ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版
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教員研修のヴァルキリー
両手に花状態のデート×クリフォトの拉致理由
ロスヴァイセの祖母が訪れた次の日に三人でデートしに行く事となった。ま、ホントは二人で行きたいとこであるが半分デート半分仕事みたいな感じ。白音もレイヴェルも行きたかったオーラ出てたけど、蒼い翼に立ち寄るのであればCB側として色々と学ぶ必要性を感じた。今は昼となり、ルフェイとゲオルグと共に今後の魔法について考えてた。
「確か本来ですと主人公が私と契約手続きをしてるんでしたっけ」
「まあな。レイヴェルが書類や専用魔法陣を用意して、儀式に使う形式上の血やロウソクを準備してたとか」
「それについては興味持ってたが、一真には契約などしなくても俺とルフェイが居れば充分だと思ってるよね」
「当たり前だ。いくら良い契約相手に恵まれたとしても、俺にはお前らだけで充分だし契約書には『私はこのヒトと契約します。契約後、あんな事が出来てこんな事は出来ません』と人間界で使われてる契約書が悪魔文字で書かれてるとか」
俺とルフェイにゲオルグと言った仲間達には、本来起こる出来事を各端末に鍵付きで見れるようにしてある。そして本来起こる頃になると解除出来た各自で見られる状態となり、ナイフで掌を軽く切って血を滲ませた血を使って自身の名を悪魔文字でサイン。正式な儀式は悪魔と契約者が動物の血で描いた契約用魔法陣内に入り、契約に必要な呪文を互いの口にして完了となる。
「ま、本来のだとグレモリー眷属『兵士』とルフェイが契約するんだ。二人の額にグレモリーの紋章が浮かんで役目が終えた魔法陣は消えていく」
「お仕事のパートナー、五年契約らしいですね。私次第で魔法の実験をするなら呼ぶ形になりますし、それより私はロスヴァイセさんのお祖母さんがまさか高名なゲンドゥル様とは思いませんでした」
「俺もそう思った。ゲンドゥル様と言えば、北欧に伝わる魔術ルーン式・精霊魔術ガンドル式・降霊魔術セイズ式の使い手として、俺ら魔法使いにとって有名な御方だものな」
「確かロスヴァイセは、ルーン式に『ヴァルキリー』が独自に生み出した術式系統を組み込んだ物を使うと聞く。そこに自身で考案した簡略術式を取り入れて使ってるそうだと」
魔法使いの契約も興味津々だが二人にとって契約よりも昨日会ったゲンドゥルに関して。二人がそう言うのなら超有名な御方の孫娘を婚約者にさせたのは、普通ならマズイ状況を作ってしまったと焦るが文句など無く逆に喜んでたからか。二人は懐から手帳を取り出して、とあるページを開くと魔法陣がいくつも描いてあった。二人共俺の魔法使いではあるが、契約しなくとも研究しても良いと言ってる。
「今更だが俺の無効化を研究したいと言い出した時は無理だろうと思った。その紋様は見た事あるな」
「仲間になってからも研究はしてるさ、でも流石に神の力と言われてる代物を研究対象にはしないさ。魔法使いは珍しい陣を見たりすると、俺とルフェイは無意識にメモってしまう癖が付いた。ロスヴァイセの魔法は独学だ、恐らく俺達の魔法を見様見真似で方程式を組み込んだんだと思う」
「異能全てを無効化ではない物なら多少進んではいます。ゲオルグの言う通りですが、別に独自の式を考案する魔法使いは珍しいとは言えません。自分に合った式は魔法使いなら誰もが一つあるぐらいに」
「ロスヴァイセが使う魔法陣に組み込まれている魔術文字は、とても高度な代物だと最近の研究で分かったんだ。自身が構築された式は一見北欧で使用されてるもんかと思ったが、ずっと観察して見てると計算し尽くされた魔法陣だとね」
無効化は無理だとしても対象を限定されれば研究対象にされてるみたいだな。二人の手帳に記されてる魔法陣は、魔法を使わない俺でも分かる説明なので理解した。各属性の魔術文字についてもだが、専門的な知識は主に二人が説明してくれるから大いに助かる。黒歌も言ってた気がするが、ロスヴァイセの術式は魔法力燃費を最小限に抑えて効率の良い攻防力向上を追求したとか。
「例えで言う人間界のゲームで言うマジックポイントをMPとし、消費MP10で威力50の魔法独自にある式で消費MP5で抑えた威力で放つ。そう言う事か?」
「その通りですよ一真さん。まあ言葉で簡単に言っても実際撃てるか、と聞かれてイエスと言う使い手は余りいません」
「燃費が悪いままよりかはマシな方だし、俺達も一真から教わった事により自分の燃費を良くして威力100の魔法をたったの1だけで放てるようになったんだし」
「俺らCB側の最初は無駄を省く事から教えるのだし、本来と今では全然違う生き方をしてたのだから。ロスヴァイセは各種魔法攻撃を放ってたが、俺らの教えをした後になると燃費無しでどんどん攻守共に魔法を使える」
「一真さんと出会っていなければ燃費の悪い状態で魔法使ってたかもしれませんし、今の私達は無駄を無くして最小限の魔力で放てるようになりました。MP1で魔法や技を撃てるようになったロスヴァイセさんは、相当な実力者なのは仲間前から分かっていました」
「それに本来だと冥府に落とされたが、一真と出会って捕縛されなければ神滅具没収までされてしまう。今のインドラは良い奴だと聞いたが、アイツのままだと殴る勢いで須弥山に行くかもな」
本来の事を語るゲオルグだが変えたのは俺であり、全てを知っているから捕縛してそのまま仲間にしたのだから。無効化については黒の駒でステータス底上げされたとしても使えないようにしてある。
それよりも二人の準備が出来次第になるが、出かけるなら年末年始に買い物必要だから今度買い物でも行かないかと誘った。二人も休息は必要だし、久々の外での買い物は賛成してたが仲間前は貧相な生活をしてたらしい。
「年末年始の買い物は行った事なかったんだよな?だったら必要な物をリストアップしてくれ、それを元に買い物を各チームでさせるつもりだ」
「はい楽しみにしてます。それよりそろそろ時間なのでは」
「もうこんな時間か。魔法に関してはまた今度な二人共」
「ああ。俺達の事は気にせずにデートを楽しむといいよ」
自室に行って着替たが、もう冬なので長袖二枚着て黒のジャンパーで下は冬用ジーンズにスニーカーと言う格好。腕時計は高級デジタル時計だが、奏の結婚指輪を指にハメて玄関へ向かう。
ロスヴァイセが相当な実力者なのは知ってたが、何故ゲンドゥルと同じ魔法習得をしなかったのだろうと疑問に思う。ルーン式やガンズル式は見た事あってもセイズ式は見た事なかった気がする。
考えても仕方ないが、デート中に答えが見つかるかもしれないのでさっさと玄関へ行く。ロングブーツが二つある、もうそんな時期かと思いながら二人の服装を見た。
タッチコートに短いフレアスカートで、朱乃も同じような服装だけどそこは想像に任せるよ。順位とかは無いが、側室の者ならデートや家で遊べるゲームを一緒にやるとかも。今回行くのは車ではなく電車だが、車よりもデートらしいからな。
「お待たせしました、ロスヴァイセもお似合いの格好ですわね」
「私だってたまにはこういう格好をしますよ、一真さんもよく似合ってますよ」
「半分遊びで半分仕事と言う感じだし、蒼い翼本社見学したいと言ったのはロスヴァイセだぞ」
と言いながら俺はメイド達と各チームへ伝達、俺らのデートを邪魔しないようリアス達を見張っておけと。いくらグレモリーの『女王』と『戦車』の二人とデートしに行くのは、少々嫉妬されてしまう恐れがあって尾行される可能性が高い。CB側となったのでグレモリーではなく我らCB兼蒼い翼として行くのだから、俺ら三人は互いの手を握って歩いて行く。
黒髪と銀髪を綺麗に整えて、唇もリップクリームを塗って艶があるかのように見せていた。今時の女子スタイルは見慣れてるし、俺も大人のような格好をしてても銃と擬態させた剣所持。人間界本家から駅まで送迎車だがここから電車へ乗って行く、東京のある所までの移動中は音楽聞くか携帯ゲーム機を持っていく。ショルダーバッグに揃えてあるが、二人もそれぞれのリラックス方法してた。
『一真さん』
『ん?どうしたロスヴァイセ』
『周りを見て下さい、車内からの視線は一真さんではなく私らに向いてるらしいですわ』
「・・・・外国のモデルさんかな?」
「すっげぇ美人・・・・」
「同じく黒髪の人も大和撫子という感じだ」
『そう言う事か』
念話で呼ばれた為に顔を上げるとそう言う視線を感じてたが、俺ら周辺には私服姿の隊員達がガードしている。一般人に扮してるし、何かあれば動いてくれるけど視線だけでは動かない。俺が気にしてないし、両隣に美少女が居るから男からの痛い視線も感じるけどな。
好奇の視線ならいいが、ヒトを寄せ付けないオーラ放つ為か誰も近付かない。たまに勇気を持った男が話し掛けようとしても俺の視線を感じて目を背ける者もな。やがて目的地に着いたので俺らは降りていくが、常に歩く時も手を繋いだままだからとても目立つけど気にしてないから問題無し。
見たい映画があると言う二人の為、デカい映画館へ行くがてっきり恋愛系かと思ったよ。でもSF系だから俺も楽しく見させてもらったし、警護している隊員達も時間に合せて違う映画を見てた者も居る。確か本来だと駅ビルのフロア一つある百均ショップ、しかも女性向け大型店『ベラ』と言う店名で意味はイタリア語で美女だとか。
『CB側の新参者ですけど、本来の私は女性向けブランドのオシャレアイテムを扱う百均ショップへ行くんでしたっけ』
『本来ならな。CB側になると各端末に本来起こる事を纏めてあったんだが、もう見てたとはな』
『主人公を置いて商品を手に取り始めてしまいまして、東京に来て百均の大型店に行くのが目的とは思いませんですわよ。しかもデート先なのですが』
『ついついとか言いながら一万円分買ってしまう程らしいが、俺らが買う品物は百均ではなく高級路線から庶民路線と色々ではある』
映画館から出て、俺らは少し早めの夕食を食べるとこにいたが当然ホテルの個室でありオーナーやってるとこだ。俺は普通に頼むがロスヴァイセは初めてなのか選ぶのに迷ってしまったので、朱乃と同じ物を頼む事で納得して食べていた。
「こんな高級レストランは初めてですが、先程の店長を見ると一真さんがオーナーをやってると思いましたが」
「まあな。と言うかほとんど蒼い翼関連の店は俺の顔知ってるし、年間フリーパスみたいな感じだが新人は知らんみたいでね」
「会計も一真さん持ちですのでロスヴァイセも金額に関しては気にしなくて良いのですよ、プライベートデートなら経費よりポケットマネーですから」
「ま、俺はカード払いが多いし余り現金を持ち歩かない。大抵の会計はコレで払うから問題ない」
メインとデザートを食べてから紅茶を一杯、隊員諸君も交代制で見てたし一つ奢りだと言ってある。休憩後、欲しい服とアクセサリーがあると言うので俺がよく行く婦人服が置いてあるとこに行く。欲しい物は高級ブランドや庶民でも買えるブランドも取り揃えてるフロア、俺らが入ると店長と店員が貸し切り状態にして店を閉じた。
「おいおい、別に貸し切りにしなくてもいいんじゃねえの」
「何を言っているんですか、蒼い翼関係者がここでスクープされてしまうと困ってしまいます」
「ビジネスネームじゃなく本名で来ても変わらんか、まあいいとして・・・・二人は好きなのを試着したりして気に入ったのがあれば店員に言え。値段を気にするタイプだが、デートの場合は気にしなくていいからな」
「あらあら一真さん。ではそうしましょうか、ロスヴァイセも好きなのあれば試着しても構いませんよ」
「ですね。お化粧に服やアクセサリー、時間があるので纏めて見ていきますね」
との事により買い物気分を楽しんでる朱乃とロスヴァイセ、最大限に盛り上げていく中で俺はロスヴァイセの経歴を端末で見ながら二人を観察。
初デートも初キスも初情事も全て相手は俺であるが、グレモリー眷属では決して出来ない事でもある。男性は祐斗とギャスパーのみだし、こう言う事するのは恐らくこちら側に来てからなのだと思った。
故郷で勉強をしていて周囲のヴァルキリー候補生達は、ヴァルハラの戦士と化したカッコイイ英霊達の話で盛り上がる。同期は異性にうつつ抜かしてる間、一歩前進する為に机で勉学を励んでいた。
青春を勉強に費やしたからヴァルキリーにはなれたが、今思えばもう少し遊べば良かったと少し後悔してるんだと。今目の前で朱乃と楽しんでるのを見ても充分青春してる乙女にしか見えん。
『今ロスヴァイセの事を考えていたのか相棒』
『起きてたのなら話し相手でもいいが、歳は周りに居る女子らと余り変わらんが俺はどうだろうな』
『一真は不老不死の神だからか、外見と中身が同じだと思う時もあるけどね』
『確か学生気分で居られるのは何回かあるんだよね~』
『大江戸チームやISチームの外史に居た時にな、国連軍と学生での板挟みだがここだと学生兼軍人兼会社員って感じだ』
オーディンに置いてかれたロスヴァイセだが、北欧神話主神の側近として居たのも大きな経歴である。現在進行形で偉大なる英霊より偉大なる神の頂点と婚約者になったヴァルキリーは一人しかいない。複雑な過去持ちであり、とある時に見せてもらったワッペンに複雑な紋様で幾重にも刻まれたルーン文字を円形に列ねた独特な形。
それはゲンドゥルの魔法陣で紋様は家に代々伝わる固有家紋のような代物。家の長子たる者は代々受け継ぎ心と体に刻まれて後世に残す事になってたが、ロスヴァイセは長女で長子なのに受け継ぐ事が出来なかった。詳細を調べるとアースガルズに住む半神の一族は、それぞれの家で独自魔法・独自技術・独自伝統を作って研磨して後継に継承する事。
代替わりとする時に、家の跡目を継ぐ証として独自の紋様を心と体に刻み込む。これは代々跡目を継ぐ、ロスヴァイセの母親も家の紋章を受け継いで長女であるロスヴァイセにも受け継ぐ予定とされていた。だが何度も継承儀式しても心身と魔法術式に紋章が宿る事はなかった。北欧支部から詳細な報告書でな、兄弟が居なかったから紋章は遠縁の子が引き継ぐ事となる。
『なるほどね。だからロスヴァイセは代々家の術者が得意魔法を習得しなかったと言うより苦手で相性が悪かったのね』
『降霊魔術セイズ式が未だに馴染めないらしく、魔術ルーン式と精霊魔術ガンドル式は覚えられたんだと。だから初めて会った時、戦乙女で使う戦闘用攻撃魔法ばかり使ってたから不思議に思ってた。今だと一族屈指の攻守魔法共な使い手だが、ルーン・ガンドル・セイズをバランスよく使い熟せた家系からして異端児な訳』
『ヴァルキリーになれたのはいいが、現役時代の祖母と比べると成績は散々なもんだと聞いてる。御家に代々伝わる魔法ではないのを使ってるが、他分野で開花したケースで似てるのはサイラオーグぐらいか。奴は大王家に生まれたが、代々伝わる魔力が無くとも肉体を最大限に鍛え上げ近接格闘術のエキスパートとなった。ま、継承問題に関しては俺らの想像を遥かに超えてるんだろうよ』
『ヴァルキリー時代も勇者の魂を集める事が苦手、オーディンに呼ばれるまで不遇な生活を過ごしてたロスヴァイセ。で、縁により火力重視のグレモリー眷属に来たのは運命的なのを感じてなのかもしれん。攻撃魔法ばかり覚えるヴァルキリー、唯一「兵士」が居ない眷属に火力が欲しかったリアスによって巡り合わせは偶然が重なったんだと思うぜ。』
代々の術者は精霊との交信か降霊術を得意とした家系、ロスヴァイセだけが突出して攻撃ばかりを習得してしまい効率や燃費の見直しが出来るようになった。明るくなれたお蔭か両親も褒めるよりも呆れてるらしい。
今では出来なかった降霊術も覚えるようになったが、表面上は使えるけど使うにはまだ早いとの事。黒の駒に『悪魔の駒』システムを入れたハイブリッド・ピース、攻守共にどのヴァルキリーよりも強さに目覚めて無意識に防御魔法も習得している。
俺らCB側になる以前から転生悪魔として過ごして来た事により、防御魔法を覚えて来なかった事をとても後悔していた。今では何ともないが俺らと出会った後から両親と祖母も普通に接してきたそうだ。
極東の島国と言われた日本で転生悪魔になり、駒王学園で教員しているが付近には始祖神と言われた創造神黒鐡が居る事を。オーディンのお付きに選ばれた事も嬉しかったが、他のヴァルキリーも居るが適任者がロスヴァイセしか居なかったそうな。
『現時点でオーディンのお付だと、最長のヴァルキリーらしいが今のお付きヴァルキリーも苦労してるらしい』
「一真さん、先程から念話してましたが何か難しい顔をされてましたが」
「朱乃か。暇だったんでドライグ達と談笑してた、買い物は終えたのか?」
「ええ試着やらで随分と時間が掛かりましたの・・・・そしたら椅子に座ってる一真さんは考え事をしておりましたから」
「それについては後程話すとして、せっかくのデートが台無しとなってしまった。さて、全部人間界本家に送ってくれ。代金はいくらだ」
「全部合わせると・・・・この額になります織斑様」
「何時も通りカードで、今はポケットマネーだから領収書はいらんがレシートはくれ」
ドライグらと念話でロスヴァイセの経歴について話してた事は、朱乃達にはチャンネルカットしてあるから聞こえていない。ヴァルキリー時代より今を楽しむ生活してるし、教師や社長秘書兼護衛もだが今までの人生で一番かと。全部買った後にカフェテラスに立ち寄るが、流石の朱乃とロスヴァイセも少々疲れ気味の様子。買い物三昧もいいが休憩も必要だ。
駒王学園の生徒からも評価が高く、公民科教師をしてて教え方が上手く要点を絞った伝え方なのか担当クラスはテストの点も高い。生徒と歳が変わらないし美人外国人教師との事で、男女共に好評を得ていて先輩からも可愛がられていて同じ教師のアザゼルに一言物申す程だ。『学校』についてもデートが終わり次第行くので、講師兼護衛の任も丁度良い環境だ。
「ロスヴァイセ、今は楽しいか?」
「ええ楽しいですよ。何よりヒトに物を教えるのも生き甲斐として感じますが、ヴァルキリー時代より数倍楽しんでいます。それに一真さんは、私の事について考えていたようですが過去は過去です。祖母と多少劣っていたとしても、今はとても劣る事なくそれ以上に感じてますよ」
「故郷で青春を謳歌しないまま飛び級で卒業、ヴァルキリーとなってオーディンのお付きで日本に来た。で、置いてかれた事により転生悪魔となって駒王学園の教員になった。まあリアスに半分洗脳のような感じで説得されて悪魔だし、福利厚生に給料も北欧時代とグレモリー眷属と比べても数倍はある俺ら側だとな」
「今までの事を振り返るとそうでしょうけど、CB側となったロスヴァイセさんは新たな力が目覚めた事によりこれ以上無いぐらいに楽しめばいいのですから」
「・・・・そうですね、貴女はお祖母様と比べて一つも劣って等ありませんよ」
ん?第三者の声が聞こえたので、辺りを探ると俺の背後に座る者。知っていて知らないフリしてたが、明らかに味方ではなく敵オーラを感じるんで振り返るとその男を見る朱乃とロスヴァイセ。警戒してたが銀髪の青年は背広を着てたし見覚えあると思えば、先日の吸血鬼サイドで敗北させた奴である。
「ごきげんよう、CB総司令官織斑一真。それにグレモリー眷属『女王』姫島朱乃に『戦車』で元ヴァルキリーのロスヴァイセ」
「見た事あるなと思えば何でここに居るんだ?ユーグリット・ルキフグス、白昼堂々と東京に姿現しやがって。何かしやがったら時間停止してまでとっ捕まえるからな」
「そんなに警戒しないで頂きたい。今日はそちらに居るロスヴァイセと話しに来ました。単刀直入に言いますが私達の元に来ませんか?」
ここで神器使う訳もいかないんで、とりあえず何人か来させて警戒しているが。話だけでも聞く為、隣に座らせてから直球過ぎる事を発したからか顔面蒼白したロスヴァイセ。ここで俺はとある言葉を思いついた。
「・・・・ここに知恵がいる。思慮ある者はその獣の数字を数えよ。その数字は人間を表している。その数字とは『666』である・・・・黙示録の一節でトライヘキサに関して書かれてる。お前ら悪魔がこれを言うと頭痛の元になる。まあ朱乃とロスヴァイセは頭痛にはならないがな」
「流石ですね。CB総司令官は何でもお知りのようだ、ヨハネの黙示録に記載されておりますが貴女はアースガルズでの学生時代に一つの論文を書いたそうですね。タイトルは『黙示録の獣について』でしたか」
「・・・・最近ウチの図書室でロスヴァイセを見たと言ってたが、聖書関連についてでトライヘキサの話をルーマニアで聞いて思い出したんだろ
「はい。ですがアレは結論が纏らなかったので破棄しました・・・・提出した論文は違う代物ですが、何故それを知ってるのです?」
学園の図書室やウチの視聴覚室で聖書関連を読んでたが、666について調べてたのだろう。でだ、結論が出なかったので違う論文を出したはずだが何故コイツが破棄した論文の事を知っているか。その問いに奴は笑みを浮かべながら説明する。
「トライヘキサに関する情報を粒さに集めてるのが我々ですから。例え過去に破棄した論文であろうとそれが私達の望む物に繋がるのであれば、世界の果てにあろうと拾ってきますよ」
「なるほど、貴様、当時ルームメイトの記憶を見たのだな。だからロスヴァイセが『666』の論文について知ってる訳か」
「はい。ですが記憶を見ると言う行為は非常に骨が折れるぐらいの作業でして、織斑一真は簡単に記憶を見れる事だけは羨ましさを感じますよ。まあ断片的でしか見れま
せんでした」
ここで何か起こせば一般人に被害が起きる。騒ぎの元となりたくないし、蒼い翼関係者が居るなら更にマズイ状況となる。ここは俺の顔に免じて許す結果となり、俺ら三人は早々と立ち去ろうとした。それに襲われたルームメイトは無事である事を告げてから、ロスヴァイセの髪を手で掬おうとしたユーグリットを阻止したのは朱乃だ。
「ロスヴァイセに手を出すのであれば、この私が相手をしますわよ?」
「手は出しません。私は貴女の能力が欲しい、貴女は優秀で貴女自身が思っている以上にね。黒髪より銀髪の方が私としては美しいと思いますが、まるで・・・・と、どうやらここまでのようですので立ち去るとします。また会いましょう、それまで答えをお待ちしております」
それだけを言い残しながら人混みの中に消えていくユーグリット・ルキフグス。警護の者に尾行させたが撒かれたようだが、俺らは人間界本家に伝えてから蒼い翼本社へ向う。社長秘書の体験させるのが目的であり、朱璃が教えながら朱乃も復習も兼ねて同じ服装にしてる。
本社案内をさせてる間、各分野の部長クラスに報告を聞きながら会議室へ。帰宅時、朱乃とロスヴァイセの目的も終わらせた事で外に出ると夜になってた。CBとグレモリーの面々で夕食しながら俺らのデートについて語った後、カフェでユーグリットに出会ったと言ったら顔を強張らせてた諸君。
最近は冥界に建設された学校で忙しいからか、シトリーとバアルの眷属達は冥界行きが多い。ソーナもだが行っても良いと許可出してあるので問題無いが、『D×D』の連中に三大勢力らに次元の駒を入れてある。
「迂闊だったわ、まさか東京に現れるなんて」
「東京全土での縄張りじゃないんだから、それにお前は駒王町が縄張りだろうに」
「それで?一真はそのまま奴を帰したのか?」
「ああそうだ、一般人が居るのであれば逃がす手しかないし警察みたいに職質も出来ないからな。蒼い翼諜報部の奴らに任せてきたが、奴に関しては小型偵察機を飛ばしてるから監視している。衛星や防犯でヒト以外の専門で映るので、三大勢力の協力圏外だから余りしゃしゃり出ない方が身の為だと警告しておく」
日本の首都や駒王町も各勢力が協力して警戒網を敷いてたとしてもだ、一度襲撃された町であろうと一般人に知られてないだけマシだと。各勢力に手は出すなと言ってるし、日本の首脳陣達は一部だけだが知っていて記憶共有者集団にて一任されている。例え人間界にテロが現れたら全世界の一般人や一般兵を眠らせて安全な場所までご案内と言うシステムを構築中。
「人間界でテロリストが『禍の団』のクリフォトだとしても全然問題無いし、起こす前に即冥界に転移魔法で移動させるようシステムを構築させてる最中だ。特にクリフォトは被害出ても躊躇しない連中だが、システムが完成までそろそろと言ってたから大丈夫だろうよ」
「だねぇ~一真君の言う通り、弊社では新たなシステム構築中らしく完成は年内中って言ってたかな。完成すれば全世界に警戒網が張れて、人間界の何処かでテロを起こそうとして『禍の団』だと区別させるようにしてあるって。監視システムに関してはイアンさん達中心の技術班の皆さん達に一任されてるし、基礎理論は一真君からだけどね」
「イリナの言う通りになれば人間界で起きるテロリスト全て粛清されるでしょう。プライベート時に出現されても私達はすぐ動ける状態でありますから」
イリナと朱乃の言う通り、このシステムに関して知ってるCB側だけだから他勢力は知らん。旧魔王派は三大勢力を中心に狙ったが、前四大魔王が生きてた事を知って惑星ナイトメアで新たな三大魔王として問題を解決。英雄派は異形存在達と挑戦的な感じであったけど、敗北後に仲間として迎えて神器持ちを至らせて禁手化までやらせた構成員達全員国連軍各支部の治安維持部隊に配属させたりとして解決。
各勢力に何か起きても対応可能となったが、クリフォトのみ違う事は目的を成し遂げる為には人間界や全種族達の敵になる。己の欲求を満たす為だけだが、吸血鬼世界は壊滅せずに済んだ事で事前に対策を構築済みだからノーダメージとなった。
「でもこれからは警戒レベルを一つ上げなきゃいけないと俺は思うぞ、奴らは人間界や冥界をリスク有りでも余裕で侵入できるからな。それだけのリスクがあるにも関わらず、一真達の目の前に現れたのだからな」
「ヴァーリの言う通りだにゃ、コンディションブルーからコンディションイエローに引き上げた方がよさそうだにゃん」
ここで軍用語が出て来たからイリナが答えるけど、コンディションブルー・コンディションイエロー・コンディションレッドの三種類がある。詳細は省くが俺らが学校行ってる間はブルーだが、最近だと『禍の団』関連が多いからイエローとレッドの間。
「それにユーグリットは『666(トライヘキサ)』について、学生時代に書いた論文狙いなのだからロスヴァイセの価値がアイツらには相当高いと思える。この食事が終わり次第、冥界に居るサーゼクスとアザゼルに報告する」
「今気付いたがアザゼルは今ここには居ないのか?」
「アイツは駒王町には居なくて冥界堕天使領のグリゴリに居る。神器やクリフォトの動向について研究者達と連日に亘る話し合いをしてるそうで、異世界=外史については俺らに一任されてる」
外史については俺達次元パトロール隊に任せられてるし、月中基地本部は警戒を強くして更に監視者を増員してもらった。夕食が終わり次第サーゼクスとアザゼルに通信する為、投影型端末にて呼んだけどサーゼクスもアザゼルもちゃんと仕事をしてた。
『やあ一真君、こんな時間にどうしたんだい?』
『サーゼクスの声が聞こえるという事は、いつも通りの仕事をしているようだな。ところで俺達を呼んでどうしたんだ?一ちゃん』
「今日朱乃とロスヴァイセとデート中、街中にてクリフォトのユーグリットに会った。東京のど真ん中で」
『詳しく教えろ一ちゃん!?』
そう言ったアザゼルに落ち着けと言って、俺は一から説明してる間にサーゼクスの隣にグレイフィアも居たので一緒に聞いていた。俺と朱乃とロスヴァイセが交互に説明して、話し終えると喉乾いたのかドリンクを飲みながらな。
『なるほどな、それだったら狙われる理由が分かるな。ただでさえ「666」の情報が欲しい奴らなのだろうし、ロスヴァイセが狙われても可笑しくないからな』
『今度会ったら絶対私が捕獲してみせます』
「落ち着けグレイフィア、俺達で捕獲してお前の目の前に置くからさ。それより名うての魔法使いが行方不明ってのはそちらではどうなんだ?」
『それについては私が答えよう、行方不明となった魔法使いには共通点が一つある。それが「獣の数字」666に関する研究者達ばかりらしくそのリストは・・・・グレイフィア、例のリストをコピーでいいから持ってきてくれるかな。出来たら合図してくれ』
『畏まりました、少々お待ち下さいませ。一真様』
そうしてしばらく待ってるとコピーしたのが出来たらしく、空間に手を突っ込むとリストに触れて空間から手を抜くと手元にリストを持ってた。そのリストをしばらく見てると考え込む俺、端末を起動させて創造神データバンクにアクセスさせると行方不明者・魔法使いを検索させるとヒットして納得した。
「このリストを調査すると、どれも一般的に見た者ではなく見方が違う者ばかりのようだな。魔法使いの集会に来る者らもコレ関係か」
『その通りだよ、一真君』
『何のリストかと思えばそれか、俺も原本があるからな。それにしても共通点が一気に繋がるとすると、これから何かが起こるのは間違いなさそうだ』
「クリフォトの連中は、666について情報を握る者を片っ端から攫っているとの事か。少々厄介ではあるが、666は俺も手を加えてるからオリジナルコードをシャルロットが封印処置に隠し要素を俺が入れといた。黙示録の内容とシャルロットの事を知れば、ある程度の封印処置が特定しそうだがこれに関してはスルーで」
『一ちゃんが言うのであればマジなのだろう。封印術式は表だとシャルロットが使用したと思われてるが、裏ではシャルロットと創造神黒鐡のダブル封印術式をしてる事については「クリフォト」でも知らんと思うな』
「トライヘキサの強力な封印術式を解除するには時間を相当使わない限り解除は無理だが、もし復活するのであれば猶予まで時間があるのであれば現段階でトライヘキサよりも『クリフォト』について考えればいい」
黙示録の獣が復活したとしても龍神二匹と創造神黒鐡の俺が居るし、もし復活したとしても俺が本気出せば倒せる事も出来る。隠し要素付きの封印術式組んでるコードは、誰にも知らされてないから解こうとしても解かれないように。
「お前らが深刻になるには早いぞ、若造共。俺ら以外にも保険はいくつか作ってるから、それよりロスヴァイセに聞きたい事がある。『666』の数字をどう読み解こうとしていたんだ?」
「そうですね、私は異説である『616』の方で研究していたんです。そちらの数字で各種関連書物、歴史上の出来事と照らし合わせながら数式と術式を組み立ててました」
「やはりか。何となく予想してたがサーゼクスらも顔色変えたからビンゴって事だな。『616』に関して俺も知ってるが、ここはサーゼクスの説明で頼む」
『数ある黙示録の研究者達が「666」と言う数字に焦点合わせてたけど、術者の中には異説を唱える一部の者達が「616」からアプローチを始めたそうらしいよ。そこにあるリストには、今回拉致された魔法使い全員が「616」から「獣の数字」を調査してた者達ばかりだそうだよ』
獣の数字には『666』と『616』があり、異説よりも異読の方が正しいが一部だと『616』の方が本文なのでは?とされている。ヨハネの黙示録については調査中であり、拉致された者らを保護してきた諜報者から聞いた。治安維持部隊と連携&監視してるし、シャルロットが『616』で『666』の封印術式を編んだとも言われてる。
「確かに私が封印術式時にそれで編みましたが、今がどんな状態かは分かりません。私が施した後に一真が更に強固させたのなら、問題ありませんがロスヴァイセが学生時代に書いたと言う論文を覚えてる限りでいいので紙に書いてもらえませんか?私とアザゼルが調査しましょう」
「その必要はないぜシャルロット、俺がその論文の原本を保管してある。この外史に来た時に『666』についての情報があって封印術式を強固させたけど、ロスヴァイセが破棄させた論文は俺が再生させてるから心配いらねえよ。当時の物を大切にしてて、人間界本家の金庫に入れてるはずだからちょいと待っててくれ」
「少し前から書き起こしてありましたが、まさか私の破棄した論文を持ってるとは思いませんでした『俺もだ、まさか一ちゃんが持っていたとは驚きだぜ』少し掛かるらしいので紅茶でも飲みながら待ちましょうか」
人間界本家にある金庫は貸金庫並みのデカさで時間が掛かるのを知ってるロスヴァイセだからか、メイドらに飲み物を準備させてる時に原文保管してたなど誰も思っていない。俺が居ない間、リアスがサーゼクスに頼み事をしてたらしく一緒に聞いてた朱乃から後程教えてもらうか。
何を企んでるかは知らんが、本人確認とIDカードと指紋認証と暗証番号などを入れる。金庫内に古いレポート用紙を保管してるファイルを持ち出した後、戻る頃には紅茶とお菓子を食べてた。
「待たせたな。一応確認として、これがロスヴァイセが書いて破棄させた論文だ」
「・・・・これはまさしく本物ですね、難しい魔術文字と術式が書かれたレポート用紙です。原本は私が預かってもよろしいですか?」
「一応これは証拠品として再度金庫行きだが、複製したブツならいいよ。本物と確認させたんでな、アザゼルには複製品を送るんで」
『そうしてくれると助かったよ一真君。こちらよりも総督兼研究者のアザゼルに送ってもらうから助かる』
『来た来た。レポートを軽く見ただけでもだが、ロスヴァイセも大したもんだと思う。何せ祖母と同じような代物を調べてたそうだからな』
複製品を二つ創り、ロスヴァイセとアザゼルの手元に渡る。原本は再び金庫の中だが複製品を二人に渡してアザゼルが口を滑らせた。そう言えばかつてゲンドゥルも同じ事を調べてたらしいからか、血が繋がってる者は自然と同じ事を調べるようだ。今回ターゲットの共通点が『666』の研究者、冥界で行われる集会に集うメンツら。
ロスヴァイセは俺が強く大丈夫だと伝えた後、解散となって通信端末でサーゼクスから冥界に来るならグレモリー家に来てほしいとの事。朱乃に聞くと俺が離れてる間に相談してたらしく、内容は秘密にして欲しいとお願いされたらしいが念話によると詳細な事が知れたので楽しみだ。
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