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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1911話

 死神の拳銃から弾丸が放たれるよりも前に、俺は行動に出る。
 瞬動を使い、一気に死神の懐に入り込んだのだ。
 だが、フェイト級の実力を持つ死神だけに、その程度の攻撃に対処するのはそう難しい話ではないのだろう。
 次の瞬間には、握っていた銃のグリップを武器として、俺に叩き付けようと振るってきたのだ。
 再度瞬動を使って後方に跳躍しながらそれを回避し、まだ身体が空中にあるうちに虚空瞬動を使って攻撃を回避した死神の懐に飛び込みつつ、ゲイ・ボルグを突き出す。
 変則的な三角飛びのような攻撃には、死神も意表を突かれたのだろう。
 それでも咄嗟に身体を捻り、直撃を回避する。
 ゲイ・ボルグの穂先は、死神が身体に巻いている鎖を破壊するも、身体に直接命中するという事はなかった。
 ちっ、相変わらず咄嗟の判断も見事と言うべきだな。
 おまけに、身体を捻った動きに合わせて、裏拳気味に俺の顔目がけて拳銃のグリップが迫ってくる。
 その一撃は握っていたゲイ・ボルグを手首の動きで回転させ、柄の部分で弾く。
 一撃を弾かれた死神は、だがその弾かれた勢いを利用して俺から距離をとった。
 ……相変わらず、かなりやるな。
 これで、何でゆかり達がいる時に俺の攻撃をしてこなかったのかが、微妙に疑問だが……まぁ、こっちにとっては幸運だったのだから、今はそれを考える必要もないか。

「メギドラオン」

 こちらから距離を取った瞬間、死神が使ってくる魔法。
 だが、その魔法は以前何度か見ている。
 純粋な魔力による爆発を起こす魔法。
 かなりの威力を誇る魔法で、しかも広範囲に影響を与える魔法ではあったが……一度見ただけに、それに対処する方法は把握している。

「加速」

 精神コマンドの加速と瞬動の2つを利用し、一気に移動速度を跳ね上げる。
 広範囲に高威力の純粋な魔力による爆発を起こす魔法。
 だが、その範囲が広範囲であっても、有効射程距離が無限という訳ではない。
 加速と瞬動という2つの移動方法がある俺にしてみれば、咄嗟にであっても回避するのは難しい話ではない。
 大きく死神から距離を取れば、メギドラオンの攻撃を回避するのは難しくはない。
 そして……それよりも更に安全度が高く、それでいて俺にとっては有利になる場所。それは……

「まさか、こうも簡単に懐に入れるとは思わなかった、だろ!」

 そう、幾ら高威力の魔法であっても、ゲームではないのだから当然その爆発に触れれば、自分もダメージを受ける。……いや、この世界の原作がゲームである可能性はかなり高いが。
 ともあれ、そんな理由でメギドラオンによる魔力の爆発は、死神には届かないように調整されていた。
 そうして死神の間合いに入った俺は、ゲイ・ボルグを使った突きを放つ。
 本来であれば、槍の突きというのは一定の間合いが必要となる。
 だが、この時の俺は、ほぼ密着状態から突きを放った。
 勿論そんな状態からの突きである以上、突きの威力を最大限に発揮するという訳にはいかない。
 それでも死神の胴体には大きな穴が開いたのは間違いなく、そのまま吹き飛ばされて……

「マハムドオン」

 だが、吹き飛ばされながらも、死神はその魔法を発動する。
 これは確か以前にも……ちっ、不味いか!?
 そう思って再び瞬動を使ったものの、メギドラオンの時とは若干条件が違う。
 広範囲に渡って生み出される闇。
 瞬動を使いはしたものの、それでも完全に回避する事は出来ず……俺の姿は闇に包まれ……次の瞬間、俺の姿は何事もなかったかのように闇の中を抜け出ていた。
 何も……ない?
 あの魔法は相手を闇に包んで視界を塞ぐという、ただそれだけの呪文なのか?
 そんな疑問を抱きつつ、ゲイ・ボルグを手に死神の方を見る。
 そこでは、何故か一切の攻撃を止め、ただじっとこっちを見ている死神の姿があった。
 鳩尾の辺りに大きな穴が開いているのは、先程のゲイ・ボルグによる一撃の効果だろう。
 その穴からは、まるで血のように黒い何かが零れ落ちているが……それでも、死神がそれを気にした様子はない。
 ただひたすら、じっとこっちを見ているだけだ。
 何だ? いつもであれば追撃を仕掛けてきたり、もしくはとっとと逃げ出したりしてもおかしくはない筈だが。
 今の死神は、ただ何もしないでこっちを見ているだけ。
 何をしたくて、こうしてるんだ?
 普段であれば、今の状況でこっちも攻撃をするのだが……向こうが妙な真似をしているせいで、攻撃をするにも出来ないという妙な状況になっている。
 いや、攻撃はしようと思えば出来るんだから、出来ないって訳じゃないんだろうが……この死神、本当に何をしようとしてるんだ?
 いや、そもそもこの死神は何なのかというのが、気になる。
 今まで遭遇したシャドウとは違い、文字通りの意味で桁違いの強さを誇る。
 その上、今こうして目の前に存在しているのを見れば分かるように、どの階であっても普通に姿を現す。
 ……ただ、疑問なのは桐条達がこの死神に遭遇してないって事なんだよな。
 今のところ、この死神が姿を現すのは決まって俺の前だけだ。
 この死神が何を考えているのか……そもそも、考える知能があるのかどうかすら、俺には分からない。
 いや、自分が不利になれば撤退するような真似をするんだから、知能があるのは間違いないんだろうが。
 ともあれ、攻撃してくる様子もなくこっちを見ている死神だけに、迂闊な攻撃は出来ずにじっとお互いを見つめ合う。
 不思議とこちらに対する敵意がないのは分かり……やがて、死神はそのまま消えていった。
 胸に穴が開いたから逃げたのか?
 そんな風にも思ったのだが、改めて考えるとそんな風にも思えない。
 何か、別の理由があるような……そんな感じがする。
 勿論だからといって、次に現れたらこっちも手加減するような真似はしないが。
 そう思っていても、やっぱり何か微妙な感じがして、俺の中には疑問が残る。
 まぁ、結局逃げてしまった以上、ここで俺が今更何を言っても意味はないのだろうが。
 そんな風に思いつつ、改めて周囲を見回す。
 当然、そこにはゆかりと荒垣の姿はない。
 そして、死神を恐れたのかこの階にいるのだろうシャドウの姿もない。

「取りあえず、戻るか。ゆかり達がターミナルを見つけたのかどうかは分からないが、エントランスで待ってればどうにかなるだろうし」

 そう言いながら、ふと気が付く。
 ポケットの中に違和感がある、と。
 いや、正確には違和感がないのがおかしい、と。
 死神との戦闘が始まる前に、俺はレア宝箱から入手した人形をポケットに入れた筈だった。
 だが、今ポケットに触っても、そこに人形があるようには思えない。
 いや、何かが入っているのは分かるのだが……それは人形とは明らかに違う。
 そんな疑問を抱きつつ、ポケットの中に手を入れる。
 そうして中に入っている物を取り出すと、そこにあったのは粉々に砕けた人形だった。
 勿論、本当の意味で粉々という訳ではない。
 手足とかがそれぞれ人形から外れて……壊れているというのが正しいだろう。
 ……もしかして、戦闘の中で激しい動きをしたのが、不味かったのか?
 実際、瞬動やら精神コマンドの加速やらを使ったし、ゲイ・ボルグを思いきり振るったりもした。
 だからこそ、もしかしてその動きに人形が着いてこられなかったのでは? と思ったのだ。
 だが、何となくそれは違うのでは? という思いがある。
 ……まぁ、取りあえず今はそこまで詳しい事を考える必要もないか。
 取りあえず、死神を撃退したのだと、そう覚えておけばいい。
 そう考え、俺は影のゲートを使ってエントランスに戻るのだった。





「アクセル! 無事だったのね」
「……無事か」
「アルマー……全く、心配させるな」

 影のゲートから出た瞬間、そんな声が周囲に響く。
 その声の主は、当然のようにゆかりと荒垣……なのだが、そこには全く当然といった顔をして、桐条の姿もあった。

「桐条? 今日も来てたのか?」
「ああ。伊織がストレスを溜めていたようだからな。その解消の為にも」
「あー……なるほど」

 そのストレスの原因というのが何なのかは、考えるまでもなく明らかだ。
 間違いなく、俺の家でやった勉強会だろう。
 ゆかりに、これ以上ない程熱心に、じっくりと、スパルタで勉強を教えられた順平だ。
 当然のように勉強は捗ったが、こちらもまた当然のようにストレスが溜まったのだろう。
 そう考えれば、シャドウを倒すというのは思い切り身体を動かす事で、ストレス解消にはもってこいなのは間違いない。
 それを目的にしてタルタロスに来るのはどうかと思うが……まぁ、ストレス解消以外に、少しでも実力を付けてこちらとの差を縮めたいと、そういう思いがあってもおかしくはない。

「それで、アクセル。見た感じ無事だったようだけど、怪我とかはないのよね?」

 俺と桐条の言葉に割り込むように、ゆかりがそう告げてくる。
 あー、俺を心配して声を掛けてきたのに、それをスルーして桐条と話してたからな。
 あまり面白くないと思ってもおかしくはない。

「ああ、取りあえず問題はない。……ただ、今回も死神を倒す事は出来なかったな。一応胴体に大きな穴を開けたんだが、それでも平気な顔をして逃げられたよ」

 勿論死神の表情というのはしっかり分かる訳ではない。
 だが、胴体に穴を開けられても特に苦しんでいるような様子は見えなかった。
 それはつまり、胴体に穴を開けられても致命傷ではないという事だろう。
 ……まさか、実は致命傷だったけど痩せ我慢をしてただけってのはないだろうし。
 でも、黒い塵のような物が穴の開いた場所から漂っていたのを思えば、全くの無傷って訳でもないんだろうけど。

「胴体に穴って……その死神、本当に倒せるの?」
「さて、どうだろうな。何度か戦った限りだと、痛みとかそういうのはあるように思えるし、向こうにとって不利になれば撤退するような真似をしてるって事は、そのまま戦っていれば自分が死ぬと、そう理解しているからこその行動だとは思っているけど」

 今日撤退したのは、必ずしも胴体の傷が原因という訳ではないのは間違いない。
 だが……あの奇妙な感覚は、今はゆかりに言わない方がいいだろうと判断する。
 言えばきっと心配させるだけだろうし。

「うーん……でも、こう頻繁に死神が出てくるようだと、ゆっくり探索もしてられないわよね。桐条先輩達の方では、死神と遭遇してないんですか?」
「ああ、幸いな事にな。……アルマーが死神を引きつけてくれているのであれば、こちらとしては助かっているのだが」

 あー、それはあるかもしれないな。
 あの死神は、どう考えても普通のシャドウとは違う。
 明らかに俺という存在を狙ってきているのだ。
 勿論その理由に心当たりはある。
 俺がペルソナ使いではないとか、そもそも人間ですらないとか、それ以前にこの世界の人間ですらないとか。
 普通であればペルソナ使い以外の件は感じ取れたりはしないだろうが、死神という事で、何でもありのような気がしないでもない。

「まぁ、今のところはあの死神とまともにやり合えるのは俺だけだしな。そう考えれば、死神が俺に執着してるってのは、決して悪い事じゃないと思うぞ」
「……そうね。ただ、死神が出る度に私と荒垣さんがアクセルから離れないといけないのは、色々と問題があると思うわ。一応アクセルがいなくてもシャドウとは戦えるけど……」
「そうだな。アルマーがいねえと、やっぱりいざって時の安心感がねえしな。……もっとも、その辺りは俺達がまだ未熟だからこそだろうが」

 そう言うものの、荒垣の場合は言葉以上に緊張したのは間違いないだろう。
 何故なら、荒垣のペルソナのカストールは暴走する危険性があるのだ。
 今の荒垣が俺と一緒のパーティを組んでいる理由の1つは、カストールが暴走しても俺ならそれを止められる、というのがある。
 俺がいない場所でカストールが暴走した場合、それをゆかりのイオでそれを止める事が出来るかと言われれば……微妙だろう。
 勿論ゆかりは現在最強のペルソナ使いだ。
 だが、暴走しているカストールは、時にはゆかりの操るイオ以上の力を発揮しても珍しくはない。
 そうなれば、倒す事は出来ても取り押さえるのは難しいだろう。
 荒垣がペルソナを使うのは、まだ俺が側にいる必要があるのは間違いない。
 そう思いながら荒垣の方を見ると、荒垣は俺が何を言いたいのか理解したのだろう。
 ふん、と不機嫌そうに顔を背ける。
 そんな荒垣の様子を眺めながら、俺は次に死神と遭遇した時にどう行動すればいいのかを考える。
 胴体に穴を開けても死なないのだから、耐久力という点ではその辺のシャドウを大きく上回っている。
 となると……いっそスライムを出すか?
 けど、出来ればスライムはまだ秘密にしておいた方がいいような気がするんだよな。
 ……そんな風に悩みながら、取りあえず今日はタルタロスの探索を終えるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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