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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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741部分:第六十話 楽進、辛い料理を作るのことその一


第六十話 楽進、辛い料理を作るのことその一

             第六十話  楽進、辛い料理を作るのこと
 かくして袁術達三人を軸とした歌を使った策が決まった。
 だがだった。三人の一角の郭嘉がだった。
 妄想に耽っていた。そしてこんなことを言っていた。
「駄目です美羽様、華琳様が見ておられます」
 顔を真っ赤にしてだ。あらぬことを口走っていた。
「主の前でその様な、ああ御無体を」
「ううむ、最早ここまでくると」
「危ないというものではないな」
 夏侯姉妹も唖然となっていた。
「華琳様の御前で袁術殿に迫られているのか」
「いや、しかもだ」
「しかも?」
「どうもそこに張勲殿が入っているようだ」
 見ればその通りだった。郭嘉の妄想が続いていた。
「七乃殿、ですからそこは」
「ううん、中の関係なのね」
 曹操は今の郭嘉の暴走の原因をこう把握したのだった。
「そのせいね」
「しかしそれを言うとだ」
「そうだな」
 関羽と趙雲がその曹操に突っ込みを入れてきた。
「我々も所属している場所がだ」
「同じになるのだが」
「あの三人も前はそうだったらしいけれど」
 曹操はとりあえず郭嘉を見ながら話す。
「けれど。あれは」
「それ以上のものがあるな」
「そうだな」
 関羽と趙雲もそれはわかった。
「何処かで一緒だったな」
「特に袁術殿と郭嘉殿はな」
「あれじゃあ凛は褥には本当に呼べないわ」
 曹操はそのことを真剣に考えていた。
「全く。主というのに。あの娘は駄目なのね」
「というかあの三人の関係は」
「最早手がつけられないものがあるぞ」
 その郭嘉の妄想を見ながらの話だった。
 そんな話をしているうちにだった。華陀は。
 捕まったままだ。李典の尋問を受けていた。
「で、あんたここに来た理由は」
「それだというのか」
「そうだ、別に悪意があってじゃない」
 こうその李典と楽進に話す。
「その太平要術の書のことだ」
「あの書のことね」
 曹操が華陀が尋問を受けているその天幕の中に入って来た。そのうえで彼に対してこう言ってきたのだ。
「前に話していた」
「そうだ。それで曹操殿」
 華陀はここで失態を犯してしまった。
「その便秘は」
「それ以上言うことは許さないわよ」
 曹操は赤い気を身にまとい目も紅にさせて彼に顔を突きつけて告げた。
「本気で殺すわよ」
「なっ、言ってはまずいのか」
「私だって女の子なのよ」
 それでだというのである。
「それでそんな話をされていい訳ないでしょ」
「むう、そうなのか」
「そうよ。というか貴方そういうことわからないの?」
「ああ。俺は医者だ」
「医者だから?」
「患者のことは包み隠さず話さないといけないからな」
 少なくとも彼はこれまでそうしてきている。彼にとっては曹操も患者の一人に過ぎない。しかし彼は自分のデリカシーのなさは自覚していない。
 その彼がだ。また曹操に話した。
「わかった。では言わないでおこう」
「言ったら本当に首ないわよ」
「ううむ、俺とて首がなくなれば死ぬからな」
「あれ、あんた確か死なないんちゃうんか?」
 李典がこう華陀に突っ込みを入れた。
「勇者は死なへんのやろ」
「いや、俺とても流石に首をはねられるとだ」
「死ぬんやな」
「そうだぞ。幾ら何でもな」
「ううん、そうやったんか」
 それを聞いて納得はする李典だった。しかしである。
 ここでだ。李典はこんなことも言うのだった。
「そういやあんた宇宙で攻撃受けて光になったことあったな」
「その話か」
「そんでライオンがどうとかも言うてたな」
「よく知ってるな、あんた」
「あんた有名人やからな」
 少なくとも知らない人間はあまりいなかった。この国でだ。
 
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