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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1900話

「ちっ、厄介な。全員、総攻撃だ!」

 タルタロスの17階をクリアし、18、19階と順調に進み、現在は20階を攻略中だった。
 幸いという言い方はどうかと思うが、どの階も特に強力なシャドウはおらず、宝箱からもそこそこいい物を入手してはいた。
 そんな感じで20階でも階段を探して歩き回っていたのだが、やがて大きめの部屋に到着し……その部屋には20匹を超えるシャドウの姿があった。
 17階から姿を現すようになった、嘆くティアラと、ブラックレイヴン。それ以外にも、以前ゆかりが戦った堕落の塔。そして19階から現れるようになった十字架に天秤みたいなのがセットになっている奴と、普通にライオンにしか見えない奴。
 ……特にライオンは、それこそ本物のライオンにしか見えないのだが、その身体から伸びている鉄球のようなのが恐らくシャドウの本体なのだろう。
 ともあれ、そんなに大量のシャドウが一斉に襲い掛かってきたのだから、多勢に無勢と呼ぶに相応しい事になってもおかしくはない。
 だが、これだけの数のシャドウに襲われるのは初めてだが、それでもここまでの戦いで何匹ものシャドウと戦ってきているのは事実だ。
 ゆかりは既に新しい召喚器をかなり使い慣れているし、荒垣も何だかんだと、今までカストールを暴走させるような真似はしていない。
 順平も……最初は色々と混乱していたようだが、こうして強引に戦いに巻き込まれてしまえば、それこそ自分が生き残る為に必死になるしかない。
 結果として、順平も俺達と同じく戦いに集中せざるを得なくなった。
 そうなれば当然のように俺がフォローするようになり、嫌でも俺との力量差を理解出来たのだろう。

「ゲイ・ボルグ!」

 シャドウの群れに向け、ゲイ・ボルグを投擲する。
 宝具としての能力で、真っ直ぐに飛んでいった深紅の槍は、数匹のシャドウを貫き、それでも勢いを弱めず、壁に突き刺さる。
 瞬動を使い、横を通り抜けざまに複数のシャドウを殴りつつ、ゲイ・ボルグの突き刺さった壁の近くに到着する。
 その槍を引き抜き、そのまま強引に横薙ぎの一撃。
 槍を抜こうとする隙を突こうとしていた嘆くティアラが、あっさりとゲイ・ボルグの柄で殴られて吹き飛ぶ。
 そんな行動をしながら、他の連中は? と視線を向けると、そこではゆかり達も含めて十分に善戦していると言ってもいい戦いを繰り広げている。
 イオの放つガルや、その巨体を活かした体当たり、ゆかりの弓を使った攻撃。
 順平のヘルメスは直接攻撃を行ってシャドウを倒しており……その一撃で動きが止まった隙を見逃さず、順平は大剣をバットのように構えて大きなダメージを与えていた。
 まぁ、あの大ぶりの一撃は、敵の動きが止まってなければ、余程の事がない限り当てにくいよな。
 順平にもっと運動神経があれば、話は別だったかもしれないが……残念ながら、順平はそこまで高い運動神経を持っている訳ではない。
 いや、それでも平均か、それよりも少し上といった程度の運動神経を持っているのは、学校の体育で見て分かってるんだけどな。
 ……まぁ、より高い運動神経を持っていれば、大剣をあんな風に持ったりせず、普通に攻撃をしていただろうが。
 ちなみに、大振りの攻撃という意味では荒垣も結構大きめの斧を桐条グループから借りてきたらしい。
 ヘビーアックスだったか。
 ともあれ、そのヘビーアックスも当然大振りの一撃となる攻撃ではあるのだが……戦いに対する経験の多さからか、それとも荒垣が喧嘩慣れしているからか……ともあれ、荒垣の振るう一撃は、大振りではあってもシャドウの動きの先を読むようにして一撃を放つ為、かなりの命中率を誇っている。
 荒垣本人の一撃も強く、その上カストールもペルソナとしてはかなり強力だ。
 そんな荒垣の攻撃は、シャドウにとってはまさに死神の如き一撃と言えるだろう。

「っと、あいつはちょっと厄介そうだな」

 十字架の左右に天秤を付けているシャドウが、ゆかり達に向かってアギやブフを使って遠距離から攻撃している。
 その様子は、まさに固定砲台と呼ぶに相応しいだろう。
 一応今のところはゆかり達も攻撃を回避しているが、それでもこうして見る限りではやはり攻撃を厄介だと感じているのは間違いない。
 そこまで命中率が高くなくても、遠距離からの援護攻撃というのは非常に厄介だ。
 ましてや、命中率が高くないということは、誰に命中するのかも分からないのだから。
 普通に考えれば、それこそゆかり達だけじゃなくて仲間のシャドウにも魔法が命中したりすると思うんだが、何故か都合よくフレンドリーファイアは存在しない。
 ……1発だけなら誤射で済むかもしれないのにな。
 ともあれ、厄介な存在を処分すべく、俺は気配遮断を使う。
 まさに乱闘……いや、大乱闘と表現すべき戦いの中である以上、こうして俺が気配遮断を使って消えても、他の連中には気が付かれないだろう。
 あ。いや、俺を狙おうとしていたブラックレイヴンが、突然俺の姿が消えたので、かなり混乱している様子は見えるが。
 ともあれ、混乱したブラックレイヴンはそのままにして、俺は十字架天秤の方に向かって歩いていく。
 よく考えたら、それこそ瞬動で一気に移動すればよかったような気もするが……まぁ、たまにはこういう行動も悪いものじゃないだろう。
 そうして次第にこっちに近づいてきた十字架天秤に対し、ゲイ・ボルグの突きを放つ。
 攻撃段階に入った時点で気配遮断の効果は切れるが、既に問題はない。
 そもそも十字架天秤は固定砲台をやっていたように、決して動きが素早い訳ではないのだ。
 そんな状況でゲイ・ボルグによる一撃を回避出来る筈もない。
 あっさりと身体を貫かれ、そのまま崩れていく十字架天秤。
 シャドウ達も、いきなり自分達のすぐ後ろに俺が姿を現した事に驚いたのか、一瞬動きが止まる。
 それはほんの一瞬ではあったが、それでも俺が次の攻撃に移るには十分な時間だった。
 近くにいた堕落の塔を攻撃し、そのまま撃破。
 そのまま嘆くティアラも撃破し……こうして、敵の背後にいたシャドウ達は、軒並み俺によって撃破される。
 そうなれば、援護攻撃がなくなった事により、ゆかり達も素早く動き出す。
 加速度的に姿を消していくシャドウ。
 最終的に20匹以上いたシャドウが全て消滅するまでに掛かった時間は、10分かそこら……といったところか?
 影時間で時計とかはないから、あくまでも体感時間での予想だが。

「はぁ、はぁ、はぁ……何で、こんなにシャドウが集まってるんだよ。洒落にならねえぞ」

 戦闘が終わり、順平が激しく息を吐きながら床に座り込む。
 ……ちなみにゆかりと荒垣の2人は、多少疲れた様子は見せているが、順平のようにもう限界といった様子は見せていない。
 ゆかりは、タルタロスでシャドウと戦い続けてきたし、弓道部で運動もしているから理解出来るんだが……荒垣の方は特に鍛えている様子もないのに、何で平気なんだろうな?
 やっぱり生まれつきか……それとも、喧嘩で体力を使ってるからか?

「ま、それでもシャドウの死体が残らないってのは、便利だよな」

 大部屋の中を見回しながら、呟く。
 あれだけの数のシャドウだ。
 もしシャドウを倒して死体が残るのであれば、それこそこにこは足の踏み場もない……とまではいかないが、それでも色々と面倒な事になってのは間違いないだろう。
 いざとなれば、俺の空間倉庫に収納してもいいんだが。
 この辺り、BETAとかと違うところだよな。
 ……シャドウがBETAの死体と同じように、強烈な悪臭を発したらどうなっていた事やら。
 そんな風に考えながら、改めて大部屋の中を見回していると……ふと、部屋の隅に宝箱があるのを見つける。
 それも、何故今まで気が付かなかったのかと言いたくなるような、黄金に輝いている宝箱だ。
 以前にも同じような宝箱があったな。
 となると、恐らくこの宝箱にも何かいい物が入っている筈だ。
 ゆかり達は、俺が部屋の隅に視線を向けているのに気が付き、その視線を追い、黄金に光る宝箱があるのを発見する。

「もしかして……この大部屋にあれだけのシャドウがいたのは、あの宝箱を守ってたから?」

 光っている、レア宝箱を見ながらゆかりが呟く。
 ああ、その可能性もあるのか。
 俺は偶然だとばかり思っていたが、もしかしたら本当にそうだったのかもしれないな。
 ただ、こうして見る限り偶然だったという可能性もあるんだが。
 この大部屋からは、俺達が入ってきたのも合わせて、5本の道がある。
 つまり、それだけシャドウが集まりやすい場所な訳だ。
 そう考えれば、やはりこれは偶然という可能性が高いと思う。
 そんな風に考えつつ、レア宝箱のある方に全員で移動する。
 別に示し合わせた訳ではないのだが、それでもやはり皆レア宝箱が気になっているのだろう。
 荒垣もその中に入っているのは、正直イメージに合わないような気もするが……まぁ、宝箱という点で興味を刺激するのは間違いない。
 そして、当然のように宝箱を開けるのは俺となる。
 レア宝箱だけに、罠があるとも思えないが……いや、それ以前に今までの宝箱で罠があったのは1つもなかったし。
 ただ、こういう時は俺が宝箱を開ける係でよかったと思う。
 そんな風に考えながら、レア宝箱を開ける。
 開ける。……開ける。……あける?
 え? あれ? ……いやまぁ、現金とか、下駄とかあるくらいだし、こういうのが入っていてもおかしくはないのか?
 いや、けど……うーん……
 宝箱の中にある物を見て、思わず言葉に詰まる。

「おい、アクセル。中に何が入ってるんだよ!」

 我慢出来なくなったのか、順平がそう叫ぶ。
 ゆかりと荒垣の2人も、言葉には出さないがレア宝箱の中身が気になっているらしい。
 ……まぁ、いいか。別にこれは俺が宝箱の中に入れた訳じゃないんだし。
 そう思いながら、レア宝箱の中身を取り出す。
 それは、防具。一言で言えば、女用の鎧。更に端的に言うのであれば、鎧ではあってもかなり防具の面積は小さい。そして俗に言う……

「ハイレグアーマー」

 ファンタジー系ではよくある防具だったが、当然のようにハイレグという名前がついているだけあって、肌を隠す場所は多くはない。
 寧ろ見せる……否、魅せる為の鎧と言ってもいいだろう。

「何てもんを出してるのよおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉっ!」

 俺が手にしたハイレグアーマーを見て、最初はそれが何なのか分からなかったゆかりだったが、俺がその名称を口にした事で大体理解したのだろう。
 まさに絶叫と呼ぶに相応しい大声が周囲に響く。

「うわ、ゆかりッチもハイレグアーマーってどんなのか知ってるのかよ。ゲームとかそういうのはやらないと思ってただけに、ちょっと驚いた」

 しみじみと呟く順平。
 ……そう言えばそうだよな。ゆかりは基本的にゲームとかはやらない。
 いや、簡単なゲーム……ゲーセンにある、リズムゲーと言われるような音楽ゲームとかダンスゲームとか、そういうのは友人の付き合いでやった事があるって話だったが、当然そういうリズムゲーにハイレグアーマーが出てくる筈もない。
 となると、ゆかりがどこでハイレグアーマーに関しての知識を得たのかが気になるんだが……どうなんだろうな。

「そんなの、名前を聞けば簡単に想像出来るわよ! 何よ、ハイレグアーマーって。どう考えてもイヤらしい装備に決まってるでしょ」
「……けど、こう見えて、結構頑丈そうだぞ? 微妙に魔力の類もあるような気がするし」

 そもそもの話だが、ゲームとかでもハイレグアーマーの類はそれなりに強力な防具として扱われる事がある。
 これだけ露出度が高いにも関わらず、だ。
 その理由が……少なくても、このハイレグアーマーに関しては幾らか魔力を込められているという事なのだろう。

「ちょっと、アクセル。もしかしてそれを私に着ろなんて、言わないわよね?」
「防具としてかなりの性能を持ってるんだし、別に着てもいいと思うけどな。シャドウも結構強くなってきてるし」
「嫌に決まってるでしょ」

 悪即斬とでも言いたくなるように、ゆかりは即座に断る。
 いやまぁ、ハイレグアーマーが悪かどうかは微妙なところだが。
 男によっては、間違いなく正義と言えるだろうし。
 実際、順平はゆかりがハイレグアーマーを着ているところを想像したのか、完全に鼻の下を伸ばしている。
 ……それがまた、ゆかりからの視線を冷たくしている理由なのだろうが。
 荒垣の方は……珍しく薄らと頬を赤くしながら、それでも自分に話が回ってこないようにと、そっと視線を逸らしていた。

「けど、防具としては優秀なんだぞ?」
「そうそう、ゆかりッチがこれを着ていれば、俺ッチも安心出来るんだけどなー」

 順平の言葉に、ゆかりは召喚器に手を伸ばし……それを見た順平が、慌てて止めるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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