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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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739部分:第五十九話 張勲、袁術と郭嘉を取り合うのことその十


第五十九話 張勲、袁術と郭嘉を取り合うのことその十

「何かあったのですか?」
「いやよ、何かどろどろの三角関係ってよ」
「しかも女同士で」
「華琳様を置いてけぼりでどうなんだろうねえ」
「確かに。凄いものがありますね」
「野放しにしてちゃまずいんでねえかい?」
 一応人形が言っていることになっている」
「これはよう」
「確かに。何か暴走していますし」
「止める奴はいねえのかい?」
「この三人は難しいですねえ」
「困ったことだねい」
「はい、けれど見ていて飽きないです」
 何気に本音を出す程昱だった。
「これは」
「というか一人で喋っていないか?」
 魏延がその程昱二突込みを入れる。
「人形のふりをして本音も交えて」
「気にしないで下さい」
 慣れているのかこう返す程昱だった。
「そういう設定ですから」
「設定なのか」
「はい、そうです」
 また魏延に述べる彼女だった。そんな話をしていてだった。
 その中でだ。相変わらず郭嘉を取り合う二人であった。
「だから凛は」
「いえいえ、こればかりはです」
 張勲は明らかに遊んでいるが袁術は必死である。
「私も凛ちゃん好きですから」
「ぬうう、凛は誰にも渡さぬのじゃ」
「あのね、美羽」
 曹操が呆れながら彼女に突っ込みを入れる。
「忘れてるかも知れないけれど」
「むっ、曹操ではないか」
「さっきも言ったけれど華琳でいいから」
 本名で言うことを許してはいる。
「けれどよ。凛はね」
「そなたの家臣じゃったな」
「そうよ。それは覚えておいてね」
「わかっておるわ。安心せい」
「けれどこれじゃあ」
 曹操も珍しく難しい顔をして述べる。
「凛を褥にはっていうのは絶対に無理ね」
「申し訳ありません、華琳様」
「いいわよ。こんなの見せられたらどうしようもないわ」
 郭嘉には笑顔で応える。
「ただし。条件があるわ」
「条件ですか」
「そうよ。美羽とも張勲とも仲良くしなさいね」
 言うのはこのことだった。
「どっちも外も中も強烈な個性だけれど」
「っていうかあのお二人って」
「郭嘉さんもですけれど」
 孔明と鳳統がその三人を見ながら話す。
「物凄い個性です」
「あの、どういう人達なんでしょうか」
「袁術は多分他にも色々やっているのだ」
 張飛は本当的にそのことを察していた。
「楽器を演奏している人間をいじっていたのだ」
「むっ、何故わかったのじゃ」
 袁術もその張飛の言葉に顔を向けて言う。
「あの陽子じゃな」
「ちょっとは捻ったら?」
 曹操はまた呆れた声を出した。
「そのままじゃない」
「むっ、左様か」
「幾ら何でもそれはまずいでしょ」
「しかしあ奴はうい奴でのう」
 袁術の笑顔が黒いよこしまなものになってきていた。そのうえでの言葉だ。
「中々いじりがいがあるわ」
「そうなんですよ。美羽様その娘をですね」
 張勲もここで話す。
 
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