恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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714部分:第五十七話 豪傑達、荘に戻るのことその四
第五十七話 豪傑達、荘に戻るのことその四
「聖フランチェスカ学園って学校があったな」
「そこの生徒達にそっくりな面々がいた」
「ああ、あそこな」
二階堂も二人の話から気付いた。
「あの学校に関羽達にそっくりな娘いたよな」
「っていうか皆いたぜ」
「うむ、間違いない」
「むっ、別の世界に別の我々がいるのか」
趙雲はやはりメンマを食べている。
「そうなのか」
「じゃあ私もいるのかしら」
「あっ、黄忠さんそういえば」
矢吹は鰯を貪りながら黄忠を見て言った。
「あの学校の保健の先生そっくり」
「ああ、そうだな。そういえばな」
「全くの生き写しだ」
草薙と大門も続く。
「そっくりさんなんてものじゃないな」
「ここまで同じとはな」
「あの、ひょっとして」
矢吹はだ。今度はうどんをすすっていた。とにかく彼等の世界の料理が揃っている。彼等は何でも食べているのであった。
「皆さん向こうの世界と行き来してません?」
「そんな器用なことができたら凄いぞ」
厳顔は酒を楽しんでいる。
「わし等は仙人ではないからのう」
「仙人は流石にいないな」
キングは豆腐のステーキを食べている。ここでもベジタリアンだ。
「それに近い人はいるが」
「ああ、タンさんね」
舞が食べているのはお雑煮だ。
「あの人なんかは」
「チンさんも?」
パオはチンを見ていた。
「それって」
「わしは仙人ではないぞ」
チンは笑いながらそれは否定した。
「決してのう」
「そうなんですか」
「わしは格闘家であって仙人ではないのじゃ」
これがチンの言葉だ。
「タンも同じじゃよ」
「玄武の翁は」
守矢が話す。
「どうなのだろうな」
「近いわね」
雪も考える顔で義兄に応える。
「あの人は」
「そういえば翁は今は」
「袁紹さんのところにおられるわ」
「そうか、あそこにか」
「ええ、元気らしいわ」
微笑んで彼に話す。
「だから安心してね」
「誰もがこの世界に来ているのだな」
守矢はここで少し俯く。
「そうなのだな」
「そうね。確かにね」
「しかし今はいいな」
だが、だった。守矢はここで話を打ち切った。
そしてそのうえでだ。こう言うのであった。
「今はそれよりもだ」
「この宴をね」
「楽しむ方が先だ」
微笑みながら。義妹に話す。
「その方がな」
「そうね。今はね」
「私も変わったか」
そしてだった。彼はこうも言うのだった。
「やはりな」
「いい方に変わったわ」
「そちらにか」
「以前の兄さんは張り詰めていたわ」
それがかつても守矢だというのだ。
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