恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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719部分:第五十七話 豪傑達、荘に戻るのことその九
第五十七話 豪傑達、荘に戻るのことその九
「それと星さんに翠さんですね」
「お二人も」
「うむ、わかった」
「それじゃあ行かせてもらうな」
それぞれ笑顔で応える二人だった。
「それと紫苑さんもですね」
「御願いできますか?」
「ええ、わかったわ」
すぐに頷く黄忠だった。
「この五人の方が軸で」
「そして軍師の私達に」
彼女達自身もだというのである。
「あとは」
「他には」
軍師二人は席を見回す。そうしてまた言うのであった。
「草薙さんにテリーさん、リョウさん」
「アテナさんにナコルルさん、ケンスウさんに舞さんですね」
他の世界の面々の名前も挙げていく。
「御願いできるでしょうか」
「ここは」
「ああ、わかった」
草薙が笑顔で二人の言葉に応えた。
「じゃあ暴れさせてもらうな」
「他の人達は留守番を御願いします」
「兵は三割置いていきますので」
「えっ、じゃあ蒲公英は!?」
「だから留守番だろ」
従妹にすぐに告げた馬超だった。
「御前呼ばれなかっただろ」
「そんな、折角の戦なのに」
「ちょっとは大人しくしてろ」
こう自分の左隣に座っている従妹に言うのだった。
「今まで散々悪戯してたんだからな」
「うう、何か面白くない」
「まあ蒲公英くちゃんはですね」
「ここは留守番を御願いします」
軍師二人はわかっていて言う。
「そういうことで」
「それじゃあ」
「俺留守番なのかよ」
矢吹はだ。ここで実に落胆した顔をみせた。
「折角草薙さんと一緒にって思ったのにな」
「そういうのは火を出せるようになってからだな」
「うむ、そうだな」
その矢吹に二階堂と大門が言う。
「それからだな」
「今は修業だ」
「そうですね。火が出せるようになってから」
二人の言葉にすぐに元気を取り戻す矢吹だった。
「俺、その時に頑張ります」
「だから出ねえって」
草薙の言葉は容赦がない。
「この火は特別なんだからな」
しかし矢吹の耳には入らない。そしてである。
劉備がだ。こんなことを二人に言うのであった。
「あの、私は?」
「えっ、桃香さんですか」
「一体何でしょうか」
「私呼ばれなかったけれど」
きょとんとして二人に尋ねるのであった。
「それじゃあ私は」
「あの、桃香さんは」
「勿論なんですけれど」
孔明と鳳統はきょとんとした顔で劉備に返す。
「出陣を御願いします」
「絶対にです」
「そうなんですか」
「総大将ですから言うまでもないって思ってましたけれど」
「あの」
軍師二人も驚きを隠せない。
「ですから」
「それは」
「そうだったんですか」
「はい、そうです」
「じゃあ御願いします」
これで話は決まった。しかしであった。
ここでまた一人だ。名乗り出てきたのであった。
「待ってくれないか」
「あっ、焔耶さん」
「やっぱりなんですね」
「そうだ、桃香様が出陣されるのならだ」
魏延は身を乗り出しながら二人に言うのだった。
「私もだ」
「あの、けれど」
「もう人は」
「桃香様は私が御護りする」
あくまでこう言うのであった。
「だからだ。何があってもだ」
「そうですか。じゃあ」
「御願いできますか?」
「桃香様、ご安心下さい」
魏延は今度は劉備に顔を向けて断言した。
「この焔耶、何があろうと桃香様を」
「はい、じゃあお願いね」
桃香だけがにこやかである。
「焔耶ちゃん、出陣の時もね」
「わかりました、それでは」
「ちぇっ、焔耶はよくて私は駄目なの」
それが面白くない馬岱だった。
「何だってのよ」
「だから諦めろ」
またここで従姉が言う。
「全く御前は」
「だって戦だから」
「それでも今度は留守番しろ」
あくまでこう言う馬超だった。
「いいな、絶対にだ」
「ちぇっ、つまんないの」
「とにかくですね」
「それではすぐに準備をしましょう」
孔明と鳳統は話を中断させてとりあえず馬岱を援護した。
「用意ができ次第出陣です」
「徐州に」
「はい、わかりました」
劉備が笑顔で応える。こうして出陣が決定したのだった。
劉備達は徐州に出陣する。そしてまたしてもだ。彼女達は運命と巡り会うのだった。
第五十七話 完
2011・1・17
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