恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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720部分:第五十八話 三姉妹、反乱を起こすのことその一
第五十八話 三姉妹、反乱を起こすのことその一
第五十八話 三姉妹、反乱を起こすのこと
三姉妹はだ。何気にであった。
舞台で宝貝を使ってだ。こんなことをいつも言っていた。
「あそこのお饅頭美味しいんだって?」
「うん、そうらしいのよ」
「とてもね」
張角の言葉にだ。張梁と張宝が応えている。
「何か食べたくない?」
「そう思う」
「そうよね。私お饅頭大好きだし」
ここぞとばかりに言う張角だった。
「食べたいよね」
「甘いもの大好き」
「私も」
こう話すとであった。それがだ。
すぐに観客達に影響してだ。それによってだった。
次の日の朝三姉妹は饅頭に囲まれた。そしてそれを満面の笑顔で食べるのだった。
「ううん、こんなにあったら」
「あたし達じゃ食べきれないわね」
「絶対に」
三人のいる部屋が完全に埋まっている。それではだった。
「じゃあどうしようかな」
「そうね、捨てるのも勿体ないし」
「それなら」
こう話してだった。出された結論は。
「皆にあげる?」
「そうよね、応援してくれる皆にもね」
「そうするといい」
こうしてだった。その饅頭は観客達にも振舞われることになった。しかもだ。
「うわ、これただかよ」
「舞台の応援に来たらただかよ」
「凄いな、これって」
「ああ、普通ここまでしないって」
「やっぱりあの娘達違うよ」
こうしてだった。彼等は三姉妹のその気風のよさにさらに惚れ込むのであった。三姉妹にとってはいいこと尽くめの展開だった。
そんな彼女達を見てであった。
「どう思うよ」
「どう思うって?」
「どうかしたの?」
白い髪の男にだ。黒髪の小柄な少年と前髪で目を隠した妖しい女と話をしていた。そうしてそのうえでだ。男は二人にこう言うのだった。
「バイスとマチュアがついてるあの三人だよ」
「うん、あの三姉妹だね」
「あの娘達ね」
「そうだよ、あの三人どう思うんだよ」
男はまた二人に問うた。
「何か思うようにいってないんじゃないのか?」
「自分達の欲望には忠実だけれどね」
「っていうか何も考えてないわね」
二人もそれは見抜いていた。
「普通の女の子達だね」
「何処にでもいる」
「そうだよ、あれじゃあどうしようもないんじゃないのか?」
男は首を捻りながら言った。三人は今暗闇の中にそれぞれ立って向かい合っている。そうしてそのうえで話をしているのだった。
「反乱を起こすとかな」
「そうだね、それはね」
「普通の女の子三人じゃね」
「妖術を使えるっていってもだ」
三姉妹のその妖術についても言及がされる。
「遊び程度だしな」
「うん、自分達の舞台に使える程度のね」
「他愛のないものね」
「おまけに術を使って観客共に何をするかって思えば」
どうかというのだ。
「饅頭だの菓子だの取り寄せさせてな」
「それをお腹一杯食べてね」
「そうしてからね」
さらにであった。
「その観客共に配ってなあ」
「そこで捨てたりしたら面白かったのに」
「何か変に無邪気だから」
そこもまた三人について言うのであった。
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