レーヴァティン
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第三十一話 アジトその九
「そなたもまたな」
「盗賊じゃないんだ」
「盗賊ではあってもだ」
それでもというのだ。
「そなたは紛れもなくだ」
「勇者なんだね」
「だからだ」
それ故にというのだ。
「勇者として戦いそしてだ」
「この島、世界をだね」
「救ってもらいたい」
「じゃあそうさせてもらうね」
淳二は明るく軽く笑って団長に応えた。
「おいらも」
「ではな」
「うん、行くよ」
こう応えてそうしてだった。
久志達は団長に返すべきものを全て返しあらためて冒険の旅に出ることになった。その中で。
久志は街を出てからだ、こんなことを言った。
「じゃああらためてな」
「冒険ですね」
「世界を救うそれを再開するか」
こう順一に答えた。
「そうするか」
「では次の目的は」
「六人目だな」
「そうなりますね」
「さて、五人まではあっさり見付かったけれどな」
久志はこの島ひいては世界を救う為に必要な十二人の外の世界から来た彼等のことについて考えた。
「問題はな」
「これからだよね」
源三も言ってきた。
「とんとんとんと順調に来たけれど」
「世の中甘くないからな」
「絶対に躓く時もあるね」
「それがこれからかも知れないからな」
「楽観的でも油断するなってな」
正はここで久志にこう言った。
「ものごとを進めるにもな」
「だからだよな」
「今回もな」
「楽観でもな」
「油断せずにな」
そうしてというのだ。
「そして六人目が中々見付からなくて冒険が進まなくてもな」
「それでもだよな」
「諦めないことだよ」
このことが大事だというのだ。
「絶対にな」
「そういうことだな」
「困難があるのは当然だろ」
それこそというのだ。
「何かしらあってな」
「だからか」
「ああ、いちいちな」
それこそというのだ。
「それでへこんだり嫌になったりしてな」
「諦めないことだな」
「ああ、まして一人じゃないんだ」
正は久志にこうも話した。
「今六人いるんだ」
「三人いれば文殊でござすが」
進太はあえてこの島にはない教えから話した、仏教はこの島には存在しない教えであるのだ。
「六人でござる」
「だったらな」
「その倍でござる」
「余計に凄いか」
「左様、動けなくなろうとも」
何かしらの困難を前にしてだ。
「それでもでござる」
「諦めることはないか」
「必ず解決方法が見つかり」
「また先に進めるな」
「そうなるでござるよ」
こう久志に話した、微笑みさえして。
「だからでござる」
「例えこれから何があっても」
「六人目の御仁が中々見付からないにしても」
「嫌に思う必要はないか」
「必ず見付かるごでざるよ」
「だよな、諦めたらな」
それこそとだ、進太は仲間達の言葉を受けて言った。
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