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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1901話

 結局ハイレグアーマーの一件は、後回しとなってしまった。
 一時期は本気でゆかりがイオを召喚して抵抗しようとしたので、しょうがない。
 そんなゆかりを何とか宥め、俺達は次々とタルタロスの階層をクリアしていく。
 ……その原動力に、ゆかりにハイレグアーマーを着せることが出来なかった俺と順平の無念や、ゆかりの羞恥心からの暴走のイオ無双があった事は、言うまでもない。……と、ムッツリ荒垣。
 ただ、ゆかりにハイレグアーマーを着せる事は出来なかったのは残念だったが、悪い事ばかりじゃない。
 順平の態度が、明らかに軟化したのだ。
 勿論ここまでの戦いでその傾向があったのは間違いないが、ハイレグアーマーの件でそれはかなり進んだ。
 ……うん、エロって強いな。
 順平との関係を改善するには、そっち関係から攻めればよかったのか?
 まぁ、この年代の男というのは女の事になればそちらに強い興味を持つのはおかしくはない事だし、寧ろ当然の結果なのかもしれないが。

「イオ! ぶちかましなさい!」

 その言葉と共にイオが召喚され、まるでゆかりの怒りが乗り移ったかのように、シャドウに向かって突っ込んでいく。
 24階までやって来たのだが、イオの突撃にシャドウは為す術もなく蹂躙されていく。
 ……イオもペルソナではあっても女だから、もしかしてゆかりと同じ苛立ちを抱いていたりするのか? もしくはゆかりに召喚された事で、ゆかりの抱いている苛立ちがそのままイオの中にあるのかもしれない。
 そんな風に思ってしまう程、イオの攻撃は激しい、
 タルタルスの壁にぶつかるようなことは一切考えていないだろうそんなイオの一撃は、容易に新たなシャドウ……ハイレグアーマーの場所で出てきた、ライオンと鉄球のシャドウ――それも2匹――を跳ね飛ばす。
 まさに、イオの本領発揮といったところか。
 ……いや、イオの本来の能力って、魔法とかを使った回復役とかだと思うんだけど。

「なぁ、アクセル。ゆかりッチ……ちょっと怒ってないか?」

 背筋に冷たい氷でも入れられたかのように、微かに震えながら尋ねてくる順平。
 俺に対する対抗心とかが完全になくなったって訳でもないんだろうが、それでもかなり俺への態度は柔らかくなっている。

「まぁ、ゆかりは元々気が強いからな。ゆかりにしてみれば、あのハイレグアーマーを装備するってのは、有り得ない選択肢なんだろうな。……けど、何だかんだと、防御力はかなり高い防具なんだが」
「そうなのか? 本当にそんなに防御力が高いのか?」

 順平の言葉に、俺は頷きを返す。
 実際、その見かけとは裏腹に、このハイレグアーマーの性能はかなり高い。
 少なくても、現在ゆかりが装備しているような、簡単なプロテクターの類よりは上だろう。

「ゆかりが装備するのが嫌だとなると……残ってるのは桐条か?」
「ばぁっ! な、何言ってるんだよお前! 桐条先輩にこんなの着せるとか……見てみたいっちゃあ、見てみたいけどよ」

 ゆかりも17歳という年齢で考えれば、かなり大人びた身体をしている。
 だが、それでもゆかりを見ても女子高生……もしくは女子大生といった風に見える事はあっても、以前お好み焼き屋で私服姿の桐条を見て他の客が社長秘書といったように、どうしても大人びた外見という意味では、桐条が勝る。
 それだけに、ハイレグアーマーを桐条に着せれば似合うと思うんだが……

「止めておけ」

 そんな俺と順平の会話に割り込んできたのは、黙ってゆかりの戦闘の様子を見ていた荒垣だった。
 ムッツリ気味の荒垣だったが、桐条にハイレグアーマーを着せるのは反対なのか?
 そんな疑問を抱いて視線を向けるが……何故か、荒垣が浮かべていたのは、不安そうな表情だった。
 それどころか、自分達の行動が桐条に見られたりしていないのを確認するかのように、周囲を見回している。
 何だ? 普段は何があっても動じないだろう荒垣が怖がっている?

「どうしたんだよ」
「……いいから、止めておけ。それがお前達の為だ。もし桐条に、あんな防具を身につけろと言ってみろ。間違いなく……死ぬぞ」
「死ぬっ!?」

 俺の隣にいた順平が、驚愕の声を発する。
 まぁ、いきなり死ぬとか何とか聞かされれば、それもおかしな事じゃないと思うんだが。

「それで? 死ぬって、何かの比喩表現か? まさか、本気で桐条が俺達を殺そうとするとは思えないんだが」
「……そうだな、本当に殺そうとするかのかは、俺にも分からねえ。だがな、間違いなく最悪の結末を迎える事になるのは間違いねえ」

 それが遊び半分でも何でもなく、正真正銘俺と順平に対する忠告の為に言っているというのは、荒垣の雰囲気で十分に分かった。
 もっとも、具体的に何をどうするのかといった事を口にしていない為に、不安を煽るが。

「アクセル、倒したわよ! 次はどうするの!」

 俺達が話している間に、ゆかりは既にあのライオンを2匹倒したのだろう。
 次はどうするのかと、戦意旺盛な様子で聞いてくる。
 ……いや、戦意旺盛とかじゃなくて、ハイレグアーマーの件で怒ってるだけだと思うのだが。

「あー、分かった。ちょっと待て。……そんなにハイレグアーマーが嫌だったのか?」
「当然でしょ! 何だって、あんないかがわしい装備を着なきゃいけないのよ!」
「そう言ってもな。実際に防御力が高いのは間違いないんだが」
「……それでも、せめてもう少し大人しいデザインなら、考えないでもなかったんだけどね。いっそアクセルが着てみる? そうすれば、私がどんな気持ちだったのかが分かると思うけど」
「そう言われてもな。あれはどこからどう見ても、女用だし」
「別に男が女物を着ちゃいけないなんて事はないと思うけど?」

 そんな風に言い合いをしながら、俺達はタルタロスの中を進んでいく。

「……そう言えば、本当に今更だけど、20階で小ボスが出てくる事はなかったな」
「小ボス? ああ、番人か」

 俺の言葉に、順平が一瞬何を言ってるのか分からないといった様子で首を傾げたが、すぐにそう告げてくる。

「番人? 小ボスの事を、そっちではそう呼んでるのか?」
「ああ。まぁ、桐条グループの方で勝手に付けた名前なんだし、どっちでもいいと思うけどな」
「小ボス……番人……そうだな、俺達と桐条達で名前が違うのは色々と面倒臭いし、俺達もこれからは小ボスを番人と呼ぶか」
「いいのかよ? 元々小ボスの存在は、アクセル達が先に見つけたんだろ? なら、普通に考えれば、アクセル達の小ボスって名称の方が正式なものじゃないのか?」

 あっさりと俺が番人という名称を認めたのが意外だったのか、順平が驚きの視線をこちらに向けてくる。

「まぁ、小ボスって名前に愛着がある訳じゃないしな」

 実際、取りあえず便宜上で小ボスという名前を付けたのであって、どうしても小ボスと呼びたい訳じゃない。
 他に何かそれに相応しい名前があるのであれば、それを使っても全然構わない。
 これが、もしニーズヘッグやゲイ・ボルグのように思い入れのある代物の名前を、桐条グループの都合で変えろと言われれば、それこそ絶対にお断りだ。
 いざとなれば、桐条グループと敵対姿勢をとってでも、俺は抵抗するだろう。
 だが、小ボスにはそこまでの思い入れはない。
 である以上、俺にとっては名前が多少変わるくらいであれば、何の問題もない訳だ。

「……まぁ、アクセルがそれでいいならいいけどよ。俺だったら、嫌だけどな」

 そんな風に呟く順平だったが、この話題はこれで終わりという事になり、改めて小ボス……いや、番人についてのは話題になる。

「今までは、多少の差異はあっても、大体5階間隔くらいで番人はいた訳だけど、ここでは20階を超えても番人のシャドウが出てくる様子はない。となると、5階ずつってのは、16階までの限定で、そこから上はまた違うのか」
「どうかしら。ここが24階よね。なら、もしかしたら25階に番人がいる可能性は否定出来ないんじゃない?」

 ゆかりの言葉に、俺は天井を見る。
 いっそ、このまま天井をぶち抜いて25階を始めとした上の階に上っていくという方法も、ない訳じゃないんだよな。
 勿論、そんな真似をすれば原作の流れに思い切り介入してしまう事になるんだが。

「階段を見つけたら、一応……噂をすればなんとやらだな」

 喋りながら通路を曲がると、すぐそこには階段があった。
 上に続く階段。
 もしかしたら番人がいるかもしれない、25階に続く階段だ。

「フラグだな。アクセルがああいう事を言うから。まぁ、でも、階段を探して歩き回る必要がなくなったのは、運が良かったんじゃないか?」

 順平が階段を見ながら、そう告げてくる。
 実際、わざわざ階段を探し回る必要がないというのは、こっちも楽が出来るのは間違いない。
 だが、それでも……こうも都合よく階段が姿を現すというのは、誰かの作為的な意思を感じてしまう。
 勿論、実際にはそんな意思とかはないんだろうが……
 ともあれ、このままここで大人しくしているという選択肢はない。
 そんな訳で、俺達は25階に向かって階段を上っていき……

「あ、やっぱりな」

 階段を上がった時点で、理解してしまう。
 何故なら、そこには番人シャドウがいる特有の雰囲気のようなものがあった為だ。
 そうして階段を上がってそのまま進み……やがて、視線の先に大きめの部屋が見えてくる。
 ちょうどハイレグアーマーの入った宝箱があったような、そんな大きさの部屋。
 そこには、テーブルが3つ存在していた。
 ……当然こんな場所にあるテーブルである以上、ただのテーブルという訳ではないのだろう。
 事実。そのテーブルはこっちの姿を確認すると、すぐに臨戦態勢に入ったのだから。
 テーブルが臨戦態勢に入るって、どんなだよ、と思わないでもなかったが、そういうシャドウだとすれば納得するしかない。
 テーブルの上は赤いテーブルクロスが敷かれており、テーブルからはみ出しているテーブルクロスに、シャドウとしての顔がある。
 そしてテーブルクロスの上には、杖や長剣、松明といったものが浮かんでいた。
 どうやってそれを浮かばせているのかというのは、気になるが……それもシャドウの能力だと考えれば、納得するしかない。
 大部屋に俺達が入る前から、3匹のテーブルのシャドウはこっちの様子を窺っている。
 今までの経験から考えると、この大部屋に入った時点でシャドウは襲い掛かってくるのだろう。
 わざわざそんな事をしなくてもいいとは思うのだが、シャドウはシャドウで色々と決まり事……もしくは習性とかがあるのだろう。
 勿論それはこっちにとってはありがたいので、文句を言うまでもないが。

「俺が1匹、荒垣が1匹、ゆかりと順平が1匹ってところだな」
「俺ッチはゆかりッチと一緒かよ」
「何よ、文句あるの?」

 不服そうな様子の順平に、未だにハイレグアーマーの件で不機嫌なゆかりが、鋭い視線を向ける。
 その視線を向けられた順平は、すぐに自分の言葉を撤回し、左右に首を振る。
 俺は1人で大丈夫だし、荒垣の場合は下手に組ませると暴走の危険性がある。
 そう考えれば、やっぱりゆかりと順平が一緒に組むのが最善なんだよな。

「よし、じゃあ……行くぞ」

 そう告げ。俺はゲイ・ボルグを手にして大部屋に入る。
 瞬間、それを待ってましたと言わんばかりに、大きめの炎が飛んでくる。
 17階から上に出てくるペルソナが時々使うようになった魔法、アギラオだ。
 恐らくアギの1段階上、アギが初級魔法だとすれば、中級魔法といった感じだろう魔法。
 テーブルのシャドウは3匹が一斉に俺に向かってそのアギラオを放ったのだ。
 俺が最初にこの大部屋に入った以上、待ち構えていた向こうにしてみれば当然の事だったのだろう。
 だが、それは寧ろ俺の狙い通りでもあった。
 何故なら、俺に攻撃が集中するという事は、他の連中は自由に動けるという事を意味していたのだから。
 体勢を低くしながら、真っ直ぐにこっちに飛んでくる3つの炎の下を潜り抜ける。
 そうして、3匹の中で一番奥……つまり攻撃するまでに時間が掛かるだろうテーブルとの距離を詰める。
 もっとも、アギラオの攻撃を俺に集中させれば、それ以上は特に苦戦する事はない。
 瞬動を使って、次の瞬間には既に俺の姿はテーブルのシャドウの前にあった。

「じゃあな」
「ポイズマ」
「っと!」

 ゲイ・ボルグを放とうとした瞬間、目の前のテーブルのシャドウが、呪文を唱えたのだ。
 魔法の発動を感じ取り、反射的に瞬動を使ってその場を移動。
 一瞬前まで俺のいた場所に紫色の毒々しい気体が出現したのを見ながら……俺はそのまま、ゲイ・ボルグで背後からテーブルを貫くのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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