恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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608部分:第四十七話 顔良、仲間外れになるのことその七
第四十七話 顔良、仲間外れになるのことその七
「だからだよ」
「だよね。若しお化けが出たら」
許緒も同じであった。にこにことしている。
「僕の鉄球で退治してやるよ」
「おう、あたいの剣もな」
文醜もにかっと笑ってその巨大な剣を背負うのだった。
「化け物の血に餓えてるぜ」
「うん、それじゃあね」
「入るか」
こう話してだった。三人は店の中に入った。そしてだった。
「桂花さん、いる?」
「よお、来てやったぜ」
許緒と文醜が笑顔で話すのであった。
「それで何するの?」
「酒でも飲むのか?」
「あっ、いらっしゃい」
典韋が三人の前に出て来た。
「季衣ちゃんだけじゃないんだ」
「おう、あたい達もな」
「お邪魔します」
「文醜さんと顔良さんも来てくれたんですね」
典韋は二人の顔を見てにこりと笑って述べた。
「それじゃあ中に」
「うん、それでさ」
許緒が典韋に尋ねた。
「何するんだよ、一体」
「それが私も知らないの」
そうだというのであった。
「今来たばかりで」
「えっ、流琉ちゃんもなの」
「そうなの。けれど桂花さんはもう用意されてるらしいよ」
「ふうん、そうなんだ」
「行こう」
典韋は笑顔で三人に告げた。
「お店の奥にね」
「ああ、じゃあな」
「お店の中にね」
「お店の人には許可を取ってるから」
典韋は三人にこのことも話した。
「だからそれは安心してね」
「そうなんだ、じゃあ気兼ねなく遊んでいいんだね」
「そうみたいよ」
典韋はまた笑顔で許緒に話す。
「それじゃあね」
「何をするのかな」
うきうきとして話しながらだった。四人で店の奥に行くとであった。
そこには郭嘉と程昱がいた。そしてこう言うのであった。
「桂花さんに呼ばれましたが」
「一体何なのでしょうか」
「それがわからなくて」
「期待できます」
二人の言葉はここでは確かな違いがあった。
「ただの親睦会ではないようですし」
「桂花さんもわからない人ですから」
「あれじゃねえのか?」
ここで程昱の頭の上の人形が言ってきた。勿論腹話術である。
「酒じゃねえのか?」
「宝譿、そうなの」
程昱はその人形に対して目を向けて尋ねた。
「お酒なのですね」
「だってよ。あの猫耳軍師無類の酒好きだぜ」
人形のふりをしてさらに話す。
「だったらそれしかねえだろ」
「そうでしょうか」
自分で言っておいてとぼけてみせる程昱だった。
「何か違う気もしますが」
「ううむ、怪しいものでなければいいのですが」
郭嘉は困った顔で話してきた。
「桂花さんも突拍子のないところがありますし」
「だからそういうのがいいじゃねえの?」
文醜が郭嘉の言葉に突っ込みを入れてきた。
「出たとこ勝負って感じでさ」
「そんでそっから先は考えてるのかい?」
人形ということで問う程昱だった。
「あんたは」
「いいや、全然」
「僕もだよ」
それは許緒もだった。
「全然ね。もう何が起こるか楽しみでさ」
「こりゃこの二人戦しかできねえや」
また人形のふりをした。
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