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俺のペットはアホガール

作者:猫丸
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『天誅』3-2

 
前書き
出てきてしまっては仕方ないわね。こうなったら、あっくんの誘惑する不届き者をここで全員成敗してあげるわよっ!!


『天誅』千代紙 れい子side 

 
「うっふふ。娘からみんなで旅行に行くと聞いてね
 それにしても驚いたわ~。まさか。あの地味だったりっちゃんがこ・ん・な」

「え? …え。…え??」

「あっくんを誘惑する、雌豹になっていたなんてねっ!!」

「えぇぇ!!!?」

「りっちゃんってヒョウだったの!?」

「違いますよっ!!」

顔を真っ赤にしているけど、その視線は私に対してではなくあっくんに対して。
恥しい事実を言われて焦りつつも、意中の相手のフォローを忘れない。…なんて出来る女に成長しているのりっちゃん。…恐ろしい子!

「わ、私はただ……地味だった自分を変えたくて…」

「あっ会長って高校生デビューだったんですねー」

「そ、そうなんです! さ、最藤君を誘惑するなんて……そ、そんなことするわけないじゃないですか///」

もおと頬を膨らませで潤んだ瞳を輝かせるりっちゃん。

「あら? そうだったの?」

「そりゃそうですよー」

「「「アハハハハハッ」」」

ちよ子も加わって乙女3人で仲良く笑い合う……

「って誤魔化されるかぁぁぁあああ!!! 雌豚がぁぁぁっぁああああ!!!」

「誰が雌豚ですかぁぁぁあああ!!?」

やっぱりとぼける気なのねっ! 上等よ、なら公衆の面前で恥ずかしい思いをさせてあげるわぁぁあ!!
りっちゃん。いえ、ここまで堕ちてしまってはもうあの頃の地味で(ブス)なのが安心して見れたりっちゃんではないわっ! 
もうあれは敵! 女の敵なのよっ!!

「貴様は絶対に海には行かせないぃぃぃ!!」

足元に置かれていたキャリーバッグを開けてみれば、大切にしまわれていたフリルが可愛い白いデカパイ水着を発見!

「あっ! 私の水着!!」

当然。見つけたならばバックから取り出すわよね?

※いやそんなドヤ顔されましても……。

「な、なにをするんですかぁぁ!!?」

「なにを、するって……」

もしもの時の為に忍ばせていたマジック(油性)を取り出しキャップを外して

「◎(二重丸)を書くっ!!」

「イヤァアアアアア!!!」

白い水着の中央に書かれた二重丸。

「こ……この……」

「なんてゲスイことを……」

「オッホッホ、こんな水着では海には行けまい! オホホーホッホ!!」

悔しそうに膝から崩れ落ちるりっちゃん。彼女ははもう駄目ね。
海には行けず、恥ずかしさのあまりあっくんの前に姿を現すこともできないでしょう!

「行きますよっ!」

「こんな水着を着て? 恥ずかしい女ー」

「ワタチも着るから恥ずかしくないぞー!」

「なっちよ子!?」

「私は上からシャツを着ますよ!!」

「なるほどー」

くっ。意外としぶといわね…りっちゃん。でもねっ、私にはまだ最終兵器が残っているのよっ!!

「こうなったら、二重丸の部分をハサミでくりぬいてくれるわぁぁあああ!!」

「んぎゃあああぁぁぁ!!!」

「いい加減落ち着いてくださいっ、母上殿!!」

「んなっゆーがちゃん!?」

こんなパットでのポットで野郎に背後を取られしかも肩に腕を回され身動きを封じられてしまうなんてってうかつだったわ!
でもまだ手はある。私は女、ゆーがちゃんは男の子。ならやることはひとつしかないわっ。

「いや~~ん、痴漢よ~~」

「ちょっ!!?」

「ナルシーの熟女好き~♪」

「違うから、千代紙君っ!!
 たとえ変な濡れ衣を着せられても僕は放さないですよっ! 
 楽しみしていたみんなとの旅行をこんなおばさんに邪魔されたくないからねっ」

「……おばさん、だと?」

「え」

「この小童があああぁぁぁ!!!」

「「ぐはぁぁあ!!」」

油断大敵ってね。スルッとゆーがちゃんの腕から逃げて、逆に私を封じてたその腕を掴んで呆然と立っていたりっちゃんに向けて投げつけてくれるわぁぁぁ!!

「つ、強い…」

「貴様らガキ共とはくぐってきた修羅場の数が違うのよ」

さあこれで終わりよ、りっちゃん!
右手持つハサミを掲げ、左手に持つ水着目がけて振り下ろす。

「ヒャァァァパァー!!
 あっくんは、誰にも渡さんわぁぁあああ!!!」

「いやあああああああ!!!!!」

ガシッ。

ハサミを持つ右手が誰かに掴まれたっ。

「なにを……してんすか」

「「最藤君っ!!」」

「ち、違うのあっくん! 私はただ…老後。じゃなくてあっくんの為にっ」

「…………」

上を見ると冷たい、人ひとり殺れそうな目をしたあっくん顔だったわ…。
このままではヤバイ! と本能的に察した私の身体は、瞬間的にあっくんから離れ

「だって。だってあの雌豚があっくんをっ」

「なっ///」

今回の事は全部あの女が原因なのよっと説明しようとしたのだけどその前に私の背後をとったあっくんに

「もう40近いんだし、ちょっと落ち着きましょうか……」

「アガガガ……」

首に腕を回され締められる技、スリーパーホールドをきめられてしまったわ。

「ガァァァァ!!!」

痛い! いやそれ以前の問題のような痛さ、このままでは落とされてしまう!
ギブギブギブッと絞めてくるあっくんの腕を叩くと解放してくれたわ。ハァーハァーとまずは新鮮な空気を肺に取り込む。

「で、どうします? もうこうゆう事しないと誓うか、もっと痛い目みますか?」

仁王立ちし説教をするあっくん。
あっくんに近づき誘惑する雌豚&メスパラガスに天誅を与えないか、もっとあっくんに痛めつけられるか、の二択から選べですって……そんなのっ

「どっちもお断りだわぁぁぁああ! これでもくらいなさいぃぃぃい!」

私はあっくんを錯乱させその隙に逃げる為”身に着けていたあるもの”を投げつけてやったわっ。

「ふおっ!? な、生暖かいっ」

脱ぎたてほかほか。私の勝負下着(上)紫のレースが大人の女性っぽくて素敵でしょっ! オホホホー♪

「あ、しまったっ」

「甘いわねー! そこの雌豚の思い通りになんてさせないわぁぁあ!!」

「なっ!?」

「このままで済むとは思うなよぉぉおおお!!! オーホホホホホホッホホウッ!!」

「「「「……………」」」」

「たくましすぎるな……」

「行ってきまーす♪」


※逃げるれい子の背中を見つめる5人と笑顔で手を振るちよ子と

「野良猫カワイイし~写メ、写メ♪」

「うふふっ。今日もいい写真が撮れた」

写真を撮ることに夢中な乙女が2人。
 
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