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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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607部分:第四十七話 顔良、仲間外れになるのことその六


第四十七話 顔良、仲間外れになるのことその六

「それでなんだ」
「成程な。そういえばあたいもそうした装飾って着けないんだよな」
「私も」 
 二人はそういうものには興味がないのだった。
「髑髏とか。そういう怖可愛いっていうのか?」
「何か合わないから」
「僕もね」
 それをまた言う三人だった。
「まあ。そこでやるのが楽しいのならいいがな」
「何か心配だけれど」
「そう?僕すっごく期待してるけれど」
 許緒は文醜と同じ意見だった。
「桂花さんが何をしてくれるかってさ」
「あの猫耳軍師あれで結構腹黒いからなあ」
「陳花ちゃんと仲悪いしね」
 文醜と顔良も荀彧のことはよく知っていた。袁紹陣営と曹操陣営は共に何進の下にあるのでその関係で交流が多いのである。それでだ。
「あの二人顔を見合わせたら喧嘩するからなあ」
「何とかならないのかしら」
「桂花さんって強情だしね」
 許緒も言う。
「おまけに陳花さんもだし」
「似た者同士だよな」
「姉妹で」
「あとね」
「ああ、今度そっちに加わった姪の人のことだよな」
「叔母さんって言ったら凄く起こるのね」
「そうなんだ。それも注意してね」
 許緒は二人にこのことを囁いた。
「言ったら凄く起こるから」
「やっとあの極端な男嫌いがかなりましになってもか」
「相変わらず難しいのね」
「覇王丸さん達と一緒に飲むようになったよ」
 それはできるようになったのである。
「あの人お酒好きだし」
「私も好きだけれど」
「あたいもだけれどな」
 顔良と文醜も酒は好きなのだった。
「幾らでも飲めるし」
「食う方も好きだけれどな」
「僕もそっちは好きだけれどね」
 許緒もだった。酒好きなのであった。
「お酒っていいよね。ただ幾ら飲んでも酔ったりしないけれど」
「えっ、それって」
「かなり凄いな」
「そうよね、許緒ちゃんってまさか」
「うわばみかよ」
「違うよ、僕は猪だよ」
 わかっているのかわかっていないのかだ。彼女は笑ってこう言うのだった。
「文醜さんと同じだよ」
「おっ、あたいと同じかよ」
「うん、そうだよ」
 その通りだとだ。許緒はにこりと笑って話すのだった。
「一直線に進むからね」
「だよな。やるからには一直線だよ」
 文醜も楽しい顔で応える。
「そういうことだからな」
「うん、じゃあ着いたよ」
「おっ、早いな」
 まず看板が目に入った。黒い看板に何かわざと赤い血をイメージするような文字で描かれている。そうしてなのであった。
 外観もだ。蔦があったり髑髏が飾られたり蝙蝠があったりしてだ。何かが違っていた。
 顔良がそれを見てだ。怪訝な顔になってこう言うのであった。
「何か中にいるみたいね」
「だよなあ。何だよここって」
 文醜もそこを見て言った。
「見ているだけでうきうきしてくるな」
「えっ、そうなの」
「そうだよ。あの猫耳軍師いい趣味してるじゃねえか」
「本当にそう思うの?」
「ああ、そうだけれどよ」
「そうなの」
「だってよ。中にお化けでも何でもいておかしくないだろ」
 だからだというのであった。
 
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