだ。
「そんな奴の言うことだしな」
「そうそう、聞く価値ないね」
「やっぱり政治家はな」
「資質じゃからな」
ガンダルフも言う。
「だから会った時はな」
「ああ、ちょっと本人と話をしてな」
「決めるな」
こう言うのだった、そしてだった。
一行は話が終わるとガンダルフの家を出た、老魔術師は一行を笑顔で送ってくれてお互いに手を振り合って別れた、そうして北に向かう為にまずは山を下りたが。ここで進太が久志に真剣な顔で言った、
「馬と驢馬の為にも」
「ああ、防寒はな」
「用意しておきましょう」
「だよな、馬も驢馬も生きてるからな」
「寒暖を感じるでござる」
「だから馬の防寒の用意もしておきましょう」
「そっちも用意するか」
久志も同意して頷く、一行は万全に万全を期して北の極寒の地に向かうことにした。六人目の仲間を探し自分達に加える為に。
第三十四話 完
2017・9・16
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