恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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723部分:第五十八話 三姉妹、反乱を起こすのことその四
第五十八話 三姉妹、反乱を起こすのことその四
「少しは節約をですね」
「されては」
「ほら、二人も言っている」
張宝も二人の援軍を見て言う。
「だからここは」
「うう、そんな」
「お金はあったら使いたいのに」
「金はないのか」
役人は暫く呆れていたがあらためて彼女達に問うた。
「そうなのだな」
「だからないの」
張宝が答える。
「そういうこと」
「それならばだ」
また言ってきた役人だった。
「そうだな。見たところ」
「な、何よ」
「今度は何だってのよ」
張角と張梁は本能的に危機を察して身構える。
「だからお金はないから」
「もっともあっても出さないけれど」
「そうだ、何なんだ!」
「一体何だ!」
「舞台を乱すな!」
「いい加減にしろ!」
ここで観客達も言ってきた。それまで沈黙していたがここでだった。遂に立ち上がったのであった。
「出て行け!」
「そうだ、出て行け!」
「天和ちゃん達をいじめるな!」
「悪いことをするな!」
「五月蝿い!」
役人はだ。今度は観客達に言うのであった。
「全員捕まえるぞ!」
「何かおかしくない?」
「そうよね」
ここで程遠志と鄧茂は顔を見合わせて話す。
「この役人ここに来る時に最初に会ったけれどね」
「そうよね、凄く温厚で話がわかる人なのに」
「それで何でなの?この態度」
「別人みたい」
実は目が妙なことになっている。しかし今の緊迫した状況に誰も気付かなかった。それでなのだった。
「どうしよう、こんなの」
「こんなことになるなんて」
誰もどうしようかわからなくなっていた。そしてだ。
役人はだ。親衛隊が護る三人の方に足をずい、とやってだ。こう言うのであった。
「ではだ」
「今度は何よ」
「金がないなら別のものだ」
好色そのものの目で三人を見たうえでの言葉だった。
「見れば三人共かなりの上玉だな」
「まさかこいつ」
張梁はだ。役人の言葉で完全にわかった。
「あたし達を」
「えっ、お姉ちゃんまだ口付けもまだなのよ」
「そんなのあたしもよ」
「私も」
これは三人共同じであった。
「それでこんな脂ぎったおじさんとなんて」
「願い下げよ、絶対に」
「何があっても」
「それでは舞台を開けないな」
役人は今度は底意地の悪い笑みを見せる。
「さて、どうする?」
「もう頭にきたわ」
張梁が切れた。
「それならよ」
「どうするつもりだ?」
「皆、いい!?」
観客達への言葉だった。宝貝を使って叫ぶ。
「この連中ね!」
「うん、地和ちゃん!」
「どうするんだ!?」
「やっつけちゃって!」
こう叫んだのだった。
「もう容赦しなくていいから!」
「よし、わかった!」
「それなら!」
「やってやる!」
こうしてだ。彼等は役人達に一斉に襲い掛かりそのうえでだ。袋叩きにして叩き出したのであった。まずは一件落着であった。
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