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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1902話

 番人のテーブル型のシャドウを倒した俺は、周囲を見回す。
 そんな視線の先では、ゆかりのイオと順平のヘルメスが1匹のテーブルのシャドウを相手にしており、もう片方では荒垣のカストールがテーブルのシャドウをそれぞれ相手にしていた。
 こうして見る限り、どっちも順調に戦っているな。
 ただ、ゆかり達の方はともかく、荒垣の方は結構苦戦しているように見える。
 何しろ、番人シャドウは通常のシャドウよりもかなり強い。
 恐らく、もっと上の階で敵として出てくる奴……だと、思われる。
 そんなシャドウを相手にするのだから、当然のように戦う方にもかなりの強さ……余裕のようなものが必要とされる。
 ゆかりと順平は2人で1匹と戦っているので、その辺は問題はないのだが……この場合、問題となるのは荒垣の方だろう。
 そもそも、荒垣はいつ暴走するかもしれないという危険と共に、カストールを操っている。
 そうなると、やはり番人シャドウのような強力なシャドウと戦う場合、苦戦は免れない。
 助けるか? いや、今はまだ荒垣が1人で戦っているんだし、ここで俺が下手に手を出すのは不味い。
 元々荒垣は、ペルソナを暴走させないようにする為に自分を鍛えているという一面もあるのだから。
 ここで動くのは、色々と危険だ。
 そう判断し、3人の戦いを背後から見るだけにする。

「ゆかりッチ、援護頼む!」
「分かってるわよ。けど、きちんと攻撃を当てなさいよ!」

 ゆかりの弓から矢が射られ、順平が大剣を手にテーブルに突っ込んでいく。
 テーブルの方は、自分の周囲に浮かせていた長剣で対処しようとするも、それは自分目がけて射られた矢を防ぐので精一杯だ。
 だが、どのようにして飛んで……いや、跳んでいるのかは分からないが、テーブルのシャドウは後方に跳んで順平の大ぶりの一撃を回避する。
 ……これで順平がバットを持った時のような大ぶりじゃなくて、きちんと大剣の扱い方を習っていれば話は別だったんだろうが。
 生憎と、順平の一撃は相変わらずだ。
 取りあえず今日の戦いが終わったら、剣道部にでも入るように言っておくか。
 剣道で使うのは竹刀で、長さ的には長剣なのだが……それでも何も習っていない今の状況よりは大分マシだろう。

「ヘルメス!」

 攻撃を外したと見るや、順平は大剣を握っていた片手を離し、自分のペルソナを召喚する。
 次の瞬間、姿を現したヘルメスは、身体から生えている刃……か? ともあれ、それを使ってテーブルのシャドウに向かって攻撃を行う。
 その一撃は大きなダメージになったようだったが、それでも致命傷……とまでは行かなかったのだろう。
 テーブルのシャドウは、まだ反撃する余地を残していた。

「ポイズマ」
「くっ!」

 狙われた順平は、テーブルのシャドウが魔法を使った瞬間に素早くその場を跳躍しようとするも……一瞬遅れ、紫色の毒々しい気体が順平を包み込む。

「順平!」

 叫びつつ、矢を射るゆかり。
 その矢は魔法を使い終わったばかりで安心していたのか、テーブルのシャドウに突き刺さり……ゆかりの矢に続くように、ゆかりが召喚したイオの突撃によって撃破されるのだった。
 だが、問題なのは……

「ぐうぅっ!」

 順平が、痛みに呻く。
 ポイズマというのが、正式にどういう魔法なのかは分からない。
 だが、それでも名前やあの毒々しい紫の気体から、想像する事は難しくなかった。
 ポイズマ……ポイズン、つまり毒の魔法だろう。
 ネギま世界の魔法では、毒とかはかなり珍しいんだが……まぁ、それでもない訳じゃないしな。
 それに、今まで桐条グループに渡してきた中で、解毒薬として効果の発揮すると思われる物は確保してある。

「これを飲め」

 渡したのは、ディスポイズンと桐条グループによって名付けられた、解毒効果のある薬。
 勿論毒によっては効果がないのだが、大体の毒には効果があるって話だったのを考えると、多分効果はある……と、思う。
 順平は震える身体で瓶の蓋を開けると、それを一気に飲む。
 解毒剤だけど、これって飲むタイプなんだよな。
 ……これもマジックアイテムの一種なのか、それとも単純にそういう効果を発揮するように調薬してるのか。
 その辺りは分からないが、それでもある程度の毒であれば治療可能だと桐条グループの方では分析しているらしい。
 事実、ディスポイズンを飲んだ順平は見て分かる程に回復したのだから、十分に効果はあったのだろう。

「さて、そうなると残るは荒垣の方だが……」

 呟き、荒垣とテーブルのシャドウが戦っている方に視線を向ける。
 そこには、俺の予想通り……いや、予想外の光景が広がっていた。

「まさか、カストールでここまで手こずるとは予想外だったな」

 そう、俺の言葉通り、現在そこではカストールがテーブルのシャドウと戦っていたのだ。
 どちらが押しているといった事はなく、本当に互角の勝負。
 本来なら、カストールならあのテーブルのシャドウくらい、容易に倒せる筈だった。
 純粋にペルソナとしての潜在能力では、イオよりも上だと感じているような相手なのだから、それも当然だろう。
 だが……実際には、互角の勝負。
 つまりこれは、カストールの性能を荒垣が最大限に活かしている訳ではないことを意味している。
 ……そうして改めて荒垣の方を見てみれば、表情は厳しく歪められているのが分かる。
 これは……もしかしてやばい、か?
 傍目に見れば、テーブルの強さに荒垣が苦戦しているかのように見えるだろう。
 実際、それは決して間違っている訳でもないのだろうが……同時に、本当の意味で今の荒垣の状態を表している訳でもないのは間違いない。
 ちっ、厄介だな。……どうするべきか。

「アルマー!」

 これからどう行動するべきかを迷った瞬間、不意に荒垣の口からそんな叫びが漏れる。
 それは、俺に援護をして欲しい……という意味合いの声でないのは、明らかだった。
 切羽詰まったその様子を見る限り、荒垣が俺に望んでいるのは……

「分かった、任せろ!」

 荒垣に最後まで言わせず、それだけを叫ぶ。
 同時に、荒垣の操るカストールはそのコントロール下から外れ……次の瞬間、あっさりとテーブルのシャドウをカストールが乗っている馬の長い角で貫く。
 それが致命傷となったのか、テーブルのシャドウはそのまま消えていく。
 その様子に安堵しているゆかりと順平に、俺は落ち着いた様子で声を掛ける。

「残念ながら、本番はここからだ」
「は? 何を言ってるんだよ。もう番人シャドウは全部倒したんだから、戦いは終わりだろ? 後は双方向ターミナルを使ってエントランスに戻れば……」

 何を言ってるんだ? といった様子の順平だったが、俺の言葉を聞いたゆかりはすぐに気の抜けた状態から、いつでも戦闘が出来るように体勢を整える。
 この辺りの差は、俺との付き合いの長さ……いや、濃さか。

「順平、しっかりして。アクセルがこういう事を言う時には、決して冗談とかじゃないから。それに……荒垣さんを見て」
「え? ……何か、苦しそうにしてるけど、何があったんだ?」
「ペルソナの暴走だよ。残念ながら、詳しい話は……この戦いが終わった後で、だけどな!」

 俺がそう言うのと、カストールがこちらに向かって突進してくるのは殆ど同時だった。
 にしても、昨日もそうだったが、なんでカストールは俺を狙ってくるんだ?
 いや、昨日であれば、まだ公園にいたのが俺と荒垣の2人だけだったから、暴走状態のカストールが自分の主人、召喚者、マスター……言い方は色々あれども、そちらではなく俺に向かって攻撃してきてもおかしな話ではない。
 だが、今は俺以外にゆかりと順平の2人がいる。
 にも関わらず、カストールは真っ直ぐに俺の方に突撃してくるのだ。
 ……俺の後ろにはゆかりと順平の2人がいるが、それでもカストールが狙っているのは俺だと、間違いなく理解出来る。
 殺気……という表現もどうかと思うが、ともあれカストールが狙っているのは間違いなく俺なのだ。
 何も真っ正直にカストールの突進に付き合う必要もない。
 一旦回避し、そのまま横から攻撃をすれば……
 そう判断したが、ゆかりが俺から――正確にはカストールの進行方向から――距離をとって、弓を構えているのが分かるのだが、何故か俺の後ろにいる順平が動く様子がない。

「順平!?」

 ゆかりもそれは同様だったのだろう。
 叱咤の籠もった叫びが周囲に響く。

「え……あ……」

 戸惑ったような順平の声。
 それを聞き、俺は横に跳躍してカストールを回避しつつ、カウンターの一撃を放つという選択を中止する。
 このままここで受け止める?
 いや、それだと順平にも被害が出るのは間違いない。
 つまり俺がやるべきなのは、少しでも順平との距離がある間にカストールをどうにかする事。
 一瞬にしてそう判断すると、瞬動を使って一気に前に出る。
 回避をするのではなく、こちらから真っ直ぐに……正面から、カストールに向かって突っ込む。
 瞬動の速度にカストールが認識していたのか、それとも殆ど反射的なものだったのか……それは分からないが、カストールの乗っている馬は、丁度俺に突き刺さるように額の角を向けてくる。
 このまま真っ直ぐに向かえば、自分から角に突き刺さりにいく事になる。
 そう判断した瞬間、身体を軽く傾け……突き出された角が顔のすぐ横の空間を貫く。
 角の一撃を回避し、そのまま一気に肩からカストールにぶつかり……次の瞬間、カストールは、それこそ壁にでも当たったかのように吹き飛ぶ。
 暴走している状態だからか、魔法とかを使ってこないのは便利だよな。
 ぶっちゃけ、弱いペルソナが暴走しても、魔法は使ってこないわ、攻撃は単純だわで、押さえるのに特に苦労はない。
 ただ今回の場合はカストールが能力の高いペルソナだからこそ、厄介な事になっている訳で……
 ともあれ、吹き飛んだカストールは大部屋の端でようやく動きを止め……次の瞬間、ようやく制御を取り戻したのか、その姿が消えていく。

「はぁ、はぁ、はぁ……悪いな、アルマー」

 ようやペルソナを押さえる事に成功した荒垣の言葉に、首を横に振る。

「気にするな。元々こうなるのは承知の上でお前にペルソナを使わせたんだ。それより、暴走した時の感じはどうだった? 何とかなりそうか?」
「……悪いが、何とも言えねえ。以前よりはマシなような気もするが、それも絶対って訳じゃねえしな」

 荒い息を整えると、荒垣はそう言ってくる。
 なるほど。まだまだ暴走させないようにする道のりは遠い、か。
 もっとも、それは荒垣が戦いの中で成長していけば多分大丈夫……というのが、俺の予想だ。
 勿論、それはあくまでも俺の予想であって、何か確証がある訳じゃない。
 強いて言えば……そうだな、幾つもの実戦を潜り抜けてきた、俺の勘がそう言っているといったところか。
 念動力が教えてるんじゃないので、確実性は少ないが。

「ま、昨日の今日ですぐにどうにかなるとは思ってないしな。もう少し気長に見たらどうだ? タルタロスはまだまだ続くんだろうし」
「……俺は、お前のその脳天気さが理解出来ねえよ。普通なら、俺みたいな危険分子はすぐにでも排除すべきだろうに」
「そうだな。普通ならそうかもしれないが。だが……俺は普通か?」

 そう言われれば、荒垣もこれ以上は口に出せないらしい。
 ……出来れば、普通だと言って欲しいような気持ちもあるんだが。
 自分でも、普通だとはとてもじゃないが言えないような思いはあるが、それでもふとそう思う事はある。

「まぁ、アルマーがいるからこそ、こんな真似が出来るんだろうけどな。……取りあえず、今日は戻るか」

 そう告げる荒垣に頷き、大部屋の端にあった宝箱を開ける。
 そこにあったのは、以前にも入手した宝玉輪。
 対象の体力を回復させるという、かなり効果の高いマジックアイテムだ。
 ……うん、取りあえずこれは可能な限り使わないようにして、技術班の土産にしよう。
 もしかしたら、宝玉輪を複製出来るようになるかもしれないし。

「さて、じゃあそろそろ双方向ターミナルに登録して、エントランスに戻るか」

 出来ればもう少し上の階を探索してみたい気もするが、残念ながら既にタルタロスに入ってからそれなりに時間が経っている。
 このまま上に向かえば、タルタロスの中で影時間が終わる可能性もある。
 そうならない為には、やはりここでタルタロスから出た方がいい筈だ。
 周囲の様子を見て双方向ターミナルを探していると……

「アクセル……その、助かった」

 俺に近づいてきた順平が、そう言って頭を下げる。
 一瞬何の事か分からなかったが、カストールが来た時に動けず、俺が回避ではなく突進を選んだ事を言ってるのだろうと考える。

「ま、気にするな。お前は桐条から預かってるんだ。怪我をさせる訳にはいかないからな」
「……悪い。そしてごめん」

 そう言うと、順平は深々と頭を下げるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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