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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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755部分:第六十一話 袁術、歌で仕掛けるのことその三


第六十一話 袁術、歌で仕掛けるのことその三

「それとじゃ。後は」
「車ができてからですね」
「それで相手の陣に入るんですね」
「それがいいと思いますの」
 于禁は笑顔で三人に話す。
「真桜ちゃんが今作っていますし」
「ほな待っておいてや」
 李典も出て来ている。それで五人で話している。
「もうすぐできるさかいな」
「じゃあいよいよなの」
「そうやな。ほんまやな」
 李典は笑顔で于禁に応えた。
「何か色々あったけれどな」
「そうじゃな。何故か色々あったのじゃ」
 袁術もこう話す。
「七乃は凛にちょっかいを出すし」
「ですから私と凛ちゃんはもう深い仲になってますから」
「あ、あのそれは」
 その話になるとだ。郭嘉はその顔を真っ赤にさせる。
「私はそんな。七乃殿のことはお好きですが」
「そうじゃ。凛はわらわのものじゃ」
 あくまでこう言う袁術だった。
「例え七乃であろうと渡さぬぞ」
「あらあら、美羽様私達の仲に妬いておられるんですか?」
「妬いてはおらぬわ。だから凛だけは渡さぬのじゃ」
 余裕の表情の張勲に顔を突き出して主張するのだった。
「わらわと凛はじゃ。同じ褥でお休みする仲じゃぞ」
「けれどそれは私と美羽様も同じですよ」
「それでもじゃ。わらわと凛はじゃ」
「私と凛ちゃんもそうですよ」
 三人の関係はさらに深く怪しいものになっていっていた。それを見てだ。
 李典がだ。呆れながら言うのであった。
「この三人何処までいくんやろな」
「三人共生娘なの?」
「それは間違いないんやけれどな」
 李典は首を傾げさせながら于禁に述べる。彼女の手は自分の腰の横にある。
「けれどこれは」68
「もうあれやな」
「完璧百合なの」
「うち等ってそういう陣営やけれどな」
 主の曹操自体がそうだからである。このことは天下の誰もが知っていることでもある。
「けど。この三人は」
「もう陣営の問題じゃないの」
「特に凛と袁術さんやな」
 この三人がとりわけ問題だというのだった。
「何やろな。この関係は」
「もう夫婦みたいなの」
「そや。何でこうなったんやろな」
「ここまでいくとわからないの」
 そんな話をしながらだ。振り付けもしていくのであった。
 他の面々もそれぞれ作業をしていっている。その中でだ。
 華陀がだ。曲を作っている曹操に話すのだった。二人は今天幕の中にいる。
「少しいいか」
「何かしら」
「あんた、今は大将軍についてるな」
「ええ、そうよ」
 そのことにはそのまま答える曹操だった。
「他の牧達と同じよ、それは」
「それは天下を憂いてのことだな」
「ええ。大将軍にも問題がないわけじゃないけれど」
 何進もだ。完璧ではないというのだ。
「けれどあの人は己の私腹ばかり肥やしたりしないから」
「天下のことも考えているな」
「そうよ。だから宦官達よりはずっとましよ」
「その宦官か」
「私の家は宦官の出だけれど」
 自分でこのことも言う曹操だった。
「けれど。今の張譲達はね」
「帝の周りを固め私を欲しいままにしているな」
「あの連中は放っておけないわ」
 琴を弾きながらだ。曹操は難しい顔になっていた。
「若し放っておけばね」
「天下万民が苦しむな」
「何とかしたいけれど」
 今度はだ。顔を曇らせた曹操だった。
 
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