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レーヴァティン

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第二十一話 風呂屋での情報収集その一

           第二十一話  風呂屋での情報収集
 朝目が覚めるとだ、久志は予想通りの展開にある意味納得していた。だがその頭痛と身体全体の倦怠感にだ。
 参りつつだ。同じ部屋で別のソファーに寝ている順一と智に問うた。二人共まだ起き上がってはいないがそうした。
「生きてるか?」
「何とか」
「その言葉で起きたぜ」
 二人の返事が返ってきた。
「頭痛いけれどな、それもかなりな」
「身体もだるいですね」
「いや、これは相当酷い二日酔いだな」
「かなり辛いです」
「ああ、これはな」
 まさにとだ、久志は何とか起き上がりながら言った。
「風呂に入りがいがあるぜ」
「逆説的に言えばな」 
 智が応えつつ起き上がった。
「そうなるな」
「そうだよな」
「ああ、しかしな」
「それでもか」
「問題は風呂屋まで辿り着けるかだ」
 今の酷い二日酔いの状態でというのだ。
「それが問題だよ」
「そうですね」
 順一も起き上がってきた。
「何といっても今は」
「俺達にそれが出来るか」
「それが問題です」
「正直な」
 智はまた言った。
「この状態だとな」
「家を出ることすら」
「難しいな」
「いや、ここまで酷い二日酔いはな」
 久志は死にそうな顔で言った。
「正直なところな」
「はじめてですね」
「ああ、なかったな」
 到底というのだ。
「こっちの世界でもな」
「俺はあるけれどな」
 智は少し笑って二人に言った、とはいっても無理をしている笑顔になっている。二日酔いのせいであるのは言うまでもない。
「それでもな」
「辛いことは辛いな」
「ああ」
 実際にというのだ。
「これはな」
「そうだよな」
「あいつはどうだろうな」
 智は順一のことにも言及した。
「俺達と一緒か」
「そうだろ、それこそザルじゃないとな」
 それこそというのだ。
「こんな調子だろ」
「死にかけか」
「そうだろ」
「四人共どれだけ飲んだか」
 順一は昨日の酒量について考えた。
「一体」
「ボトル五本か?」
 久志は覚えている量を行った。
「それ位か?」
「私は六本でしょうか」
「俺は五本か」
「それだけ飲むとな」
 それこそとだ、久志は二人にまた言った。
「こうなるのも当然だな」
「全くです、今の時間は」
 順一は壁の時計を観た、鳩時計でありこの島においてはかなり高級な部類の品である。
「六時ですか」
「そうか、六時か」
 智もその時計を観て言った。
「もう風呂屋さん空いてるか?」
「空いている様でしたら」
「ああ、あいつと一緒にな」
 今ここにいない源三のことである。 
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