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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1910話

 
前書き
昨日暁の方でトラブルがあって投稿が反映されてなかったので、今日は2話投稿となります。
この1910話の前にも17時50分に1909話を投稿していますので、最新話から直接来た方は1話前からどうぞ。 

 
「イオ、ガル!」

 その言葉と共に、召喚されたイオはガルを放つ。
 ガルという魔法そのものは、シャドウの中にも使う奴はいる。
 けど、正直……こうして見ている限り、明らかにイオのガルはシャドウが使うガルとは威力が違っていた。
 言うなれば、同じ魔法であってもそこに込められている魔力が違えば、威力も違うという事だろう。
 例えば1の魔力を込めたガルと3の魔力を込めたガル。
 そのどちらが勝つのかは、考えるまでもなく明らかだ。
 込められる魔力をある程度自由に出来るというのは、大きいよな。
 ……初級と上級の魔法がぶつかった場合、そこに込められた魔力によっては初級の魔法が勝つという事も有り得る訳だ。
 勿論、実際には初級ではなく、より上位の魔法を使った方が効率はいいのだろうが。
 ただ、相手との力の差を明確にするという意味では、その方法も決して悪い訳ではないと思う。

「カストール、ぶちかませ!」

 荒垣の召喚したカストールが、敵に向かって突っ込んでいく。
 その先には堕落の塔が3匹いたのだが、カストールの突撃を防ぐ事は出来ず、回避しるにも時間が足りず、結果として纏めて吹き飛ぶ事になってしまう。
 イオの突撃がその質量を活かした棍棒の如き一撃だとすれば、カストールの突撃は同じ突撃という攻撃方法ではあっても、カストールの乗っている馬に生えている鋭く長い角により、槍の如き一撃という印象を受ける。
 ……あ、荒垣が倒れた堕落の塔を蹴飛ばしてる。
 いやまぁ、堕落の塔はトーテムポールに似ているシャドウだし、そういう意味では蹴り飛ばしやすいのかもしれないが。
 ともあれ、そんな風に戦いは続き……シャドウレイヴンと堕落の塔、合計六匹のシャドウは比較的あっさりと全滅する事になった。
 現在俺達が活動しているのは、27階。
 そもそも、昨日25階までクリアしたのだから、本来なら今日は休みの筈だった。
 それが何故かゆかりからの提案により、昨日に引き続き今日までタルタロスに挑む事になってしまった訳だ。

「おい、アルマー。何で岳羽の奴、あんなに苛ついてるんだ?」

 タルタロスを歩いていると、隣の荒垣が近づいてきてそう尋ねてくる。
 ちなみに、以前は荒垣が戦闘をしていなかった事もあり、ゆかり、俺、荒垣という隊列だったが、今はその荒垣もペルソナを使って戦闘を行っている。
 結果として、荒垣、ゆかり、俺という隊列に変わっていた。
 ……普通に考えれば、弓を武器にしている後衛のゆかりを前衛に持ってきていた時点で色々とおかしかったんだよな。
 そう考えると、前衛として荒垣が入ったのはバランス的にも丁度いいのだろう。
 結果として俺が一番後方に配置される事になったが、俺の場合は基本的に炎獣でゆかりの護衛をするか、本当にどうしようもなくなった時に行動に移すだけなので、特に問題はない。

「何でだろうな。正直なところ、ゆかりがあんなに好戦的になっている理由が、俺には理解出来ない。多分今日の勉強会が何か関係してるんだとは思うんだが」
「……勉強会?」

 予想外の言葉を聞いた、と言わんばかりの荒垣。
 まぁ、不良で学校にすら行ってない荒垣にとって、テストというのは身近なものではないのだろう。

「ああ。順平も含めて、友人が馬鹿ばっかりでな。それで頼まれて勉強を教える事にしたんだが……」
「それに岳羽を巻き込んで、機嫌が悪くなったのか?」
「いや、最初はそうでもなかったんだが、話の流れで桐条がこれから俺の食事を用意するって話になったら、機嫌が悪くなった」
「……桐条も一緒だったのか。にしても、何がどうなればそんな話になるんだよ」

 呆れの視線をこっちに向けてくる荒垣。
 いやまぁ、その気持ちは分からないでもない。
 ただ、話の流れで自然とそんな話になった、としか俺からは言えないが。
 ともあれ、それが理由でゆかりの機嫌が悪くなったのは間違いない。

「ちょっと、アクセル! 荒垣さんも! 何してるの、さっさと行くわよ!」

 そう告げるゆかりに、俺達が逆らうことが出来る筈もない。
 俺の場合はゆかりの機嫌が悪くなった原因なので、もしここで俺が何かを言えば、余計にゆかりの機嫌が悪くなる可能性がある。
 荒垣の方は、それこそ触らぬ神に祟りなしと言わんばかりに、自分から面倒に関わるような真似はしない。
 ただ、荒垣の場合は本当に俺が何か危険な風になると思えば、その面倒見のよさから助けてくれる気もするが。
 ともあれ、そんな感じでゆかりに引っ張られるようにタルタロスの中を進んでいく。
 26階でシャドウとかがもっと出て、ゆかりのストレスを発散出来ればよかったんだろうが……残念ながら、26階では殆どシャドウとかが出る事もなく、階段に到着してしまった。
 7000円と幾つか魔法の封じられている宝石を入手出来たのは、それなりに収穫だったと言えるだろうが。
 ともあれ、そんな感じで27階を探索してたのだが……

「お、レア宝箱だ」

 通路を進んでいると、光り輝いている宝箱を発見する。
 レア宝箱は、レアだけに中に入っているのは基本的に非常に希少な品が一般的だ。
 そして当然のように、宝箱を開けるのは俺の役目な訳だ。
 ……これまでの経験から考えると、基本的にタルタロスの宝箱ってのは罠が仕掛けられているとは思えないんだけどな。
 それでも、やっぱり万が一を考えると、選択肢は俺って事になるのだろう。

「……人形?」

 宝箱の中に入っていたのは、中指くらいの大きさの人形。
 ただし、よくあるようなアクセサリ的な人形ではないのは、その形を見れば明らかだった。
 何しろ、大まかには人の形をしているものの、顔があったりする訳ではない。
 のっぺらぼう、と。そう表現するのが相応しい人形なのだから。
 勿論レア宝箱の中にあったのを考えると、何の意味もない人形って事はないんだろうが……それでも、この人形がどんな意味を持つのかというのは全く理解出来ない。
 魔力を感じるって事は、多分何らかのマジックアイテムで間違いはないのだろうが。

「どうだった?」

 そう尋ねてくるゆかりに、人形を見せる。
 すると、ゆかりが少しだけ驚きの表情を浮かべ……やがて溜息を吐く。
 最初は人形だと見て、どんな可愛い……愛らしい人形なのかと思ったのだろうが、実際にはのっぺらぼうの人形だ。
 手とかも、指がある訳ではなくただ腕のような感じの物がついている、といった感じでしかない。
 それこそ、手芸とかを初めてやった奴が、何となく作ってみました……といった感じの人形だ。

「けど、レア宝箱に入ってたって事は、何らかの理由があるのは間違いないだろ?」

 荒垣の方は、人形を見ても特に表情を変えるような事はなく、そう尋ねてくる。
 まぁ、その強面から人形に詳しいとか、そんな事はまずないだろうし。
 それが普通なのだろう。

「そうだな。魔力があるから、間違いなく何らかのマジックアイテムなのは確かだ。ただ、問題は……」
「それがどんな効果を持つマジックアイテムなのかが、全く分からないって事か」

 荒垣の言葉に、頷きを返す。
 これも、桐条グループの方で調べて貰う必要があるだろうな。
 けど、この階に来て初めて出てきたマジックアイテムって事は、相応の性能を持っていてもいい筈だが。
 あ、でも宝箱の中身はランダムなんだし、実は結構前の階にあったのを、俺達が見つけられなかっただけって可能性もあるか?
 そんな風に考え……

「っ!? 気をつけろ!」

 瞬間、念動力による危険の察知が反応し、反射的に叫ぶ。
 このタルタロスで念動力が危険を察知するのは、これまでにも何度かあった。
 そして、全てが同じ相手からのものだった。つまり……

「死神だ!」

 そう、今まで幾度となく戦ってきた、死神。
 それでいて決着がついていない、そんな相手。
 純粋な実力では、間違いなく俺が勝っているという自信はある。
 だが、死神はこっちにとって未知の攻撃手段を使ってくる事もあり、それに対処している隙に逃げ出すのだ。
 ましてや、現在はゆかりと荒垣の2人がいる。
 それなりに実力は上がってきたが、それでもやはり俺から見れば実力不足でしかない。
 少なくても、死神とやり合えるかと言われれば……俺は即座に首を横に振るだろう。

「逃げろ! ここは俺に任せて、先に行け!」

 一瞬、もしかしてこれってフラグじゃ? とか思わないでもなかったが、現在の状況はそんな下らない事を考えていられるような余裕はない。
 とにかく、ゆかりと荒垣を死神との戦いに巻き込まないようにするのが、最優先だった。

「分かった。気をつけて、アクセル」
「ちっ、死ぬなよ」

 ゆかりと荒垣の2人は、短くそれだけを言うとその場から走り去っていく。
 あの2人のいいところは、見栄を張らないといったところだろう。
 死神がどれだけの強さを持っているのかをきちんと理解しているので、余計な事を考えずにすぐに撤退という判断が出来る。
 ……この辺り、順平とは違うよな。
 言っちゃなんだが、順平の場合は死神が出るというのを分かっていても、それで素直に逃げるような真似をするとは思えない。
 ある程度改善されているとはいえ、その辺りはまだまだなのだから。
 ともあれ、ゲイ・ボルグを手にし……ふと、まだ左手に先程レア宝箱から入手した人形を持っている事に気が付く。
 レア宝箱から入手した以上、何らかのマジックアイテムなのは間違いないだろうが……それでも、死神を相手に何かが出来る訳ではないのは間違いない。
 周囲を警戒しながら、人形を空間倉庫に収納しようとし……ふと、気が付く。
 俺の中にある念動力が、何かを教えている事を。
 死神の出現についてのものとは違う何か。
 その念動力は、何故かこの人形に向いているような気がする。
 何だ? 何でこんな人形に?
 そう戸惑ったものの、念動力というのは今まで俺を幾度となく助けてくれた存在だ。
 それこそ念動力の判断を信じないという選択肢は、俺にはない。
 その判断により、人形は空間倉庫ではなく、服のポケットにでも入れておく事にする。
 具体的にそれでどうなるのかは分からないが……それでも、これで何か不利になっても、俺は後悔しないだろう。
 ともあれ、俺はその判断についてはそれ以上考える事はなく、ゲイ・ボルグを手に死神の登場を待つ。
 ……にしても、おかしいな。
 そうして死神の登場を待ちながら、ふと違和感を抱く。
 何故なら、死神が姿を現さない為だ。
 勿論、本来であれば死神にはそう容易く姿を現して欲しくはない。
 それこそ、ゆかりと荒垣がいる場所で姿を現されれば、その2人を庇いながら戦わなければならない俺だ。
 人を庇いながら戦うというのは、恐ろしい程の負担となる。
 特に、それが2人ともなれば尚更だろう。
 つまりそれは、逆に言えば死神にとっては明らかに自分に有利となるという事でもある。
 誇張でも希望的観測でも、ましてや妄想でもない事実として、俺と死神が正面から戦った場合、勝つのは間違いなく俺だ。
 物事に絶対や100%はないというのは分かるが、それを知った上でも、勝つのは絶対に俺となる。
 ましてや、死神はその辺のシャドウとは違ってかなりの頭の良さを誇る。
 つまり、死神が俺に勝とうと思えば、ゆかりや荒垣を戦いに巻き込む事が必須となる。
 ……いや、勿論他にも死神が俺に勝つ方法というのはあるかもしれないが、ゆかり達を戦場に引っ張り出すのが一番簡単で効果が高いのは間違いのない事実なのだ。
 なのにそれをやらない。
 それどころか、ゆかり達が俺から離れるのを待っているかのように、まだ姿を現す事はなかった。
 何故だ?
 そんな疑問が俺の中に生まれる。
 どこからどう考えても、死神がこの絶好の機会を見逃すのはおかしい。
 一瞬、もしかして俺じゃなくてゆかり達の方に攻撃をしようと考えたのか? という疑問も抱くが、すぐにそれを却下する。
 何故なら、念動力は相変わらず危険を知らせている為だ。

「何を考えている? ……出てこい!」

 相手の思惑が分からず、そう叫ぶ。
 すると次の瞬間、まるでその言葉を待っていたかのように空間が歪み、そこから死神が姿を現す。
 いつものように、銃身が異様に長い拳銃を両手に持つその姿は、武器の異様さもあって、相手に圧迫感を与える。
 もっとも、この場合の相手というのは俺であり、今まで幾度となくこの死神と相対してきたのだ。
 今更死神の姿を見ただけで、どうにかなる筈もないのだが。
 それでも改めて死神の姿を見れば、やはりどう考えても普通のシャドウと違う事は明らかだ。
 それは知性もそうだが、元々その身に宿している雰囲気そのものが大きく違う。
 そして当然だが、前回の怪我は既に完全に回復しているらしい。
 ……まぁ、腕を切断する怪我をしても、次に姿を現した時は全く問題ない風だったのを思えば、それも不思議ではないのだろうが。

「……さて、今日はいつもと違うようだが……どんな趣向がお望みだ?」

 そう告げる俺に、死神は黙って右手の拳銃の銃口をこちらに向けるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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